「日本は北朝鮮と一緒だ」＝問題論文めぐる処分に不満－田母神前空幕長が会見(時事通信)
日中戦争での日本の侵略や植民地統治を正当化する内容の論文を民間企業の懸賞論文に発表したとして、解任後に退職を命ぜられた田母神俊雄前航空幕僚長＝空将（６０）＝が３日夜、東京都内で記者会見し、「政府見解に対しひとことも言えないようでは、民主主義の国とは言えない。北朝鮮と一緒だ」と、不満を表明した。
自らの処分については「防衛相が決めたことに従う」と、争う意思はないことを示したが、野党が求める国会の参考人招致には「積極的に応じる」とし、今後も「独自の史観」を主張するという。
スーツ姿で会見場に姿を見せた田母神氏。冒頭に文書を読み上げ、「解任の理由は『政府見解と異なり不適切』というものだが、信念に従って書いた」「戦後教育による侵略国家という呪縛（じゅばく）が国民の自信を喪失させるとともに、自衛官の士気を低下させている」と、論文と同じ持論を展開。最後まで、謝罪の言葉はなかった。
もはやどこから突っ込んだらいいのかよくわからない田母神元幕僚長の出番です。どこがおかしいのか、その点がもうちょっと少なければ手もつけやすいのですが、本当にもう、隙が多すぎてかえって迷いますね。
とりあえず田母神ワールドでは、その主張するところが『政府見解と異なり不適切』との理由で解任されたことになっているようです。ふ～む、下っ端公務員が共産党のビラを配れば処罰されるのが日本ですから、「政府見解と異なる」という理由で更迭されても不思議ではありませんが、田母神氏の場合はどうなのでしょうか？ 問題を矮小化しようとする人々は、今回の田母神（自称）論文は中国や韓国との関係を悪化させる云々と語ります。しかし田母神氏の主張するところは、中国や韓国だけではなくアメリカを筆頭とする諸々の国の歴史観と対立しているわけで、もしアメリカが選挙で大忙しでなければ、あるいは日本のことなどハナから相手にしないつもりでもなければ、日本を外向的に孤立させるに十分な方向性を持っているのです。
で、言うに事欠いて「北朝鮮と一緒だ」そうです。へぇ。確かにそう、日本と北朝鮮が類似の傾向を見せるときもあります。例えば北朝鮮が戦後補償を持ち出したとき、そして日本が拉致問題を持ち出したとき、両国はともに「未来志向の関係を」と語ります。六者協議を巡っても日本と北朝鮮の見解は一致しますね、とりわけ田母神氏のような最右翼と北朝鮮は、です。日本の右派は六者協議からの脱退をちらつかせるわけですが、北朝鮮もそれに同意見で、日本に六者協議に参加する資格はない、脱退すべきと語る等々。
それはさておき、田母神氏は「政府見解に対しひとことも言えない」と語るわけです。これではまるで、田母神氏が政府見解と異なる主張をしたことに問題があるかのようです。とんでもない、問題なのは国家の要職にある人物が、公然と歴史修正主義の主張を繰り広げたことにあります。そりゃ日本はヘイトスピーチの自由を保障することにかけては世界随一かも知れませんが、だからと言って何時でも誰でもどこであろうとも歴史修正主義を後援するとは限らない、その手の傾向が強い自民党政府といえど、勝手に暴走されては困ると考える人もいるわけですから。
名も知れぬ国民が勝手に何かを「やらかす」のならまだしも、その国の政府が責任を持って選出、任命したような要職にある人物が修正主義の言動や排外主義、差別的言動を繰り返すこと、これは「恥ずかしい振る舞い」です。国際的には全く通用するはずのない、国内の政府支持層にしか通用しない自己弁護を繰り返すのは紛れもない「痛い国」であり、まぁ北朝鮮を含む独裁制の国家にはしばしば見られることでもあります。そして今回の田母神（自称）論文が世界に知られることは恥ずかしいこと――金正日やムガベ大統領の主張が世界を呆れさせるのと同様――日本を嘲笑の対象へと貶めるばかりです。
その手の人に言わせれば、毎日新聞のゴシップ記事が日本の国際的な評価を貶めたそうですが、世界の人々はそんなゴシップ記事なんて読んじゃいませんし、真に受けてもいません。そんなものよりも重大なのは、かの「THE FACTS」であり、今回の田母神（自称）論文など、国家の要職にある重要人物が歴史修正主義者であることを公然と表明したことの方です。極々一部の好事家が目にするネタ記事なんぞより、現役の政治家や軍のトップが妄言を繰り広げていることの方が遥かに日本の評価を低めているのは言うまでもないことです。日本国内で歴史修正主義は恥ずかしいものとは思われていないかも知れませんが、国によっては法律によって明確に禁止させているものですらあります。その点では日本のお偉いさんは犯罪者みたいなもの、それが野放しにされている有様は、日本の政治的な水準を疑わせるに足るものです。まぁ中山元国交相が言うように日本は内向きですから、外からの評価など気にするつもりはないのかも知れませんがね。
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傍目には、隠しようがないことを隠そうと嘘を重ねる姿は恥の上塗りでしかないわけですが、それが見えていないのでしょうね。内向きですから、「他人から見た自分」が想像できないようです。
今回は論文？の幼稚さも話題ですがこういうとき
こそ特に橋下を支持するような人達には
大阪のみではなく日本人の学力を問題に
してほしいものだと思ったりします。
で、陰謀論にハマる人と言うのは、往々にして、
「自分の信じたい事を無批判に信じる」
ような人なんですよね。
とてもじゃないけど、何か有った時に、適切な判断を下せるような人には思えないです、はい。
そんなのが、万が一の場合は、数万の自衛隊員と、それより更に多い一般国民の命を預かる立場に就いてしまった、と。
今が、有事でなくて、本当に良かったですよ。
有事であれば、田母神氏は、間違いなく、万単位の命を奪ってたでしょうね。それも、自国の人間の命を。
判例では、勤務時間外の行為でも違反だそうですが、田母神の論文（馬鹿）執筆時間は勤務外だったんですかね！？
＞その手の人に言わせれば、毎日新聞のゴシップ記事が日本の国際的な評価を貶めたそうですが、世界の人々はそんなゴシップ記事なんて読んじゃいませんし、真に受けてもいません。そんなものよりも重大なのは、かの「THE FACTS」であり、今回の田母神（自称）論文など、国家の要職にある重要人物が歴史修正主義者であることを公然と表明したことの方です。
ほんとそうなんですけど、なんで荒木和博や阿比留記者その他の極右の馬鹿は、そんなことすらも理解しない（しようとしない）んですかね。櫻井よしこなんか、「THE FACTS」の無残な失敗をもう少し深刻に受け止めてほしいのですけどね。少なくとも良識のある右翼の人だったら、今回の田母神の行為を大いに怒ってもらいたいと思います。
ある心理学者が
「侮辱の言葉は相手ではなく、本人を表す言葉である事が多い」
と言ってましたが、こういう事かな～と思ったりしました。
いずれにせよ「恥ずかしい」です。
「その手の傾向が強い自民党政府といえど、勝手に暴走されては困ると考える人もいる」とのご指摘はそのとおりだとおもいます。だとすると、「左右のスキの『脆弱性』(2008/11/01 14:52)」(http://harana.blog21.fc2.com/blog-entry-526.html#comment1180)における、タカマサさんによる「右派の分裂・対立ぶりは、『敵失』にはならんとおもいますよ」という指摘はやはりまちがいで、貝枝が「一応かきたしますか(2008/10/03 23:04)」(http://harana.blog21.fc2.com/blog-entry-461.html#comment-top)で指摘した様な「3.反人権派でうちゲバがおきそうなネタを記述する」という行為は、実際の政治を改善する(人権を擁護するように変更する)ために有効である様におもうんですが、どうですかね？いくら、うよくやウヨクや右翼やuyokuが、人権意識を針の先ほどももちあわせておらず今後ももちあわせる可能性もなく、下劣で野蛮でくだらなく、わがままで傲慢で不遜でみのほどしらずで御都合主義で日和見主義で一切の道理がとおらず、自分が私利私欲しかかんがえないのみならずよのなかのすべての人間が自分とおなじ我利我利亡者だとしかおもえないほどにみずからの狭隘な価値観を絶対視しており、一切の長所がなく短所だらけで、長所を今後みにつける可能性も短所を克服する可能性も厳密な厳密に定量化するとほぼゼロなどというなまやさしいものではなく文字どおりのゼロである、究極の外道であるとしても、ほかならぬその外道であるがゆえに内部での対立は、みずからの(つまり、本来は社会的存在であるはずの人間でありながら孤立している、たったひとりの私人の)利益をそこねるがゆえに、必死になってうばいあう、と。
それにしても、応募者の１／３が自衛官だったり、懸賞金が３００万円と高額だったりとツッコミどころが満載ですね。退職する田母神さんへのＡＰＡからの餞別なんでしょうか？
悪の秘密結社でなければならず、櫻井よしこ氏やすぎやまこういち氏にとって従軍慰安婦は
存在するはずもないものであった。
おそらくは彼等の描く世界観がそれを前提にして成立していて、また逆にその世界観がそういう前提を要求するのであろう。
そしてその世界観を形成する"論理"の巧妙さがそのまま世界観の正当性の根拠とされる。
あえて好意的に例えるならば「非ユークリッド幾何学」のようなものだと言えるだろう。
もちろんそれは、冷厳な事実の存在によって完全に瓦解させられる宿命にあるのだが……。
しかし、私は政府の主張も(はっきりとは言わずとも)この論文通りだと思っていましたが、さすがに堂々とこのような主張をする人物を置いておくのはまずいと思ったのか、更迭されましたね。その後のこの人の扱いを見るに、本当は更迭して悪いと思っているのではないかと疑ってしまいますが・・・。
今回の件でネット右翼の皆さんが騒ぎ立てるのは想像に難くないですが、責められるのは日本政府なんでしょうかね。それとも「歴史を捏造していつも圧力をかける中韓」でしょうか。
>毎日新聞のゴシップ記事が日本の国際的な評価を貶めた
他にも「中韓のプロパガンダ」という説も披露していましたが、国連での死刑と代用監獄についての件を見るにどうも自分たちで評価を貶めてるようにしか見えません。そういえば、イタリアの落書き事件のときも日本の不寛容さに驚いていましたね。この事件で「恥ずかしくて、イタリアに行けない。」みたいなことを言う人がいましたが、私に言わせれば「(日本人はあなたたちのような不寛容な人だと思われて)恥ずかしくて、イタリアに行けない。」です。
誰が日本の評価を貶めているのか、いい加減気づいて欲しいのですが、マスコミも国連の件を放送したりしませんし、難しいのでしょうかね。