是人之功徳(ぜにんしくどく) 無辺無有窮(むへんむうぐう) 如十方虚空(にょじっぽうこくう) 不可得辺際(ふかとくへんざい) 法華経「神力品」より
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是の人の功徳は 無辺にして窮まり有ることなく、十方の虚空の 辺際を得るべからざるが如し。
法華経を信じて実践する人の功徳は限りがなく、窮まりあることはありません。それはこの大空のようです。大空が辺境がないのと同じです。お釈迦様はこのように法華経の教えを聞いている大衆に諭されて、みなをこの上なくお褒めになりました。
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大空(虚空)が広がっているのはこれは法華経信者の功徳である。さぶろうはここをこんなふうに読み直して、嬉しがっています。「如し」と「等し」を混同して受け取って見ました。
法華経信者の功徳を分けて貰っているので、大空が果てしなく広がっているのだと。それをさぶろうが打ち仰いで功徳に与っているのだと。横取りのようにも聞こえて来ますが、そんなことはありません。功徳は万人に惜しみなく平等に与えられているのですから。
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功徳は辞書にはこう説明してあります。①よい結果。②果報。③そのもとになる善行。④神仏の恵み。⑤神仏のご利益。わたしはこれにプラスして⑥神仏の褒美。⑦祝福を容れてみたいと思います。
徳の高い人だけがその功績としていただくもののはずですが、それをまったくそうではないさぶろうが無条件に仏陀から捧げて貰っています。これが眼前の大空です。これはご褒美であり、祝福です。大空は仏陀のご褒美であり、仏陀の祝福の表れです。
これを見ていながら、見なかったとはもう言えません。いただいていながら、いただいてなかったとはもう言えません。わたしたちは仏の功徳を呼吸しながらその真っ只中で生きているのです。しかも仏陀に祝福されながら。