<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

サイクリングロードをひた走る

2016年04月30日 10時15分32秒 | Weblog

昨日のさぶろうは愉快だった。徐福サイクリング・ロードをひた走ったのだ。愛用の黄色い軽快スポーツ車ですいすい。南佐賀からこのロードは大川の昇開橋まで続いている。もとのJR佐賀線が廃止されたあとだ。両側に桜が育っている。並木の影がやわらかだった。ベンチもところどころに置いてある。そこに腰を掛けてやすんでいる人も居る。休日なので小学生連れの家族が列んだようにして自転車を走らせていた。ジョギングをしている若者のスニーカーも目立った。「みつのり」という駅の看板はそのままにしてあった。ところどころに公園が設置してあったが、さぶろうは休憩なしで5kmを走り抜けた。筑後川の川岸に上がった。ここからは早津江川が支流を作っている。もう海の匂いがした。ここを3km南下して佐賀藩の海軍基地跡にやってきた。見物客の姿が動いていた。ここでUターン。また南佐賀まで戻って来た。ここで自転車をマイカーに積んでおしまいにした。往復17kmのサイクリングは愉快だった。空もこころも上天気だった。2時からスタートして帰宅したのは夕暮れどきだった。ここは静かだ。並木の影がある。落ち着きがある。気に入った。またここへ来たい。何度でも。

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童話「キッチョキ大統領さま」 その2なしのその1

2016年04月30日 09時45分16秒 | Weblog

ここは物語の宝庫です/キッチョキ大統領さま/どんな物語になさいますか/悲劇がお好きですか/それとも喜劇がお好きですか/なになにメロドラマがお好きなんですか/へえ、そりゃあまた/大統領らしくもない/

ベロドン女狐がやって来ています/ここは大統領の夏の別邸です/ベロドンは狡賢い狐ですが/たいした悪行はできません/馴れ馴れしくしたり/褒めちぎったり脅したり/たぶらしたりして小銭を手に入れるくらいのものです/小銭を何に使うか/働きの鈍い旦那に油揚を買って帰るくらいのところです/

キッチョキ大統領さまは/もちろん人間なんかじゃありません/蜘蛛天狗さまです/高下駄は履いていません/ここは日本ではありません/めっぽう話し好きです/巧みな話をしていった者には褒美をくれるのです/宙に舞わせてくれるのです/宙に舞うのはたいていみんな好きです/いい気持ちがするからです/

ここは人間界です/ここは物語の宝庫、その舞台です/キッチョキ大統領さま/それではお話に入ります/二人が歩いて来ました/柳の木の下のベンチに座りました/風がスカートをはためかせただけでドラマが展開していくのです/女狐にはメロドラマをこしらえるくらいは楽なものでした/

大統領はまだ途中なのに/今日はここまでといって天狗の羽団扇(はうちわ)を降って宙に舞わせてくれました/蜘蛛の巣に一匹の黄色い蝶々がかかったようなのです/その日はそれでおしまいになりました/おしまいにありましたが/物語がそれでなくなった訳ではありません/ここはなにしろ物語の宝庫なのです/どんなにでも楽しめるところなのです/

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ヨッ イイゾ ダイトウリョウ キマッテル

2016年04月30日 09時30分25秒 | Weblog

威張っている/威張ってなんかいられるはずがないので/威張っている/オレハ・ヒトリデ・ツヨク・イキテ・イルゾ/たまにはそんな風にも思いたいのだ/狢(むじな)が岩の上に立って/麦平野を一望している/大きな敵が来たら追いまくられる/そこここに小さくなって隠れてしまわねばならない/威張ってなんかいられるはずがないことは/百も承知だ/それを威張る/大空にのけぞった格好で/しばらく威張ってみせる/それを見ていた/可憐な淑女のはずの/ミヤマツツジの花が/ヨッ・イイゾ・ダイトウリョウ/キマッテル/そういって大袈裟に喝采をした/

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捨て鉢になっていたっていいのだ

2016年04月30日 09時15分27秒 | Weblog

大丈夫/大丈夫/みんな均されてくるのだ/足りないところには/有り余ったものが/こんにちはをしてくる/まるでそっくり気圧だ/低いところには高いところの空気が回って来る/固定されてはいないのだ/すべては揺り動く/そして誰のところにもやって来る/誰でもどちらでも吸いこんでいいようにしてある/低いものでも高いものでも/こちらからそちらへ移動することはない/大丈夫だ/向こうの方からこちらへ回って来てくれる/嬉しさというのもきっとそうなのだ/こころで味わうものはみんなきっとそうなのだ/だから貧乏なこころでいても困ることはないのだ/捨て鉢になっていたっていいのだ/怠け者でいたっていいのだ/のらくろでいたっていいのだ/青空の分け前にはみんな預かれるのだ/若葉の緑も歩いてこっちへやって来た/

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その実験は楽しい 意外と楽しい

2016年04月30日 09時02分16秒 | Weblog

もの干し場のベランダが/僕の/書斎の/目の前だ/こんなに天気がいいと/ここにずらりと列ぶ/タオルが/靴下が/農作業用手袋が/男物パンツが女物パンツが/シャツが/生活が列ぶ/

僕はいきなり生活者に下りて来ることになる/生活なんかしてなかったのにと落胆する/ここでしばらく僕はただの人間になってしまう/僕は実は人間でなくなっているのが好きだ/でなもんで/ときどきだがそうなっている/

天使になったりしている/神々になったりしている/どうせみんな偽装だけど/これが案外いい気持ちなのだ/そうなったら世界がどう見えてくるか/その実験が意外と楽しいのだ/

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そんなことはない

2016年04月30日 08時44分45秒 | Weblog

詩「そんなことはないが そんなこともある」

 

そんなことはない/そんなことはない/

さぶろうが生きていないと/全宇宙が死んでしまう/そんなことはない/それが嬉しい/そうでなければならない/さぶろうの生き死にとは無関係でなければならない/

さぶろうが生きていないと/全宇宙が死んでしまう/そんなことがある/それも嬉しい/

全宇宙は/実は/さぶろうのこころの中にだけ広がっていたのだ/さぶろうだけが独り占めをしていいようにしてあったのだ/

もちろん返却も自由裁量だ/返却をすれば/それは/新しく誕生した誰かのこころの中に移住する/そしてそこに広がる/

どんどん広がる/そうすると/その人はまるで宇宙だけになってしまったように/なる/

それを知った/それを知った朝の嬉しさ/清々しさ/嬉しさと清々しさをふたつとも吸いこんだ胸底が深くなる/

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嬉し泣きに泣くというだけの自利行

2016年04月30日 07時16分12秒 | Weblog

泣こうか。しくしくしくしく。泣いていてもいいような気がする。四月が今日で逝ってしまう。あれだけたくさんの利他行をした四月だ。与えて与えて与えたのでもうかっらぽになってしまったに違いない。僕はしかしそのうちのどれだけを受け取ることができただろうか。1億分の1の、そのまた1億分の1の、そのまたまた1億分の1くらいにしか受け取れたいなかったのではないか。あとはみんなざあざあ流してしまったようだ。泣こうか。わんわんわんわん。受け取った分だけで、それで嬉しくて泣けるような気がする。今日は一日ずっとこうして泣いていていいような気がする。明日から五月。今度は五月が僕へ五月らしい利他行をしようと手ぐすねを引いている。与えるのは利他行。受け取るのは自利行。僕がしているのは自利行。嬉し泣きに泣くというだけの。

 

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どう味わったらいいのか 一日の長生きを

2016年04月30日 06時57分24秒 | Weblog

朝が来ています。とびっきり上等の。真っ青に広がった空を連れて。光の太陽が東から手を挙げて「おはよう」を叫んでいます。緑をあふれさせた木々、ふくらんだ空豆たちが伸び上がって「おはよう」を返しています。でもちょっと冷え込んでいます。さぶろうは一日長生きをしています。これを噛みしめます。これがどんなことなのかを考えています。感情が湖の底から泡をぽかりぽかり飛ばして来ます。それでさぶろうの目頭がしみじみとなっています。なにしろとびっきり上等の朝が迎えてくれているのです。

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毛虫ぞろぞろ

2016年04月29日 13時56分56秒 | Weblog

毛虫毛虫毛虫。ぞろぞろぞろ。上も下も横も前も。いるいるいる。なるだけ踏みつぶしたくない。どけどけどけも言いたくない。だったら、後ずさりをするしかない。そうしたら仕事は進まない。怯まず続行した。垣根の長髪の藪を整髪してやった。すっきりした。長い垣根だ。南天、ミニバラ、蝋梅、アカメガシワ、山吹、柿、紅葉、檀、桑の実などが所狭しと茂っている。これを刈り取る。ここの家主のさぶろうはなにしろ怠け者だから1年に1度くらいしか散髪をしてやらない。だからざんばら髪になっている、これを幸いにして毛虫が集まって来てうろついている。葉っぱの裏にも這っている。ぽとりと靴の上、帽子の上に落ちてくる。たまらない。これに這われると赤く腫れ上がってたまらなく痒くなる。彼らも生きている。仏性を持っている。やがて羽化して蝶になって美しく飛ぶのだ。粗末に扱ってはならぬ。追い払うほどの強権も有していない。

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春の朝が自己陶酔をしている 美しく甘く

2016年04月29日 08時16分19秒 | Weblog

やけに美しい朝だ。空がからりと晴れ渡っている。山が新緑のワンピースをつけて匂い立つ。浮き浮きそわそわしている。「こんなに美しく装って何処へ出掛けるのだ」 女の人がこれだけの入念な装いを凝らしたら、男どもが、居ても立ってもおれなくなって、きっとこう声を掛けるだろう。あはれ、男どもも、急いで一張羅を探し出して来て、肉付きのいいヒップの後からのこのこ付いていきたくなるだろう。いやあ、いい朝だ。ジャーマンアイリスが自己肯定を薫らせる。藤の花房はふっくら自己陶酔をして滴る。こんなにいい朝が来るとどうしていいか分からなくなって来る。どうしてこの美しさに対応できるか分からなくなって来る。どうしたらいい。どうしたらいい。まあとりあえず外へ出よう。春の風に吹かれてみよう。今日から連休。一日目はナイスレデイーのお出ましとなった。といっても、さぶろうはまるで無計画だ。デートするだけの人生の奢りもない。

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