京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京のお守り」

2019-05-14 09:17:13 | 時計修理

5月14日㈫今日は近所の大きなどら焼きで有名な朧八さんがお休みなのか静かな朝でした。
三隣亡なのでお休みで正解か?
地下鉄四条駅のアナウンスではJRで人身事故のため遅れが出たと言う。
五月病まっただなかだ。やり切れない気分で工房入り。

「本を焼くものは自分も焼く。」ヨーロッパの誰が言った言葉か忘れた。
今では本屋さんは風前の灯火。時計屋と本屋さんの在庫は買い取りなので廃業も出来ない。

平成時代になると本と時計は修理しないアイテムになったようです。
修理先も少なくなった。
工房では「こんなところに時計の修理屋さんがある!」と通行人の驚く声が聞こえます。
何度も読んだ「夜と霧」ボロボロになったので背表紙を探しに明日ハンズへ行く予定です。
バッハの無伴奏組曲のスコアもボロボロ。
私もボロボロじじいだ。夢も希望もない。
田舎の定期的なお墓掃除があるので世をはかなんでの自殺も出来ない。
楽しみは待っていても来ないので自分で探すしかない。

昭和、平成と時代に流されて消えたものが「嫁入り時計」「就職祝い時計」「時の記念日」
時計が実用性から趣味性の高いアイテムに変わった時代です。
その結果、修理完了後に引き取りに来るまでの時間が次第に長くなった。
「近所のクリーニング屋さんに寄って帰りに来ます」と戻るまで二年間かかった客もいる。
Hermès・クリッパー(30万円相当)を2週間ホッタラカシも普通に起きます。

昨日「引き取を忘れて自宅へ戻ってしまった!ごめんなさい」と言う珍しい電話があった。
一般的にこんな不要なアイテムに対して丁寧に相対する人はいないのでちょっとうれしかった。
それでも「時計は日帰りが基本の修理料金設定です」とCartier電池交換の消費税込み1000円の訳を話しておく。

無抵抗に時代の流れに任せていると時計でサンタクロースの袋状態になってしまいます。
工房が夜間無人になるので預かったものや未修理時計は毎日自宅の金庫に入れて保管します。
これを頑丈な「BACH」のデイバッグに入れて運ぶ。
背中が当たるところがしっかりしているので時計運びにお勧めのバッグなのだ!
用途には長崎へお墓掃除の七つ道具を入れた。その前は楽譜、今では時計だ。すべてこのバッグでOK!

先日、工房のカギをかけ忘れて帰ってしまったが翌日無事に営業。
そのスキをついて時計の工具や材料を盗んでも使いかたが解からないのでやがて質問に来るでしょう。
「この旋盤の使いかたを教えろ!」

時計旋盤の使いかたと足の裏に付いた飯粒をそのままほおっておくと気持ち悪い。ただどちらも食えない。
アマチュアが旋盤を使ってもネコに小判、アベのお坊ちゃまの外交だ。
したがって「お前の工房の工具を預かった!返してほしかったら朧八さんのわらびもち、どら焼きと交換じゃ~!朝からならべ!」
私が朧八瑞雲堂に並んでいたらそう思ってくだされ~!

明日は水曜日!お休みの予定が修理品の都合で営業に変わりました。明日は「葵祭」
 地方から京都へ来たついでにカルティエなど修理品が来る。お祭りが終わるまで仕上げる時間厳守の仕事なのだ。
電池交換は出来ますがブログはお休み。
10時~17時までの営業なのでお早めにお越しくだされ~。










コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする