<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

大根一本で山頭火の夕餉

2006年06月29日 00時38分28秒 | Weblog
 一本一銭食べきれない大根である   山頭火

    *

 托鉢ではもらえなかったとみえる。町の小店で夕餉の大根を買ってきた。大きい大根なのに一銭ぽっきりで。皮を剥いて輪切りにする。七輪に火をいれて、赤貝の剥き身の味だしで煮る。ちびりちびり飲む。なかなかに旨い。大根を摺って飯にする。大根のいのちで果てる。明日は明日だ。余りと青葉は味噌漬けにする。

    *

 山頭火のような暮らしはできぬ。贅沢を知った。大根一本では一日が終わらない。一銭以上のお金があるからだ。魚をむさぼり、肉を食った。その上、作ってくれた者に、味が今ひとつだ、とか、堅い、だとか不満を漏らした。

 食い散らして酔いが醒めて   李白黄
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会わないでいる淋しいままでいる

2006年06月27日 08時38分38秒 | Weblog
 会わないでいる 山は山でいる  李白黄

     *

 わたしは、会いたい人に会わないでいると、寂しさがつのる。募ってもさみしい感情はおさまらない、会うまでは。さみしいままでいる。と、思っていたら、山が山でいた。山には会いたい山がないのだろうか。あるのだが、たしかにあるのだが、崇高な山が聳えていて、どの山も己のスピリットを高くしようとして、高め合っているから、会いたい山は山ほどあるのだが、会わないままでいる。孤高は己を高くする。でもわたしは、そんな高尚高邁な思惟を持たない。恋しい人愛しい人に隔てられている、そこでもはやただに無性に、さみしい。さみしいままでいる。

     *

 ほろほろ酔うて木の葉ふる   山頭火

 山頭火くらいになると淋しいなどとは言わない。言わないが、言わない代わりに、酒にまぎれている。木の葉が降るのさえ、淋しくてならないのに、さみしいも言わないでいる。俳人はこうでなくちゃなるまいが、酒にほろほろ酔うてほろほろ酔うて。山頭火の書く自由律俳句からさみしさが消えたら、おしまいになる。生きているということはさみしいということでもあるのだ。
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今日も山頭火

2006年06月25日 15時59分03秒 | Weblog
 酒はない 月しみじみ観ている   山頭火

    *

 酔っぱらいが酔っぱらわないでいる。てれれてれしているはずの山頭火が、醒めている。醒めて、濡れ縁に片足を立てて、月を観ている。酒がないから、わが手の指をしゃぶっている。どこかに行って、酒をくれと頼もうか。いや、それもしんどいなあ。月を観ている。そうだ、月が酒を出してくれたら、それで万事解決なんだがなあ! 酒ばっかしくらって、痩せ細った一文無しがいる。句帳は向こうの部屋に投げ出してある。金がないと人間はだらしなくなるけれど、これはこれでやめられない。自由が楽しめるからだ。

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 月が酒をだしてくれたら今夜は寝られる   李白黄
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山頭火の自由律俳句にしびれる

2006年06月24日 17時08分02秒 | Weblog
 一つもいでご飯にしよう  山頭火

    *

 夕暮れが来た。歩いてきたから腹が減った。飯にするか。ご飯は、鉄鉢の中にさきほど乞食(こつじき)をしている間に、分けてもらったものがある。おかずをどうするか。ちょうどいい。畑に胡瓜がある。茄子がある。トマトが赤く熟れている。それを一つもいでくればよかろう。「もぐ」とは「摘む」ことだ。山頭火は酒が好きだ。冷や酒で茶碗についで、まずはぐいっと飲む。これも肴は、さきほどの畑のさがりものでよい。カリリと胡瓜が旨い。

    *

 まいっちゃうなあ。山頭火さん。自由とは、一つもいで食べること。そこにいささかも不満がないこと。無執着。ご馳走を食えないときには食わないでもいいこと。なるようになること。あわてふためかないこと。ああ、山頭火さん、あんたの生き方には痺れるなあ。

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 食った食った食った一生を食った夕暮れの空が赤い  李白黄
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「おおお けら けっせら」は、おけら虫のけせらせら 

2006年06月24日 16時54分42秒 | Weblog
 おお、なるようになるさ。ならないものはならない。なるものはなる。ならせようとしないでもなるものはなる。ならないものはならない。

     *

 なら、ならせようとしないことだ。

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 ならせようとするのは、仏教では、「はからう」という。こちらの意志で裁量、計算、意図、作為、判別をすることだ。

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 なるようになることを、「おはからい」という。「はからい」に「お」がついている。仏の思量である。ま、端的に申せば、「仏のなさるままに」ということだ。なにもかも「おまかせをする」ということだ。けせらせらである。

     *

 不完全なわたしが、はからったところで、虚仮である。不真実である。

     *

 田圃のおけら虫、わたくしは、したがって、いつも、畦道で、「けせらせら、明日の天気は明日が決める」と歌っているのである。
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DVD が見えるプレイヤーを買ってきました

2006年06月22日 17時30分47秒 | Weblog
 へっっへっっへ。映画「アマデウス・モーツアルト」をこれから見るんです。ずうううっと見たかったんです。ビデオ屋さんに行って買って来ちゃった。それからその後で、(そんな時間があるかなあ)「私の頭の中の消しゴム」を見ようかな。韓国映画ですかね? チャン・ツイイーがもっぱらわたしのファンです。「ジャスミンの香り」を、絶対見に行くことに決めています。私のようなぐうたら男に見られたら、ツイイーは悲しいかも。

     *

 ツイイーの香りがするならジャスミンを  李白黄

     *

 いや、はじめてDVD PLAYER なるものを手にしました。クラシック音楽もこれで聴けるんだって、す、すげ。なんでも、晩稲(おくて)です、ぼくは。
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自分で店開きしておいて、鍵かけられちゃった

2006年06月22日 11時42分19秒 | Weblog
 おたんこなす。あんぽんたん。どじ。あほ。

     *

 自分で店を開いておいて、あ~あ、自分の店にはいられなくなっちゃた。これくらいの僕の、パソ知識。で、またもや、先生にお習いして、今朝やっと、店を開きました。おっそろしく、けっせらせら。oooohkera kessera ちゃんのすることは、ま、これくらいなことばかし。どじだねえ。救いようがない。

     *

 なんとそばのうまさよ   山頭火

 え? これでいいの? って、思うくらいのなにげなさ。これくらいだったら、僕でも作れるね。

     *

 蕎麦を食ってなかったのか、しばらく。ありつけなかったのか、しばらく。それがひょんなことで、食う羽目になった。「まあ、あがれ、山頭火よ」と声をかけてくれるものがあった。呼ばれるままにあがりこんだ。すると、好きな蕎麦が出た。放浪の乞食には、蕎麦がうまい。乞食はつるつつるですすり上げて笊を空にした。

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 雨が上がったそれでも行くあてがない 草の声を聞く  李白黄
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わくわくするよ、なんだか

2006年06月20日 10時54分19秒 | Weblog
 今日から gooブログを利用させてもらいます。有り難うございます。わたくし、生まれも育ちも、田舎。伊那かっぺえです。好きなものは青い空。下手くそなハーモニカが背中のリュックにはいっています。誰も居ないところで、鳴らしています。はい、どちらかというと、内向人間。田舎内向タイプは、困ったことに、上手に人に調子を合わせられないのでしょうね。田圃の畦道のおけらと変わりがありません。ooohkera kessera ちゃんです。仲間に加えてください。よろしくね。
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