本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

サブカル・スーパースター鬱伝

2016-12-17 12:33:08 | Weblog
■本
96 プーチンはアジアをめざす/下斗米 伸夫
97 自分の時間を取り戻そう/ちきりん
98 サブカル・スーパースター鬱伝/吉田 豪

96 引き続き世界情勢に関わる本を。中東、中国と来たので、今度はロシアです。ウクライナ問題で、ロシアと欧米の関係が悪化した2014年末に出版された本なので、その影響で今後プーチンはアジア重視の外交姿勢を取るだろう、また、中国に経済的に支配される危険性も感じているので、相対的に日本との関係強化に動くだろう、という趣旨の本です。ここ数年の北方領土交渉の状況を見ていると、この筆者の分析が概ね当たっているような気がしますが、トランプ大統領誕生で潮目が完全に変わったことも理解できます。ロシアと欧米の対立は中国の独り勝ち、という分析は的を射ていると思いますし、その中で日本も単なる米国追従ではなく、したたかな外交が必要なのだと思います。

97 社会派ブロガー「ちきりん」さんの生産性をテーマにした本です。「思考法」、「マーケット感覚」と来て、今度は「生産性」というテーマの流れに、まさに、ちきりんさんの時流を読むセンスを感じます。生産性を上げるために、まずは対象となる仕事に投入する時間を思い切って制限する、という考え方は、一つの考え方として知っておいて損はないと思います。ベーシックインカムを支持するにあたっての極論的な考え方(「生産性がマイナスの人には収入を保証して働くことをやめてもらった方が、社会としての生産性は向上する」)など、あまりにクール過ぎる思考は、読む人を選ぶかもしれませんが、論理的にだけ考えればそういう結論にもなり得る、ということを理解しておくことは、この厳しい競争社会(人間とだけではなくて今後AIとも競争いないといけないかもしれません)で生き残る上で必要なことかもしれません。

98 リリー・フランキーさん、みうらじゅんさん、松尾スズキさんといった、サブカル界の大物が40歳を過ぎたころから、みんな鬱になっていく、ということに着目した筆者が、その当事者にその体験をインタビューした本です。先述した方々の作品が大好きなのと、私が、まさにこの方々が鬱を発症したのと同じ年代なので、興味を持って読みました。体力の衰えや家庭の問題が、この年齢に生じやすいとことや、サブカルの人は生活が不規則になったり運動不足になりやすい(逆に言うと、運動と睡眠が足りていれば、鬱になる可能性をある程度軽減できる)ということが、この問題の背景にあるという極めて常識的な結論に総括できそうです。しかし、当事者個々の壮絶な体験談を聞きつつ、その当時のアウトプットを振り返って見ると、芸風は若干変わりつつもさほどクオリティは落ちていないので、クリエイターとしての偉大さも感じることができます。


■CD
73 Roll Up The Collectors/ザ・コレクターズ

 冒頭の「悪の天使と正義の悪魔」(ドラゴンボールのTVアニメの主題歌になるらしいです!)という曲から、ザ・コレクターズ節全開の痛快な作品です。この曲のタイトルに象徴的なように、安易な二元論に陥らない知的でどこかシニカルな歌詞が素敵です。その一方で、サウンドの方は極めて親しみやすく、音楽の楽しさを存分に堪能できます。30周年にしてこの瑞々しさは驚異的です。


■映画
83 ALWAYS 続・三丁目の夕日/監督 山崎貴

 普通に続編として気楽に楽しめます。一作目で離れ離れになった、売れない小説家とその小説家を尊敬する親に捨てられた少年、そして、小説家が恋心を抱いていた薄幸の女性が、一緒に家族として暮らせるようになるので、前作のエンディングで抱いたもやもやとした気持ちが解消されてすっきりします。冒頭にゴジラが東京を暴れまわり、特撮をバックボーンとする山崎監督が楽しんでこの作品を撮っていることが伝わってきます。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中東から世界が崩れる | トップ | 映画「永い言い訳」にまつわ... »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事