庭の姫林檎が、黄緑色の新しい芽を付けました。日に日にそれが大きくなります。鮮やかになります。それを、僕が、嬉しがります。
嬉しがっているのは姫林檎なのに、それを僕がかってに盗んで横取りをしています。姫林檎は、でもそれに文句をつけません。寛大です。
「どうぞどうぞ」「あなたもいっしょにどうぞどうぞ」と言います。この世が「どうぞどうぞの世界」であることをよろこびます。
「あなたもいっしょにどうぞどうぞの世界」は素晴らしい世界です。その素晴らしい世界を生きているわたしです。もっと胸を張っていいように思います。