京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京都の睡眠」

2016-10-31 09:28:35 | 時計修理

10月31日月曜日。財布の中も仏滅、晴れ渡った青空がなんともまぶしい朝です。
今日はハロウイン。カボチャの夢を見る。
私はカボチャが天敵なのだ!
新幹線の幕の内弁当でハムに見立てたカボチャの天ぷらを食べて以来トラウマになって新幹線で弁当を食べられなくなってしまう。
また天丼の中にカボチャを入れているお店が多いために外食で天丼は食べられない。懐石料理ではカボチャはつきものなのでできるだけ避ける。どうしようもないときはあらかじめ「オヤの遺言でカボチャは食べられない土地柄なのじゃ~!」と伝える。
それほど危険な食べ物なのだ。
カボチャとクサヤのどちらかを選べ!と言われたなら喜んでクサヤを選ぶ!

嫁さんが何とか食べさせようとカボチャ入りのプリン、スープを作ってみるがそのたびに寝込んでしまうため経済的な理由であきらめたようだ。
ハラル料理のようにカボチャを煮た後の調理器具で作った料理は避けてほしいと思う。
今日はハロウインのお化けカボチャの日。おとなしく工房で引きこもりをします。

明日は「古典の日」
京都は古典の街だ。ところが私は理数系で古典は貴重な睡眠時間でした。「春はあけぼの~」と聞いただけでコトンと眠りに落ちそうになる、あの健やかに眠れる時間は楽しい思い出になっています。その祟りが今に来ています。
ミミズが這ったような掛軸の字が読めない。お寺周りでは高い拝観料を払っているのに何となく損をしたような難しい顔と気分で出てくる。

今週は日帰り出張がある。
今回は東京なので楽です。22時に京都を出て翌朝6時に到着するコース。その後新幹線で戻るので午前中には工房に到着しているなんとも便利な夜行バスなのです。出張先から工房までの復路時間は4時間をみています。
市バス9系統が一番の鬼門!呪われたように遅い40分超かかるのがつらい

夜行バス利用なのでアルコールは飲まない。睡眠時間も8時間たっぷり眠れるので日常で一番健康的な時間だ。
運転席の真後ろ三列シートで最悪の3番座席でもぐっすり眠れる特技がある。夜行バスで有利なチビ助、短足なのだ!エコノミー症候群にはかかりにくいのが自慢!
逆に新幹線のぞみは過去の「東京カボチャ」のトラウマ・パニック症状が出て心臓がどきどきする。

東京行きで残念なのが長崎茶碗蒸し。名店「吉宗」が銀座に出店しているそうです。
このお店があく時間にはとっくに新幹線に乗っている時間なのでいけないのだ。やはり東京で一番おいしいのは恵比寿ビールか?

今日の写真はブルガリ・アルミ。
軽くて使いやすいモデルです。危険なのがウラブタのネジ留!対角線上にしっかりと締め上げる技術が難しい。ゆるいと水が入る。片側だけ強く締めても水が入る。
結果は2~3年後に解かるので錆がどこまで浸透しているのかを見てホッとする。
いったんメーカー修理になると6か月間はかかる。へたくその割に時間がかかると思われるので預かった時計屋さんはいい迷惑だ。
じっくりと締め上げてお渡し。電池交換の作業時間は20分、1000円。
「2年後の無事に帰ってくるお祈り付き!」
明日は古典の日。なむなむ無事に戻ってくりくりでおじゃ~なのだ。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時計師の京都時間「光の時間」

2016-10-30 09:34:40 | 時計修理

10月30日日曜日友引。
今日はライトハウス祭りの日か?バスは朝からボランティアの皆さんでいっぱい。
写真は視覚障碍者用の時計です。
手巻き。使い方は風防を開けて指で時刻を読み取る。指で強く推すと分針がグラッと動くが特殊な歯車を使っているので自然に元に戻る。
ただ針が大きく重いので精度が出ない。一日60秒ほどの誤差が出る修理には苦労したがその後のクオーツ化で安心して使える時計になりました。
視覚障碍者の皆さんは健常者と同じように夕方は灯りをつけて朝には明かりを消す。
食事も同じような時刻に取る。そのために正確な時計が必要になります。

現在は音声で聞き取るデジタル機器に進化し音声ウオッチを発売した当時は発音が聞き取りにくくクレームの嵐で参った。
今でもまだ使い慣れたアナログクオーツ時計を愛用しいる人も多い。

ところがこの時計部門は赤字。使用者の絶対数が少なく生産個数も限られる、世界中に送るためデリバリーにコストがかかる。赤字でも障碍者の皆さんが困るのでやめるわけには行かない。時計屋の意地のような分野でしょう。

10月もまもなくおわり、東北盛岡では初雪が降る季節になりました。視覚障碍者や障碍者の皆さんには厳し季節がやってくる。
路上は雪が積もって白い杖は雪の色と同じように見えなくなる。
車いすも当然使えないのでどうしても外出を控えるようになります。無理にでも引っ張りっ出して日に当たらないと風邪をひきやすくなります。
 靴は滑らないようなスパイク付きに変わります。おんぶしての移動になるのだが強力スパイク付きの靴でも慣れない南国育ちの私はよく滑った。歩き方にコツがある。

季節が寒くなると当時滑ってけがをしたひざの関節が痛みだします。びっこに近い歩き方がおかしいといわれるが何となくこの痛みが誇らしくなる季節でもある。人には「安比高原リゾート北斜面スキーでけがをした。」とウソつく。

今日は上賀茂神社ではパン祭り。昨年は5万人集まったそうです。今日の好天でさらに増えそうな勢いだ。ところが私は小麦アレルギー、パンは食えないので残念だ!

京都大アンティーク市も今日が最終日。今回も工房に張り付いているので見送りだ。

「人が遊んでいるときは仕事、働いている日も当然仕事や~!夜には休める仕事なのだからええやろ!」と入社後に言われた。
優しい裏には真っ黒けのブラック企業なのだ。まっくらの中でも小さな光で幸せを感じられる仕事でしょう。
今日は快晴!
もったいない一日を楽しみましょうね。












コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時計師の京都時間「時間の検証」

2016-10-29 09:31:41 | 時計修理

10月29日先勝の土曜日。雨!
写真はカルティエ本物。本物と書かなければいけないほどコピー品が増加中です。
「韓国、中国人が作って日本人が買う」構造が定着しています。毎日のようにやってくるがお断りする技術も上手くなった。
ほとんどの人がばれないと信じているようだがあっさりと見破られておろおろとする光景が悲しい。プライドがないのか?と人格を否定してしまいそうになります。
本物のカルティエの文字盤には隠し文字がある。写真に写らないほど小さな文字がある。それですぐにばれるのだ。
これからのネット時代コピー品が減ることはないでしょう。

「京都時間の検証」
居酒屋の話題では「昔は親孝行、40年後に親不孝に変化する日本の時間」がでる。
偏差値の高い大学へ進むと社会に貢献できる!と当然のように指導された。
私たちは有名大学で入学できた息子が誇らしかった昭和の時代に育った。
それを盲信してきた親不孝モンが集まる。
自慢の息子は京都大学へ進み最先端医療に貢献するため東京で医者をやった結果、田舎で残された老いた母親はホームで寂しい一人暮らし。
「ホームの食事を一度でもいいから食べてみろ!食べながら涙が出てきた。とにかくまずいで!」
学費生活費を捻出するために遅くまで働いて無条件に自分の応援してくれた母親。
世界で一番大切な人の老後がこれほどみじめなものになるとは予想もしなかった。地元で就職した同級生がまぶしく見える。
ベチャベチャチャーハンのあとは誰もいない自宅に戻って自宅とお墓の掃除をするという。「王将のチャーハンと餃子をもって母親に会いに行く。お掃除帰省」社会なのだ。
定年後はお掃除帰省の引当金が必要なのでしょう。
東京が家族の拠点なので移住ができない。今後だれも住む予定のない自宅へ帰省する時間は足が重いね~。

「特養ホームの設備はきれい。看護師、ヘルパーの皆さんは優しく丁寧だ。ほんとに感激するほど自分の親でもないのに生涯をかけて献身的に働いていてひたすら頭が下がる。」
ただその親切の中で母親は独りぼっちだ。毎日くだらないテレビを見てまずい食事を食べる。
 テレビのドラマや地方の報道の明るい三世代の家族が朝には顔を合わせ食事をしている。このシーンを見ている母親はどんな気持ちなのか?これはレアケースなのか。

こんな映像を信じさせられ盲目的に満足している社会。
私たち鉄腕アトムの世代はこんな偽物の社会で満足するように仕組まれていたのか?
せめて京都では京町家を中心とした営みを見続けたいものです。
明日は日曜日。ちょっと一休みして工房に向かいます。










コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時計師の京都時間「名物の時間」

2016-10-28 09:17:39 | 時計修理

10月28日赤口の金曜日
昨日ゼロ泊三日の出張から疲れて自宅へ。家族へお土産はお客さんから差し入れで頂いた神馬堂のやきもちを持って帰った。
写真のように神馬の絵が正面に来るパッケージでそれとわかる。
「この三日間は上賀茂神社へ出張したか?」と焼餅が好きな嫁さんがこのサプライズに嬉しそうでした。
上賀茂神社にはやきもち屋さんが葵屋と神馬堂の二店舗あります。
下鴨育ちの嫁さんに「葵屋」さんのやきもちを持ち帰ったらがっかりされた。
子供のころから神馬堂のやきもちに慣れているのだ。ここは頑固!好みがはっきりしている京都人でした。
後日、悔しいので二店舗の焼餅を食べ比べしてみたがそれほどの違いはなかった。たぶん包装紙の関係か?京都のふしぎです。

今宮神社のあぶり餅のお店がある。11月に入ると西陣の各町内会で一斉に「お千度さん」のお参り行事があります。織物の神様でもある。
お参りのあとに南北に一和、かざりやに入る。2店舗が向かい合っています。お茶とお餅の絶妙感がいい。ここでも町内別にそれぞれ立ち寄るお店が別れるのが不思議。

京都駅の高橋に二つ並ぶラーメン屋.第一旭、新福菜館がある。私たち夫婦はどれだけ並んでいても新福菜館だけに入る。通常第一旭さんのほうの列が長いので何となく優越感が生まれる。
ところで以前東京出張で「東京○○○」をお土産に買ってきたときには激怒された。
「お土産は自分が一度食ってから買え!」と怒る。
以来我が家では中途半端なお土産は禁止事項だ。
「名物にうまいものなし!」一番困るのが大阪土産。食い倒れの大阪なのにちゃんとした定番のお土産がない。「551の肉まん」は京都高島屋が一番おいしい、またあの匂いを新幹線の車内に持ち込むのは度胸がいる。

今回は「千寿せんべい」を伊勢丹で購入する。いつもなら上千本通り商店会にあるお店で買うのだが時間の関係で仕方がない。鶴弥吉信、俵屋吉富さんではちょっと気合が入るのでさりげなく鼓月にした。ここは悩むのだ。また先方の従業員さんには「生八つ橋」もそえて買った。めでたしめでたし~。無難な京都土産でした。

写真はカルティエコピー品。「よろず海外旅行には気をつけよ!」の一品。
時計師なら持っただけですぐにわからないといけない。カルティエは普及品にマストシリーズがある。マストシリーズなら銀に金色メッキを使うモデルはある。
文字盤にカルティエとだけ描いているモデルはメッキは使わない。すべて18金を使います。持っただけで重さで解かる。ましてバンドがお粗末な型押し。コピーですよう!と主張しているよなモデルだ。
こんなものをお土産でもらったら即座に投げ返しましょうね~!

最近時計はお土産に向かない時代になったね~。なぜかドイツの時計に中国製が増えた。がっかりだ。
京都土産で買って帰り製造地を見るとなんと!名古屋市中村区と書いてある。などなどこんながっかり土産と同じ。

これから秋の観光が本番を迎えます!
東京はハロウインだ。
京都では今一つ盛り上がらない?特に千本通りで仮装してはいけません。本物と間違われるぞ!オーブ(火の玉)がサービスセットでついてくるよ~ん。これを持ち帰ると大変だ!と余計な心配をします。

京都の名物は恵比寿ビールか?
湯豆腐と恵比寿ビールは合いますね~!しみじみ感じるオヤジでした。








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時計師の京都時間「ペンディング時間」

2016-10-27 11:02:10 | 時計修理

10月27日大安の木曜日。
観光客がひしめく京都駅でひげ面出張帰りの私は異質。一人孤独感を味わってしまう。
出張帰りには必ず新福菜館ラーメン並を食べて工房に向かう習慣が崩れた。バスの延着で工房開店時間10時に間に合わない。しかたなくあきらめた。
ところが工房に着いて開店準備をしているところへお客様から神馬堂のやきもちを差し入れに頂いた。
うれしいプチ奇跡でした。

この三日間どこで何をしていたのかはペンディング。時計業界ではお約束なのです。
時計は文科省の伝統工芸品に認定されない分野です。修復作業に補助金はなし!
そのうち100年以上の歴史を持つ名品がポツポツト出てくるまではボランティア状態が続くでしょう。
修理に私の手が入ったことで価値が下がるものもあれば上がるものもある。すべて公表は依頼者の選択にかかるしごとなのでしょう。まず私の名前が挙がることはない。

時計業界で面白いのは観光旅行ならタクシーやら特急料金を払っても現地へ急ぐ。ところがビジネス出張はすべて路線バス、徒歩を使うのが習慣になっています。
今回もすべて予定された時刻で仕事は進み最後の連絡バスが遅れ〆のラーメンを食べそびれた。
東北の時計工場前のバス停で雪だるまになっているオヤジはたいてい時計業界の人たちでしょう。
今回もポツンと田舎のバス停で1時間に一本のバスを待っていました。
その間ビールが飲みたい!コーヒーが飲みたい!サラダが食べたい!食べ物のことばかり考えていると結構時間が早く過ぎてくれます。

今回も「縁の下の力持ち」でなくて「力なし!」でしたが何とかお役に立ててよかったと思う。
それでも朝の差し入れはうれしかった。今回の出張の家族へのお土産は「神馬堂」のやきもちを持って帰れます。
昨日終日工房を休んだために今日は朝から忙しい。何とか午前中の嵐を切り抜けてホッとしました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする