京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「仕事始め」

2022-01-04 08:52:19 | 時計修理

1月4日火曜日。元旦から快晴の島原半島。お天気はよくてもココロは曇り空から土砂降りのまま。「おめでとうございます!」の言葉も空々しい年明けになりました。

12月でコロナ疎開の島原半島生活も6ヶ月過ぎました。その間ヨーロッパ市場も新たにオミクロン株の登場で沈んだまま、個人経営の時計業は息の根を止められた感があります。まだまだ時計業界は失業状態が続きます。

ホテルマンは客の靴と時計を見ろ!と教育されるそうです。身だしなみの一番最後の靴と時計。非常事態で一番先に切られるのもこの二つのアイテムでしょう。靴の場合比較的利益率が高いので苦しいのは時計業界だと貧乏自慢が始まります。

一般に国内時計メーカーの仕入れ率60%で40%が小売店の利益、ところが包装紙、化粧箱、さらに保証書まで別料金になるために粗利は30%弱、まだこれはいいほうでロレックスなど10%も利益が出ればいいほうだ。ビッグカメラ、ヨドバシカメラなどの量販店の販売価格が個人商店の仕入れ価格になってしまう。悲しいものです。さらに不況時に一番先に整理されるのが時計、好景気時には一番乗り遅れるのも時計業界だということもバブル期に経験してきました。そこで長年修理部門に力を入れてきた。ところがここ数年来の世界的な不況でメーカーもこの美味しい部門に力を入れてきたわけで部品を市場へ出さなくなってしまいました!

言い訳は中国製コピー商品の防止。分解掃除といっても機械を丸ごと交換してポイッと捨てるだけ、使い捨てムーブメントの普及でクオーツ時計の肝心なローター部分が安い樹脂製なので分解する必要がない。一番の被害者はユーザーでしょう。メーカーから7年前に購入した時計なのに「長い間後利用いただきありがとうございました!」と返送されるか、修理料金5万円の見積が来る!3万で買った時計を5万円で修理するバカはいない。たった7年を「長い間」と言うメーカーの常識が現実でしょう。

また客層も変わりましたね~「アベノミクス」の影響で優秀な社員は家族ごと東京へ人事異動も目立ちました。首都圏での売上高比率80%を超えると地方の売上20%は不要な市場は赤字になる。まずCM/広告を減らす。ここ島原半島ではセイコー、シチズンの名前を知らない子供たちばっかりなのだ。島原の温泉ホテルへロレックス、カルティエをつけて行くと○暴を勘違いされる始末で、したがって学習能力のおかげで半年でセイコー・ランドマスターが標準装備になってしまいました。

年末あわただしく修理品の時計を京都へ返送する。そヤマト便の送料が900円、自宅へ庭で取れた大根、カブの野菜の送料が1600円!京都のフレスコで買ったほうがはるかに安い!釣りも仕掛け、えさ代のほうが高い。ロジスティック革命と言われても現実はこんなもの。田舎の生活はつらい!

時計の電池交換は変わらず1000円と消費税プラス送料。コロナ禍で二年ぶりに里帰りしたお客様から「あったはずの北区の店がない!何処行ったの?」のお叱りの問い合わせが多かったことでお正月は京都へ戻れませんでした。「百貨店に行くと3万円と言われた!」百貨店が悪いわけではない電池交換ひとつとってもメーカーの言いなり、ボッタクリに近い料金を払う目に遭うのでしょうかね~。

疎開中の変化ではワイン、ビールを飲まなくなりました、このお正月も禁酒生活が続きます。家族そろっての団欒が消えたのでアルコールを飲む習慣が消えた。毎日が休肝日?わざわざクルマを使ってビールを買うのも面倒です。今年も何とか生きながらえて京都へ戻りエビスビールを楽しむ日を待ちながら耐えていきましょう~。

日中はトレッキングやらバイクツーリングなどで不在になることが多いのでご連絡は夜間またはFAXでお願いいたしますね~。

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1 コメント

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Unknown (c.m)
2022-02-18 23:50:57
こんばんは
お元気ですか
お久しぶりにお店の前を通りかかったら
お店が無かったのでビックリ仰天しております
今すぐではないですが
私のもう一つの時計をまたお世話になりたいです
前回修理頂いたロレックスは頑張ってくれています

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