股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

スパイの妻

2020年10月19日 22時05分18秒 | 映画評論サ行

製作年:2020年
製作国:日本
日本公開:2020年10月16日
監督:黒沢清
出演:蒼井優,高橋一生,坂東龍汰,恒松祐里,東出昌大,笹野高史
『スパイの妻<劇場版>』10.16(金)公開- ヴェネチア映画祭銀獅子賞

1940年、神戸で貿易会社を経営する優作(高橋一生)は満州に渡り、偶然恐ろしい国家機密を知る。正義のために一連の出来事を明るみに出そうとした彼は、反逆者とみなされてしまう。優作の妻の聡子(蒼井優)は反逆者と疑いの目で見られる夫を信じ、スパイの妻とそしりを受けても、愛する夫と手に手を取って生きていこうと決意する。
『トウキョウソナタ』『岸辺の旅』などの黒沢清監督によるドラマの劇場版。太平洋戦争前夜を背景に、運命によってもてあそばれる夫婦の試練を描き出す。蒼井優と高橋一生が『ロマンスドール』に続いて夫婦にふんし、『犬鳴村』などの坂東龍汰や、『コンフィデンスマン JP』シリーズなどの東出昌大らが共演。『寝ても覚めても』などの濱口竜介監督と、濱口監督の『ハッピーアワー』などの脚本を担当した野原位が、黒沢監督と共に脚本を手掛ける。

太平洋戦争の時代の神戸を舞台に、国家機密を知ってしまった夫と、その妻の姿を描いた本作。ベネチア国際映画祭の銀獅子賞に輝きました。蒼井優の演技力の高さが光る作品。もちろん高橋一生も素晴らしい。東出くんは今回は役柄が合っていて良かったと思います。目に見えるもの全てが真実とはかぎらない。愛する人を信じるべきか、疑うべきか…。そしてスパイは誰なのか…。裏切ったり裏切られたりと先が読めない展開がとても面白かったです。戦争は人間を変えてしまうとは、この映画を観るとよく分かります。スパイになった夫と、その夫を命懸けで守ろうとする妻。その後の結末が非常に気になるところ…真実は闇の中か。少々物足りなさも感じつつ、もう少し狂気に満ちた演出も欲しかったところ。優作も聡子も結局何を考えているのか分からないミステリアスなキャラクターでした。どこまで相手を信じられるか、信じれば信じるほど、切ない結末を迎えてしまうものか。爽快感は無いが、あの時代の日本の雰囲気を感じることができて、人間の愚かさを描いた良質な作品でした。

この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)
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