夕方に畑に出ました。秋野菜の種蒔きをしました。暑くて暑くて、熱中症に似た症状になりました。立ち上がると、足がぶるぶる、ぶるぶる震えました。倒れてしまいそうな危機感がありました。
でも、日没まで作業を続けました。
そろそろ３時になる。カンカン照りが続いている。僕は冷房の部屋から出られない。半袖シャツ一枚。一人で黙って音楽を聴いているだけ。
窓の向こうの竹垣に糸瓜の葉っぱが、日照りに耐えきれないで、うなだれている。夏風が吹いてきて、熱中症糸瓜を癒やしに掛かっている。
３時のお八つタイム。熱いコーヒーをいただくことにする。太陽はやや西へ移動している。家の東側が影を作っている。
ここでなら草毟りができるかもしれない。草毟りは孤独行。一人を愛する者にはうってつけだ。無念無想、とまではいかないが、それに近付く。
もうすぐに両者死ぬるなり 睦まじい夫婦でいたらよかろうものを
山鳩暮風
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それがそうもいかないのです。背中を向け合っています。
背中を向け合って老夫婦をしています。悲しいですね。抱擁をすることもありません。
老夫婦が抱擁をしても絵になりませんからね。
でもねえ、もうすぐに両者死んでしまうんです。抱擁くらいしたって、罰（ばち）は当たらないはずなんですが、背中を向け合っています。寝る場所も別々です。手を繋ぐこともありません。
仏陀の弟子は、仏道修行者のサンガに於いては、夫婦でいることも御法度でした。淫欲として遠ざけられました。
このお爺さんは、夏は、お昼に冷や麦麺に決まっています。
よくもまあ飽きが来ないもの。毎日毎日毎日です。
喉通りがいいんです、冷や麦麺は。素麺よりもコシがあって、喉触りがよくて。
茹でて、水にさらして、それをガラスの大きな器に移して、なみなみ水を盛って、お箸でつるつるつると麺を吸う。
お出しは鰹出汁椎茸出汁。これに大サジ杯ほども焼き胡麻擂り胡麻を加える。青紫蘇を細かく微塵に刻んで、つけ汁に加える。
とびっきり辛い黄色唐辛子を刻んで落とす。辛くてひいひい言う。大急ぎで何回も掬って喉に流し込む。腹一杯になる。
お昼は魚も肉も食べない。冷や麦ばっかり。栄養学的には不満があるかもしれないが、暑い夏のお昼はこれですます。つるつるつるですます。
好きだなあ、お爺さんは。好き者っていうんでしょうね、こんなの。またまた秋野菜の種を買ってきました。午前中にふらっと外出をして。
１袋１４０円ほどのを、５種類も。おでん用大根でしょ、水菜でしょ、赤蕪でしょ、巻かない白菜でしょ、レタスでしょ。こんなにも。
苗で買うよりいいかなあ、安上がりかなあと思って。
でも、種を蒔くと、たくさん発芽してきます。発芽してきたら、捨てるわけにはいきません。そうするともうどっさりどっさりになってしまいます。で、ブウイングが来ます。
もちろん、お分けします、欲しいって言われる方には。ご近所様にも。昨年なんかは苗を道の駅に売りに出したりもしました。
買って来た以上は、種蒔きは必然です。夕方からは畑に出ます。もう少し涼しくなってから。いまは音楽を聴いてゆっくりしています。お昼寝も済ませました。
風に乗り糸を流して散らばって飛ぶ子蜘蛛らの真っ青な空
薬王 萌
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すみません。僕のいつもの落選の作品です、これも。捨てきれないで此処へ吊します。
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蜘蛛の子は空を飛ぶんです。糸を垂らしながら。爽快だろうなあ、って、僕は思います。それがひょいと歩いている人の髪に下りて来たりもします。そういう体験あるでしょう、なんどか。季節は夏です。子蜘蛛らは真っ青な空遊びが好きなんです。
それぞれがそれぞれの知の王者かな
薬王 萌
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落選した僕の川柳です。川柳になっていないのかも知れません。
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地球上では、一人一人がそれぞれ知者をしてます。比較をしないと、すべての人が絶対王者になれます。
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「知 intelligence」だけに限りません。「情 emotion」だって同じです。比較をしなければ、その位置がいつも最高の位置です。そしてそれで最上であり、最良です。
☆
でもそれだけでは不安でしょうがないのです。で、隣を見てしまうのです。比較をして確かめたくなるのです。そうするとそこで上下が生まれてしまいます。
「上」に見えたときには得意顔になれますが、「下」に映った時には惨めです。
☆
「他者との比較」に拘束されない絶対時間を持つ。これは大事なことではないかと僕は思います。拘束を離れたら、そこで「絶対の王者」になっていられるのです。にっこりしていられるのです。
☆
「お山の大将」のお薦めです。
比較病に煩わされているときには、「お山の大将」気分が良薬として働いてくれます。
僕は今僕をしています。僕が僕をしていられるのは、後どれくらいなんでしょう。それは分かりません。分かるのは今僕が僕をしているということです。その「僕をしている僕」を、写真に撮って現像をしたとしても、「僕をしている僕」を永久保存していることにはなりません。
僕をしている僕を、もうひとりの僕が空の上から眺めています。「ハイヤーセルフ」という僕です。この僕は精神界に住んでいます。この精神界は、高度に発達した巨大な「永遠の宇宙生命体」の世界です。
いまはかりそめに、僕はこの地球上で、肉体を借りて物質化しています。これは借り受けているだけなので返却の時期が訪れます。
修行にやらされています。まあ、しかし、それは「楽しむ修行」です。あれもこれも楽しめるようにする修行です。楽しめただけは向上します。
ハイヤーセルフが僕を見守っていてくれます。ハイヤーセルフはなかばもう天使です。分かりやすく表現すると、それは向上した未来の僕です。ここでは未来・過去が現在と交流しているのです。
午前９時半を回りました。気温は２９・５℃。家の中はそれほど暑くはありません。網戸からは風も入ってきます。快感を保持できています。
音楽を聴いて楽しんでいます。といって、音楽が詳しいわけではりません。ただ聞き耳を立てているばかりです。
ジェット機が通過したのでしょう、真向かいの夏空に飛行機雲が一直線に走っています。それが次第次第に膨らんでいくのが見て取れます。
早く畑に出て行きたいので、むずむずしています。畑に出たらするべき仕事が山積みされています。
でも、まだ畑に出て行きません。一大決心をしなければなりません。よしっ、という気合いが入らないといけません。
午前９時半を回りました。気温は２９・５℃。家の中はそれほど暑くはありません。網戸からは風も入ってきます。快感を保持できています。
音楽を聴いて楽しんでいます。といって、音楽が詳しいわけではりません。ただ聞き耳を立てているばかりです。
ジェット機が通過したのでしょう、真向かいの夏空に飛行機雲が一直線に走っています。それが次第次第に膨らんでいくのが見て取れます。
早く畑に出て行きたいので、むずむずしています。畑に出たらするべき仕事が山積みされています。
でも、まだ畑に出て行きません。一大決心をしなければなりません。よしっ、という気合いが入らないといけません。
