Masayukiの独り言・・・

老いの手習い日記です。

東北を旅する(2)

2017-06-15 22:53:59 | Weblog

 山形県は最上川の恩恵を受けた自然豊かなところである。それほど高い山ではないが出羽三山や、県境近くには蔵王山、鳥海山と云った山々に囲まれ、庄内平野と云う広大な平地も有し果物も豊富なバランスのとれた県である。今回の旅行はこの県の観光名跡を回るもので、2日目は、庄内地区にある鶴岡市の加茂水族館を見てから、羽黒山・五重塔を見、最上川下りを行い、そして大正ロマンを感ずる銀山温泉に泊まる工程である。

 加茂水族館は別名クラゲ水族館と云われ日本有数の集客力がある施設である。この水族館も一時期来客数が減少して閉館する直前までになっていたが1999年クラゲ水族館に特化し2002年には世界一のクラゲ博物館として有名になった。その陰にノーベル化学賞を受賞した下村修氏が発光するクラゲ(オワンクラゲ)を発見展示したことも集客数が増えた原因と云われているが魅力を生み出す工夫が随所に見られた。このあと羽黒山・五重塔に行った。この五重塔は平将門が創建したものと云われ国宝に指定された。緑豊かな杉の木立の中に色彩のない塔は力強く他のすべてを圧倒していた。約6年前に羽黒山頂を訪ねたときは、五重塔まで往復一時間ほどの山道を歩いたが、辿り着けず途中であきらめ引き返したところである。

 最上川は全長226km、流域面積は約7000k㎡あり山形県内だけを蛇行して流れ、その流域面積は県土の75%を占めている。今回は 松尾芭蕉が東北を旅したとき乗ったと云われるところの川下りする予定であったが、最近の水不足で運行できず別のところの川下りを行った。ここは船着き場も整備されていて観光化が進んでいるところであったが、乗船すると船頭の愉快な案内によってしばしの時間心が和んだ。その後バスに乗り長い時間をかけて山深いところに入っていった。ここは宮城県との県境近くの尾花沢と云うところで、昔は日本の3大銀山(岩見銀山、生野銀山、延沢銀山)の一つとして栄えたところであった。その延沢銀山の近くに温泉が噴き出し工夫達でにぎわったと云う。

 現在ここは銀山温泉として栄え、銀山川の両岸に大正から昭和初期にかけて多くの旅館が立ち、当時としては非常にモダンな三層四層の木造バルコニー建築がそのまま残っていて、歩道にはガス灯がともる光景は、温泉のシンボル的な風情を醸し出していた。延沢銀山は1456年、戦国時代が始まる時期に発見され、最盛期には3万人ほどの工夫が働きにぎわったところであったが1689年に銀山が閉山された後も湯治場として流行った。1913年の大洪水により温泉街は壊滅したが、その後地元財界の力で復興し、今の温泉街の光景が作られた。この温泉街は川沿いに道幅狭い道が続き、浴衣姿で歩く光景は大正時代にタイムスリップした感覚にさせられた。


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