音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■Chopinが見た「平均律アナリーゼ講座第 9回」 9番E-Durと、「 別れの曲 」の関係

2012-11-29 17:06:46 | ■私のアナリーゼ講座■

■ Chopin が見た「平均律クラヴィーア曲集・アナリーゼ講座」
     第 9回 平均律第 1巻 9番 E-Dur ホ長調 前奏曲 & フーガ
                       ~ 9番 ホ長調 と、ショパン「 別れの曲 」の関係 ~
                                            2012.11.29      中村洋子

 


★平均律 1巻の白媚ともいえる 8番に続く 「 9番 」 は、

暖かく、明るい曲です。

前奏曲は 8分の 12拍子で、冒頭  2小節続くバスの保続音

( オルガンポイント ) に、パストラルの性格がうかがえます。

パストラルは、クリスマスと関係が深く、

この季節にふさわしい曲です。


★快活なテンポのフーガは、9番以前の 1番から 8番までの

 「  変奏曲 」 であることは、言うまでもありません。

 




★ショパンのごく若い時の作品、 「 エチュード 」 OP.10-3 ホ長調は、

「 別れの曲 」 として、親しまれています。


★ショパンは、バッハの平均律を座右に置いて、

毎日、繰り返し弾き、

このエチュード集を、作曲したことでしょう。

「 別れの曲 」 と、平均律の 1巻 9番は、

双子のように似ています。

保続音の扱い、モティーフの展開方法、反復( ゼクエンツ )進行、

半音階進行などに、それが読みとれます。

この点についても、詳しくお話いたします。


★ Chopin が持っていました平均律の楽譜には、

この9番に限りましては、残念ながら、

彼独自の記号や fingering の書き込みは、ありません。

今回は、 Chopin にとって 「 前奏曲 」 とは何であったのか、

エチュードや、彼の「前奏曲集」をもとに、お話いたします。

それは、 Bach が追求した 「 調性とは何か 」 という命題に、

行き着くのです。

 




★「 本年 」 のこの講座は、今回が最後です。

クリスマスにちなむ  “ パストラル ”  と  “ 別れの曲 ”  で、

幕を、閉じたいと思います。

平均律 9番を学ぶことで、 Chopin  「  別れの曲 」  の演奏が、

さらに、深まります。

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■ 日時 : 2012年 12月 23日(日) 午後 2時 ~ 4時 30分

■ 会場 ワイミュージックスクール みなとみらい

        横浜市西区みなとみらい4-7-1 M.M.MID.SQUARE 3F

                      ( みなとみらい駅『出口1番』出て、目の前の高層ビル3F )

                       ( 要予約 )  Tel 045- 261- 7232 横浜事務所

                    Tel 045- 227- 1051 みなとみらい直通

                    

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