京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の後姿時間」

2017-10-14 09:39:37 | 時計修理

10月14日土曜日。鉄道の日。これは東京・新橋あたりの御祭りなのでピンとこない。

明日は百万遍の手作り市です。日切りの御祭りが日曜日に重なる珍しい日。
上賀茂神社付近の御園橋通りでは「やおい801祭り」もある。
京都産業大学の皆さんがバックアップしている丸一日楽しめる盛大なお祭りでもある。ところが私は日曜日の御祭りには縁がない。明日も工房でお仕事なのだ。

写真はフランクミューラーの後姿です。
革ベルト1本7万円が常識の高級時計の世界。肌に密着する部分でその理由がわかります。
ウラブタに傷をつけるとケースまるごとの交換になるので貧乏時計師にとって緊張する瞬間です。見事なカーブのラインを傷一つつけないで修理を終えてほっとする瞬間。

一度、ベルトメーカー・サドル社のベルトをクレドールに使って時計が生まれ変わったように見えた。これで憧れに変わりました。
ただし一日使ったら翌日は休ませてほしい。当時ぼんくらだった私は出張時にずーっと使っていたところ一年持たないで革がはがれてしまった。
それでお客様には失敗をしないようにベルトを休ませるようお願いしています。
特にカルティエ、ショパール、パティックフィリップとフランク・ミューラーの革ベルトをお使いの皆様は気を付けましょう。

時計と車はよく比較されます。
マセラティ、ベントレーのホイール一本だけでも100万円以上するという。これは暴利だと思う!
ところがパティックの金属ベルト一本が200万円するといってもふつうに眉一つ動かない。
 高級時計の世界では億単位の時計も普通に見かける。車は10年ほどで価値は急に低くなるが時計は10年経過したくらいから威力を発揮します。
高い時計を買ってしまった後悔はそのうち自慢になります。所有する満足感では高級時計の勝ちだと思う。

プレステェージ分野では京おんなが有名。これは後姿を見てほしい。京都は無料で高級ゾーンを歩く楽しみがあります。
背筋はきりっとして歩く形がなんとも美しい。
引き戸の開け閉めは必ず一度座って引かないと戸はすーっと開かない。開ける瞬間は身体もすーっと背筋が伸びます。その後立ち上がる振る舞いを見るために数十万円の費用も惜しくないという。
うずくまる、立ち上がるの繰り返しの舞のような姿は一日二日の練習でできるものではない。貧乏仲間も座敷通いにjはお金をかける。今月は19日木曜日にお誘いがあった。

ちなみにその土地、場所になじむなら3時間ほど寝ることだそうです。
京都に観光で来るなら京都に泊まることです。片どまりという方法もあるのでこの秋は京都人になってみるのもおすすめです。
高級ゾーンを嫌わないで楽しみましょう。








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