京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の覚悟」

2019-08-31 09:20:56 | 時計修理

8月31日土曜日。
月末の快晴!トイレの100W電球。売上不振の中つらい時計師にこの青空はまぶしいね~。
北大路北口にあるPL教団日めくりカレンダー「覚悟をした人は強い」

実にタイムリーな格言でした。
 ドタバタしてもしょうがない。一日のんびり過ごすことにした。
11年前工房を開くときには「今後10年はお客様のために尽くす」清算された会社の利用客のためアフターサービスに徹する覚悟をした。
3年前、母親が寝たきり入院「亡くなるまで介護に撤する」覚悟をした。

約束の10年過ぎ、母親も他界した。
嫁さんから「な~て、いつになったら家族のために生きる覚悟をしてくれるのん?」と今朝、言われた。

「京都の男は公共物。家庭では使い物にならない、おんなは京野菜、全国的に人気の引っ張りだこ」
したがって家庭で男の存在価値はかなり低い。猫より低い。全国的に見ても京都の男性は不人気?
長崎の居酒屋でもどちらから?と聞かれて京都からというとスーッと引かれる。
「こいつはバカ舌!新鮮な魚の味はわからない。エビスビールでも飲ませろ!」

それでも京都の男性はうらやましいものです。
 家庭では夕食に酒の肴の用意はしないので居酒屋文化が発達してきました。
私の家庭でも酒の肴の用意はない。
そこで猫の集会とオヤジの集会は京都ではよく見かけます。
路地裏に不思議なくらい小さな居酒屋、ショットバーがぽつんと生きています。
何故かお客さんがジグソーパズルのように毎夜ぴったりと座席にはまります。
小学校から一緒、いったいいつごろからこの居酒屋へ通うようになったのか?不思議な常連客が多い。

同じ覚悟を決めた竹馬の友。
貧乏でも京都で生きる覚悟を決めた人は強い。
伝統産業の不況で家業では生活できないので福祉サービス業、観光サービス業でしぶとく生き残っています。
他人の生業のことには意外と無関心。

「あぁ~!今年はアユを喰わんうちにさんまの季節が来てしまった!」
京都の月末。
午前中に集金に行かないととりっぱぐれるぞ~。

明日から9月の始まり、日曜日スタート月曜日エンド、絶好のカレンダー。

お彼岸のお墓参りのゼロ泊三日の旅の22日以外は無休で営業します。
私の休みは19時から朝の10時までの15時間。
覚悟を決めた時計師は強いのだ!
今日も19時まで営業。お待ちしております。









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時計師の京都時間「京の鏡時間」

2019-08-30 09:13:00 | 時計修理

8月30日金曜日。友引さんりんぼう。
旧暦8月1日朔。お月さまが出ないよう注意日。すべからく用心する日。
昨日から工房前の道を救急車が頻繁に走ります。そのたびに仕事の手が止まる。

今朝のPL教団の日めくりカレンダー。
「自分の思いは鏡になって現れる」でした。

「鏡よ!カガミ!京都で一番上手な時計師はだれぇ~?」
カガミに向かって質問する。
「おこたえしま~す!北区紫竹の工房のあなたで~す!というのは嘘びょ~ん。80番目くらいかね~。」
京都の時計組合員は80名くらいなので最後の最後なのかいなぁ~?本当に悲しくなってしまう。

「私はドラキュラ!カガミに写ることはない!」だから思いが鏡になって現れることはない!PL教団さん、残念ね~!
昔子供だったオヤジラジオ相談室。「ドラキュラは写真に写るのか?ミラーレスのカメラならどうなるのか?」
京都のドラキュラはん。
ほんまに王将の餃子を食べらへんのか?こんな不幸なドラキュラ生活、京都の自殺率が高いのだ。

昔、時計師は街の鏡。オピニオンリーダーの時代がありました。
「いつの日か?時計師の鏡になるのじゃ~!」そんな思いは使捨てソーラー電波時計で吹き飛ばされました。
時計師失業時代の始まり。
オルリー空港にとまっているJALの機体を見ただけで涙がにじんだ世代の私。
昔のスチュワーデス(キャビンアテンダント)さんから「お帰りなさい!」と迎えられた。お互い感激があった時代。
あの頃の苦労は何だったのかと思う。そんな思いがカガミになって現れるか?

今、思いがカガミに写るなら「月末じゃ~。金がない、金がない、金がない!」
それにしても今月はスリリングな8月でした。
お客様から奇跡的に助けて頂いた。
お盆休み直前にメーカーから届いた高額な代引き修理品。一気に帰省費用が持っていかれた。
 お客様へ連絡すると旅行へ出発直前、ところが到着した当日に引き取りに来てくれた。奇跡が起きました。
普通なら1週間はかかる。
ただ20万円超の代引き修理費用の利益が3000円程度なのではリスクが高すぎると反省した。
せめて10月からの消費税値上げには対応しようと思います。

そんなドタバタで何とか長崎入りの費用が確保できた。
またまた貧乏時計師に奇跡が起きる。

お盆期間中の直撃台風で東京組がなんと全員ドタキャン!
台風なのでホテルの当日キャンセルも無料、その人数分の食費,宿泊費10万円ほどの費用が浮いた。
8月17日のお盆明け以降異常気象の熱波、その後の長雨で売り上げ急減。その利益が10万円ぴったりの減。
うすら寒くなるような出来事でした。

目覚まし時計が売れるはずの新学期シーズンはスマホに役目が移った。掛時計はマンションの壁に穴を開けたら大家さんに怒られるので無理!
キッチンタイマーは今の主婦さんは冷凍食品をチンするだけ、存在すら忘れられる。
絶滅危惧種の時計業界。
「時計師の思いはカガミになって現れる」ならお客様はそれを見た後、あまりに悲しいのでカガミは捨ててしまうと思う。

今日はさんりんぼう、月は出ない朔日。
それでも元気な一日を送れるのもお客様のおかげなのだ。
お足もとに気を付けてお越しくだされ~。



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時計師の京都時間「京の使い惜しみ時間」

2019-08-29 09:23:18 | 時計修理

8月29日木曜日。雨が降るらしい予報。
昨日は長崎、佐賀の集中豪雨にテレビに釘付けで不謹慎ですが昔住んでいた佐世保、平戸の懐かしい映像を探していました。

今朝の京都は小雨。相変わらず北大路駅北口のPL教団のにめくりカレンダーを見て工房へ向かいます。
「必要ものは惜しまず使いましょう」がタイムリー。
「選手の使い惜しみ」
そうや!これを阪神のボンクラ矢野に言って聞かせてやれ!と思う。
また一点差ゲームを監督・コーチの采配ミスで落とす。
9回の裏せっかく相手のハンブルで出塁。ところが大山の併殺打であえなくゲームセット。
大山君は1試合にヒット一本で打ち止めの統計。柳の下に二匹目のドジョウはいないのだ。
ピンチヒッターも出さずに漫然として負けた。

阪神の「使い惜しみ」にNHK解説者の指摘はない。
「靴の上から足をかく」「二階から目薬」の解説なので精神衛生上消音で楽しみました。
名選手は監督批判はしないように刷り込まれて育つのでリタイヤ後、解説者に起用されても監督の批判はできないのだ。
そこで野村克也、岡田彰伸、吉田義男のような監督経験者でないと野球解説はつまらない物になる。
マテオの走塁失敗、福留のブレーキも監督・コーチの指導力の問題でしょう。

「人生の使い惜しみ」
東京の女性は20歳代で賞味期限切れだという、京都の女性は30歳から女性の本当の価値が上がってくる違いがあるようです。
「私はアラさ~だから」とあきらめたようにつぶやく東京の人に寂しい違和感があります。
ひょっとするとこの人自慢してはるのやないか?と思ってしまう。

京都の暮らしでは東京とちがって猫と女性の価値観が違うのでしょうね~。
特に西陣の猫は貴重です。コンビニでのご褒美のマタタビ売り場が違います。

京町家では貴重なふすまや障子、家具を傷めるので家猫は少ない。希少価値の米屋さんの働く猫が可愛がられています。
女性は伝統工芸品の伝承者として貴重な存在になっています。皆さん茶道、華道など何かの先生なのだ。
京都で猫と女性には敬語を使うのが一般的です。
女性に「お母さん」「おばあちゃん」と呼び掛けてはいけません。「おくさん」が正解。
「ソックス猫はん!ネズミ咥えてあっちへいかはったでぇ~!えらいなぁ~うちの旦那より働くわ~!」
といわれて怒ってはいけない。京都では旦那より猫のほうが偉いのだ。

「時計の使い惜しみ」
「自宅に何本か時計があるけどいつも使えるようにしているものは1本だけ」
時計電池交換で工房に持ち込むのはいつも1本だけ。
そのうちに電池から液漏れしてしまう。

漆細工ものと時計は使ってナンボ!

今週の日曜日は松尾大社「八朔祭」
旧暦8月1日のお祭りです。京の「八朔祭」は松尾大社で〆。
この日は漆の盃で頂く日本酒の銘柄に凝る。今年は秋田の「刈穂」を準備しました。

「必要ない酒は飲み惜しみ」をするな!とPL教団さんが言うからぁ~がんばって飲みましょうね~!











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時計師の京都時間「京のたまたま時間」

2019-08-27 09:41:29 | 時計修理

8月27日火曜日。
今日の北大路北口PL教団の日めくり格言「成功にたまたまはない」
成功したいのなら努力しろ!ということでしょう。これに考えさせられた通勤時間の20分。
私の場合たまたまの連続でここまでやってきた。
たまたま、オイルショックに巻き込まれた学生時代、就職先がない。
結婚して子供もできた。これから子供が大学へのタイミングで小泉政権ができた。
「連結決算」「時価会計計算書」のおかげで大企業の子会社が銀行の貸しはがしで次々に潰されていく。

役職のスキルとは無関係に会社はつぶされる。賽の河原に銀行の鬼が定期的に暴れにやってくるようなもの。
どれだけ努力しても成功は見込めない時代に生まれました。そこでとっとと大企業をスピンアウト。
仕方なく自営を選んでたまたま成功!

「銀のスポーンを咥えて生まれてきたアベノおぼっちゃま」、彼が銀なら長崎高島炭鉱で「石炭を咥えて生まれてきた私」
これは同じ歳なのにたまたまなのか?
「私費留学のおぼっちゃま」VS「日仏貿易戦争真っ只中の戦争状態の中、放りだされた私」
これもたまたまか~?
「サクセスイデオロギーは消滅した」総人口の10%の富裕層が90%の資産を持つ時代。
東京市場だけで80%の国内シェアを持つ時計業界。
広告は関東エリアだけで流すので松山、鹿児島の子供たちはセイコー、シチズンの名前を知らずに育つ。
東京へ進学して生まれて初めてセイコー、シチズンのCMをみて驚く。
セイコーは競技用水泳プール造りの会社、シチズンはスケートリンクの製造会社だと刷り込まれていた。

東京大学、慶応大学出身者は国内で温存される。立命館大学卒の私、業務は「火中の栗拾い」係長職でしたね~。
常に危ない地域へ飛ばされる。
失敗するとさようなら~の使い捨て人材なのだ。同じ年齢でも友人の話題についていけないスポットな時代がある。特に1980年代。

「あなたは家族をもってたらいけない人」と嫁さんから言われた、つぶれそうな会社を何とか維持していた時代。
昨日は嫁さんお誕生日。ワインを買って帰った。当時離婚されないでよかったと思う。
これもたまたま嫁さんの性格が温和な京都育ちだったのが主な理由だ。

今朝「PL教団」の日めくりに考えさせれた賀茂川沿い。
明日は水曜日。定休日ですが4時まで臨時に営業、お待ちしております。




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時計師の京都時間「京の誠時間」

2019-08-26 09:16:28 | 時計修理

8月26日月曜日。まだまだ真夏の陽ざしの京。
北大路駅の北口から出ると突き当りにPL教団の施設があります。
そこにかけてある日めくりカレンダー「毎日の格言」をみて通るのが楽しみです。
今日は「その時 その場に 誠を尽くそう」でした。工房までの20分歩く間に誠について考えた。

「アベノおぼっちゃま」は誠をトランプ氏へささげた。彼に認められたいばかりに武器、あまったトウモロコシを大量に購入、そのおかげで日本の畜産農家、トウモロコシ生産者は突然の政治災害の被害者になった。まるで幕末の会津藩のようだ。
京都で「誠」というと新鮮組でしょう。
幕末に京都で活躍した戦闘集団です。

私のご先祖様は西国出身。家族にとって新選組は政敵に当たると子供のころから言われて育った。
近藤勇、土方歳三から逃げ回っていたそうです。
長州藩、土佐藩などの浪人の立場から新選組を見るといつも3人がかりで一人を殺す卑怯な戦法集団だったという。
立場が違うと壬生寺さんの扱いも微妙に変わってきます。
新選組の隊士が長州藩藩士を片っ端からぼこぼこに殺戮した。その結果会津藩が長州藩の恨みを受けてしまい戊辰戦争で白虎隊の悲劇へとつながりました。
初めに会津藩が松平容保の厄介な養子をもらったばかりに会津地方の悲劇が起きたことになります。

会津藩の悲劇は続く、福一原発事故では会津地方が福島県に入っていたばかりに農作物の販売不振が起きました。
会津地方が山形県に編入されていたら原発事故の風評被害もなかったでしょう。盆地の影響で放射線量は無害でした。
そば、コメ、酒、ボウダラ、会津塗、起き上がりこぶし、などなど京都で人気の物産がもっと流通していたはずだ。
原発施設への「誠」を集団で尽くす政治家がはびこると、ろくなことにならない。「誠」は個人的に尽くすものということでしょう。

「哀悼の誠をささげます」
誠の言葉がアベノおぼっちゃまの口から出るたびに海水浴で海から取り出した石のようにとたんキラキラ感がなくなる。
「誠」が安売りバーゲンセールのような言葉になってしまいました。残念!

11年前、貧乏工房を造ったモチベーションにお客様への「誠」がありました。
会社が倒産、今までの顧客が修理迷子になってしまいます。
「時計は販売した店がアフターサービスを担当する」ボランティア部門の原則があります。
カルティエ、エルメス、ブルガリの電池交換を1000円と低価格でやっている理由もお詫びの意味もあります。

「その時、その場で、逃げないで誠を尽くそう」
今月は2008年8月に完全倒産して11年目会社の命日の月。
「勇気をなくしたらすべてを失う」
今日もPL教団のカレンダーを見ながら工房入りができました。いつまでもつかね~この貧乏オヤジだ。






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