「岡崎だったからいいけど…」豪雨災害で麻生氏発言(読売新聞)
自民党の麻生太郎幹事長は14日、名古屋市で行われた自民党総裁選の街頭演説会で、8月末に愛知県などを襲った豪雨災害に触れ、「これが安城、もしくは岡崎だったからいいけど、この名古屋で同じことが起きたら、この辺全部洪水よ」と述べた。
「公共工事は、都市部でもきちんと行うべきだ」という趣旨の演説の中での発言だが、今後不謹慎だとの批判も出そうだ。
いいわけないだろ、としか。死者まで出た豪雨災害をそう他人事のように語られても困ります。ましてや次期総理大臣の最有力候補となれば日本全域に責任を持ってもらわなければならないわけですが、まぁそういう人なのです。
それはさておき、引用元である読売新聞が付け加えたエクスキューズも意味不明です。「『公共工事は、都市部でもきちんと行うべきだ』という趣旨の演説の中での発言」と断り書きがつけられているわけですが、これがどうして「岡崎だったからいいけど」という発言を免責できるのか、そこが疑問です。どうして都市部でも公共工事を行うべしとの文脈であれば「岡崎だったからいい」ことになるのでしょうか?
結局のところ、この読売記事が気にかけているのは「不謹慎だとの批判」が出ることのようです。記者は別に不謹慎だとは思っていないが、「うるさい連中がやかましく言い出すぞ」と、それを警戒しているように見えます。だからこそ、全く釈明として機能していない断り書きが付け加えられ、「問題発言ではないか?」と問う代わりに、「批判も出そうだ」と結んだのでしょう。
橋下知事、「市町村教委は関東軍みたい」 テレビで批判(朝日新聞)
大阪府の橋下徹知事は14日、民放のテレビ番組に出演し、全国学力調査の結果の公表を求める橋下知事に反発する市町村の教育委員会について「中立性の名の下に、自分たちの領域は神聖不可侵なんだという本当に恐ろしいような状態。関東軍みたいになっている」と述べた。
この番組で、学力調査の結果公表について視聴者から賛否を募ったところ、8割が公表を支持し、非公表支持は2割だった。結果について、橋下知事は「国民の声、府民の声をずっと無視していいのか。教育委員会の中立性ということで、まさに関東軍になっている」と批判した。
この手の誹謗には「ヒトラー」もしくは「ナチス」が持ち出されるのが通例ですが、「関東軍」が登場するのは珍しいかも知れませんね。まぁ、反対する人を「ヒトラー」呼ばわりする人の場合と同様、馬鹿と言う方が馬鹿といいますか、むしろ橋下の方が関東軍的な性質を強く持っているのは通例通りです。
その暴走ぶりや国民/府民を守らない辺り、橋下の方が関東軍に相応しいわけですが、たぶん橋下からすれば関東軍の専横は悪い専横、自分の独断は勇気ある決断と、そういう考えなのでしょう。そして国民/府民の支持がある自分は神聖不可侵とばかりに反論を許さない、本当に恐ろしいような状態です(「恐ろしいような状態」って、表現として少し変な気がします)。
それはさておき、ヒトラー/ナチスの場合は、「悪いもの」の代名詞として大筋で認識されているわけですが、関東軍の場合はどうなのでしょうか? 確かに私達であれば「関東軍」を好意的なニュアンスで使うことはありません。でも、世の中には旧日本軍の蛮行を正当化したり、愚行をなかったことにしたりと、軍隊の美化に熱心な人も少なからずいるわけです。関東軍だって例外ではなく、その正当化に熱心な人が、とりわけ橋下支持層には一定の数がいると思うのですが、その辺の人にとってはどうなのでしょうか? 悪の代名詞として関東軍が使われることに歴史修正主義者は何を思うのか、その辺に興味がないでもありません。
テストの結果を市町村別に公開することで、生徒にどんなメリットがあるのかちゃんと説明すればいいのに。民間の訪問販売だってメリットの説明ぐらいしますよ。いきなり玄関口でくそだの関東軍など言われたらたたき出されますよね。
例の隠し撮りのことについても、「全く問題ない。こんなのをマナー違反というなら、もっと公務員としての自覚を持ってもらいたい」とか「職員の文化からしたらマナー違反かもしれないが、(撮影には)公益性も公共性もある」とか言ってるみたいでして、回答が質問の答えになってないという事実は別として、まあ詭弁というかディベート術というかは知りませんが、行動の是非を公務員の意識問題に見事にすり替える悪意満点の発言なんですよね。
徹頭徹尾、敵作り(それも反撃の来ない)につなげる行動は変わらないんですが、冷静に考えると「僕の言う事(する事)は絶対に正しい」おかしいと思うのは「公務員の自覚が足りないからだ」正しい理由は「公益性がある」ですから。
これって宗教団体の教祖が「自分の言うことは絶対正しい」正しくないと思うのは「おまえらの人徳(信心)が足りないから」とか言うのと同じなんですよね。
付け加えると、「公益性(公共性)がある」という根拠は、「僕がそう言ってるから」につながるんでしょう。客観的根拠なんてないんですから。論理的には「バカボンのパパだからパパなのだ」みたいなものですね。
教育委員会が関東軍ならば、行政の責任者である首相、武力装置である陸軍軍政の長である陸軍大臣、統帥権としてだれも手を出せなかった軍令の長である参謀総長の三職を兼任して、あらゆる事を自分一人の意のままに決定し、異を唱える者はクビまたは激戦地への派遣、憲兵を使った圧力などなど、橋下知事の独裁的な思考(嗜好)は東条英機かもしれないと思ったりします。
むしろ天皇への上奏という手間がない分、東条よりもやりたい放題だったりするかもしれません。ずいぶん小物でマネジメント能力もなく、エリアも小さいですけど、勇ましさに感化されて訳がわからなくなった府民の支持だけが支えになって暴走し続けようとしている点も同じように感じますし。
まぁ試験結果の公開が目的なら、その必要性やメリットを説くのでしょうけれど、それよりも教育委員会を攻撃すること、それ自体が目的なのでしょう。そこがチンピラたる所以で、相手を脅しつけることでしか権威を保てないのです。
>さらさん
実際に教育委員会がやっているのはその程度のことなのですが、それを関東軍と呼ぶ知事もいてメディアも迎合するばかり、橋下の言葉を教祖の言葉のごとくありがたがっている連中からすれば、教育委員会も悪の権化なのでしょうかね。どちらの側に立つかで悪にされたり正義にされたり、それを決めるのは教祖様、ひどいものです。
マスコミ向けには「敵」、あるいは「ネタの対象」となっている人の悪口をいい、裏では色々と媚びて回る。考えただけでも私はイラッと来るのですが、こういう人が人気になるのが現実で、そして私には理解不能です。最悪岡崎の一部の人はこの麻生発言聞いて納得するんじゃないかといやなこと考えてしまいます。
それにしても「学力テストの結果=平均点を出せ出せ!」言ってる人達を見てると、この国のマスコミ受けするえらい人達は統計の基礎も知らないのか!それこそ教育問題だ!と思ってしまいます(笑)
なんか最近こういった「中途半端な軍オタ」についての記事書かれてましたよね?まさにそれ。
組織運営について「トップダウン型」しか知らない(いいぇ、「それこそが正しい」と思い込んでいる)というのも、半端軍オタまるだしですねぇ。こういうのは、自分がほぼファシストだということを分かってない一番困った例ですが、お仲間さんにはウケがいいような気もします。
さらに個人的には、この発言をきっかけに「関東軍って何?」という人たちがネットで調べて、そういったお仲間さんたちの言説にたどり着いて、認識を同じくして…という悪循環を予想してしまいます。
橋下氏本人は確信犯なのか、天然なのかよくわかりませんが、いよいよもって困ったことです。
…なんか、ただの悪口+ネガティヴ思考満開ですいません…。
名古屋の方は『輪中』『天井川』の代表例が教科書にものるくらいで、
治水や水害対策は、国内でも最も大変な地域の1つです。
ですから、
『同様の水害が発生すれば、より深刻な結果をもたらすだろう』
と言いたかったのでしょう。
3・4桁のご愁傷様よりも、2桁以内の方がマシ。
数万世帯の被災より及ぶより、数千世帯で済んだ方がマシ。
要するに、程度の問題なんですね。
その発言で分かることは、
被災者一人一人は、彼にとっては統計上の数字に過ぎず
それぞれ人生や生活があることは意識の外ということです。
(政治家とは、本質的にそういう仕事なのかも知れませんが、
開き直るような発言はマズイでしょう)
とは言え、私自身にとっても、
グルジアやチベットでの何千何万の被害より、
近所の不幸の方が大きな意味を持っていますから、
あまり強くは責められません。
結局、自分との距離の問題なのかも知れません。
橋下は関東軍についてとの程度の知識をもっているのでしょうか?
あまり報道されていませんが、大阪府教委でおこった盗聴事件に彼は「良くない行為だが、企業社会でも(盗聴は)よくあることで、そんな大それたことだとは思っていない。」と発言しています。
橋下は常に「民間では」と言いますが、この論法だと、工業用の事故米が食用に転売された犯罪でも、「よくあることで、そんな大それたことではない」ということになるのでしょうね。
橋下や石原が知事、麻生が次期の首相、こんな国には未来なんてないのでしょうね。
自分と一緒になって、自分の嫌いなあいつを罵ってくれる人、これが「国民の目線に立った」政治家として賞賛されているフシはありますね。そして学力テスト問題もそう、口汚く罵ることが支持に繋がっているわけですが、それを支持する人々の頭の方が心配、なるほど、そっちの教育の方が緊急課題ですね。
>ベースケさん
なるほど、軍首脳部を免責するために関東軍に責任を負わせる、それならば歴史修正主義者も「関東軍」を悪者の代名詞として使うことに納得しそうですね。本物のマニアだったらこういうねじ曲げはないのでしょうけれど、半端な先軍主義者にはちょうど良いのかも知れません。
>貝枝五郎さん
Yahooだったら支離滅裂な麻生用語のコメントが見られるかと思いましたが、意外にまともでしたね。gooポータルからブログ検索すると、結構酷いものでしたよ。
>案の運さん
岡崎の方はどうだったのでしょう? 水害対策が十分な地域だったのかどうか、いずれにせよ被害の多寡で判断しているわけですよね。麻生氏にとって被災者とは統計上の数値に過ぎないのでしょう。
>水中メガネさん
結局「民間では」という言葉も、一貫性を以て使われているのではなく、ご都合主義的にしか使われていないのですよね。公務員叩きに使えるときだけ活用する、ペーパーテストの点など無視したコネ採用なんて、それこそ「民間では当たり前」ですが、そういう使い方はしない、無茶苦茶です。