自民・麻生幹事長の「ナチス」発言、民主党が強く反発(読売新聞)
自民党の麻生幹事長は4日、就任のあいさつ回りで江田参院議長と会談した際、ナチスドイツを引き合いに民主党をけん制した。同党は強く反発している。
国会内で江田氏と会談した麻生氏は、「民主党も政権を取るつもりがあるのか。しっかりしてもらわないと(いけない)」と同党を批判した上で、「ナチスドイツも『1回(政権運営を)やらせろ』と言ってああなったこともある」と述べた。
(中略)
麻生氏は4日夜、記者団に「(野党が多数の)参院で審議をしないとどうなるか。(ドイツが)昔、『(政権運営をナチスに)やらせてみたらどうか』といった結果どうなったか、という歴史があるので審議をするのが大事だという話をした」と釈明したが、自民党内では「早くも麻生氏の失言癖が出た」との指摘が出ている。
時々、出てきますよね。とにかく相手を否定したいとき、悪の代名詞の意味合いで相手をヒトラーだのナチスだのと言い出すケース。例えばこの辺とか、この辺とかがそうですね。愛煙家wとか鳩山元法相に続いて、昨日は麻生幹事長がこのパターンを持ち出したそうで。麻生氏ならこの程度は別に驚くものではないかも知れませんが、就任そうそう随分なご挨拶です。
以前にも触れたことではありますが、この手の表現によって非難される対象より非難する当人がヒトラーあるいはナチス的なスタイルに近かったりします。正直、民主党のどこにナチスに擬えられる要素があるのか常人には推測すら困難なのですが、逆に麻生氏にナチス的なるものを見出すのは比較的容易ではないでしょうか。国民の憎悪や偏見に便乗して支持を集めるという点では、民主党ではなく小泉や橋下、そしてこの麻生太郎の方が遥かにナチス的ですから。
一応、ここでは「ナチス=悪いもの」という共通認識に基づいての発言であり、視聴者の認識もどれは変わらないのでしょう。しかし、このナチス=悪と位置づけてはいても、ナチス的なるものを否定しているかは別問題です。我々を苦しめている「悪い奴」を描き出し、その「悪い奴」を退治するヒーローたらんとする、ヒーローを待望する、そうした手法は麻生氏も実践してきたものであり、少なからぬ国民も好んできたはずです。
まぁ、民主党側、民主党支持層にも「そのケ」がないわけではないのかも知れません。政府与党、自公政権に否定的であれば、ともに政権交代を訴える「同志」でありさえすれば、それがレイシストであっても賞賛の対象にしてしまう、レイシズムに目をつぶって許容してしまう、そういう傾向も少なからず見え隠れしているわけです。これは国家社会主義日本労働者党への萌芽と見てもあながち的外れではないと思います。
ちなみに細かいことですが、引用記事冒頭の「けん制」というのもどうでしょうか。それを牽制と呼んで良いのかどうか、甚だ疑問です。「言いがかり」とか「挑発」とか、そちらの方が適切に思えるのですが、読売としてはとりあえず野党に否定的な発言であれば「牽制」扱いなんでしょうか。あまりにレベルの低い発言を「批判」と同一視するのはいただけません。それから「早くも麻生氏の失言癖が出た」との自民党内の指摘もダメですね。これを失言と片付けて良いのかどうか、そこは考えてみるべきです。普段、そういう考えが頭にあったからこそ、言い換えれば麻生氏の偽らざる信条がそこにあるからこそ、こうした発言が出てくるわけで。
どうでもいいけど、参議院の議長に向かってここまで言うのも相当なものですね。まあ、こんな馬鹿がいずれは日本の首相になる可能性が高いかと思うと、いまさらながらうんざりします。
うんざり感が走ります。単純なのか、裏に何らかの意図があるのか、ついつい深読みをしてしまう自分にも「こんなのに付き合わされる国民の悲哀を誰が責任録るんだ」と、前任伊吹のうそぶき癖も大嫌いでしたが新自民党幹事長麻生のレベルを騒ぎ立てることでマスコミが何かの影響力を与えられるのか、あぁぁぁ、何なんだ、この国はと。
これで内閣支持率20パーセントに自民支持率30パーセントを堅く稼いで、麻生個人が60パーセントとは。笑うしかありませんよ。
いやいや、他はどうあれしっかりと政治の動きを注視して態度を決めていこうと思い返しました。こんなのになんかうんざり感を助長されて目くらましをあびたり何んかしている場合ではありませんと。
では。
麻生、随分なご挨拶ですよね。呆れたあまり呆れた理由をコメントし忘れました。管理人さん「あ、そう」なんて言わないでください。
ナチスは第一次大戦後に勝ち組国から巨額の賠償を約束されて降伏しました。あまりにも巨額の賠償負担だったのでドイツ国民から生活苦を下敷きに怨嗟の声が挙がり続けワイマール共和国という民主主義にも不審の目を向ける世論も助長されて、繰り返された民主主義議会選挙の中でやがてナチスは合法的に第一党になり政権に就きます。そして就いたとたんに国会そのものを有名無実化し全権力を内閣(ヒトラー政権)に委任させて、あのユダヤ民族大虐殺や欧州全土への戦争に突き進みました。
ご存知の所を長々とすみません。要するに民主主義で合法的に政権に就き、就いたら民主主義を否定するプロセスを民主党はするのだと、麻生新幹事長は参議員議長に公式会談の席で述べたわけですよね。
与党幹事長は政府と一体で、これから参議院第一党の民主党や他の野党と政府の政策実現のために交渉するというお仕事を持っていというのに、普通のビジネスや地域の町内会などでの場合を考えてみても、始めから相手の人格を否定して、その任務をどうやって果たそうとするのか、心底のお馬鹿さんでもない限り判る人は居ないと思いました。そんな程度の者が日本の政権与党の幹事長だというのですから呆れ果ててしまい、何故呆れたかの理由説明も書かなくても良いかなぁと思ってしまった次第です。
まぁ、その時の国会放火事件(ナチの犯行の疑いが濃厚)を共産党に押しつけて弾圧した件を想起させて日本共産党を牽制したつもりかも知れませんが、児戯に等しい低レベルの頭の中だと笑ってあげましょう。
では。
「国民が一度やらせようとか言うから」ってどこが審議拒否とかですか。
というより、実質上審議すっ飛ばして強硬採決する与党と、それへの対抗策として審議拒否のどっちがナチ的かと言えば。
そりゃ圧倒的に前者に決まってます。
まさに天に唾、普段自分が言われてるから、自分だって誰かに言いたいという気持ち「だけ」先走り過ぎたんでは。
この程度でナチ呼ばわりOKなら、そのナチと同盟国だった戦前指導者とかはドンドン同列扱い可でしょ。
少なくとも麻生氏的には文句無いですよね? 彼もその戦前体制の恩恵で築かれた財閥の御曹司ですが。
日本の政治システムには独裁を許す可能性があるとなんてことを堂々と語るとは情けないですね。
2人のうちどっちの見解を信じるのか、悩む人もいるかもしれませんし・・・。
ま、麻生氏の発言が事実ならかなり無茶苦茶な言い草ですが。
今回の管理人様の深い洞察に対して、二番煎じの駄文を書きたてるつもりはありません。
今回のエントリーの一字一句全てに同感です。
そうそう、失言というより「真意を漏らした」レベルです。そんな頭の中もアレなら、それを口に出す分別のなさも然り、その辺の愚かさに国民も気づいてくれないかと願わずにはいられません。
>単純な者さん
いえいえ、昭和天皇じゃございませんから、そんなことは申しませんよ。
それはさておき、麻生ですから……仰るように幹事長という役目ですから、むしろ民主党を懐柔するような発言が求められそうですが、暴言を吐いて世論の歓心を買う、それで政治を停滞させても気にしない、それを支持する有権者も有権者ではありますが、いやはや何とも。
>Gl17さん
後先考えず、ただ相手を否定する意味でナチスと言い出したのでしょうね。ナチスとはどういうものを表してきたのか考えていない、まぁ麻生氏の頭の中で修正された歴史では、色々と都合良く書き換えられているのかも知れませんけれど。
>リルさん
たぶん、自民党の独裁は善い独裁、民主党の独裁は悪い独裁なのでしょう。中国の人権弾圧は悪い人権弾圧、日本国内の人権弾圧は善い人権弾圧と考えているであろう人々ですから。
>flagburnerさん
でも、麻生氏も発言自体は否定していない、解釈が違うと言い訳しておりません? たぶん麻生氏としては「マスゴミがつまらないことで騒ぎ立てているんだ」ぐらいに思っているのではないかと。むしろ私は自然にナチスという言葉が出てくるところに疑問を感じますね。
>アダモさん
恐縮です。