京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の着倒れる時間」

2018-04-23 09:18:22 | 時計修理

4月23月曜日。
仏滅なのですね~京都サンガはべべたんこ!阪神タイガースは巨人に負けっぱなしでいいとこなしの日です。
上弦の月を見ながら涙にかきくれ、枕を濡らす日なのじゃ~。

「京都の着倒れ・大阪の食い倒れ」という都市伝説があります。
時計もファッションの仲間に入るでしょう。工房に来る修理品では高級時計が圧倒的に多い。
写真のセンチュリー金無垢などは工房では常連さんだ。

春の観光シーズンも終わり街中を歩いている人はほぼ京都人でしょう。
今や死語のようになっている「大阪は食い倒れ」の現実。
お好み焼き、たこ焼きについてくる紅しょうがは中国産カドニウムなど重金属入り。ホテルのトリュフも中国産で香りがない。
高級料理のクエ鍋、実はアブラボウズ鍋らしい。
大阪のかまぼこなど練り物には気を付けろ!偽装食品の発生源の街だ。
キタの地面を掘ればゴミがいっぱい出てくると役人が言う。
ただ「うどん」だけは大阪に限る。松竹をはねた後のうどんの味は食い倒れの街がまだ生きている証明なのだと思う。
バッテラとうどんだけでも幸せになる街だ。

「京都の着倒れ」の絶滅を実感するのがユニクロ。
あちこちのショッピングセンターにはユニクロがセットでそろっています。
元々京都の衣料品は割高でバリエーションが少ないと言われていました。
ファッションビルの館長をやっていた頃、京都へ戻って来るたびに感じた。学生の街なのでしょうがない、よそさんが目立っているのです。
ユニクロが生き残れるのもその辺の事情があるのでしょう。

ところがこれでいい加減ユニクロファッションに安心してはいけません。
京都人の集まりでは着倒れが生きています。
私も何気なく時計はロレックスGMTのビジネスウオッチとスーツで出掛けて大失敗した。
スーツの生地、カッターシャツの番手、ネクタイのシルクの材料、靴下、靴などすべてにこだわりがあるのだ。
靴をどうやったらこんなピカピカに磨けるのか?聞くと代々馴染みの靴屋さんで2000円ほどかけているという。

女性のキモノも帯もそれぞれ流行り廃りがあるのでそんなところを褒めるのが目利きのオヤジたちの仕事だ。
礼服の黒の色合いも全く違う。会場で時間を待っていると私だけが異人種のようでした。
食事が始まると掛け軸、花器、向こうつけなどの器の話題になんとかついていく。
畳のヘリにもこだわりがあるのだ。
へなちょこでも茶道をやっていてよかった!とほっとする二時間です。
着倒れ京都の夜。二時間はあっという間に過ぎていきます。結果、興奮して夜中にうなされるのでした。
外人とのヨコメシより緊張する。

時計も京都では着倒れアイテム仲間です。ふつうの主婦がバセロンの電池交換に来てくれる街。
これから葵祭、祇園祭と気が抜けないハレの日の日々が待っています。
街中ではどこで知り合いに会うかわからいのでブルゾンはバーバリ、靴はグッチ、時計はダンヒル・ミレニアムかセイコー・クレドール。
理由はダンヒルは紳士である証明。クレドールは日本人の誇りなのだ。
中身の私は長崎沖の高島炭鉱育ちマックロくろすけなのはしょうがない。
せめて京都の雰囲気を壊さないように着倒れを頑張るしかない。

まさかカジュアルファッションにこれほどこだわる街は京都だけだとおもいます。
京都のくつろいだ居酒屋ではよれよれスーツ、ネクタイは二割高、こだわりのカジュアルが正装なのは昔からの風習です。
今日は上弦の月。
おしゃれしたおやじ達が室町、新町界隈の居酒屋で見かけられます。
せっかく京都に観光旅行に来るなら居酒屋の常連になりましょ!着倒れの街で遊ぶのも面白いものです。
G-SHOCKは部屋の中に残して時間を忘れて楽しみましょうね。







コメント
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