経済なんでも研究会

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FRB 「ゼロ金利停止」の 読み方 (下)

2021-06-23 07:26:48 | 株価
◇ 軽視派は「鬼が笑う話」と驚かず = 金融政策の大転換ともなれば、株価はもっと暴落しても不思議ではなかった。それが2000ドル以内の下落にとどまったのは、FRBの発表方法が巧妙だったからである。FOMC後に発表した声明のなかではゼロ金利終了にはいっさい触れず、逆に「当面は現在の緩和政策を継続する」と強調した。だから投資家のなかには、“緩和政策の終了”を全く気にしない人も少なくなかった。

「来年のことを言えば、鬼が笑う」という諺は、アメリカにはないだろう。だがFRBの見通しは再来年の話。そのとき政策金利の引き上げが出来るような経済情勢になるかどうか、いまの時点で判るはずがない。また仮に近く量的緩和のテーパリング(徐々に消滅)が始まるにしても、FRBはごく少額から始めるに違いない。

それにFRBは、物価と雇用の動向にも神経を使っている。5月の消費者物価は前年比5.0%も上昇した。しかし昨年4-6月はコロナ不況の真っ最中で、物価はほとんど上がらなかった。だから現在の物価上昇は「一時的なものであり、金融政策には影響しない」と、FRBは解説している。また就業者数は、まだコロナ前を760万人も下回っている。

こんな状態で、FRBがどんどん金融緩和を止めるとは思えない。また量的緩和を少し縮小したとしても、市中に流れるおカネの量がやや減るだけ。とにかく2年も先のことを、いまから真剣に心配する必要はない。軽視派はこう考えて、株価が下がれば買いに出る。こうした投資家が市場にいる限り、株価は下がってもすぐ反発するだろう。

       ≪22日の日経平均 = 上げ +873.20円≫

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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