本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

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2017-06-10 10:00:07 | Weblog
■本
44 大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす/佐藤 優
45 子どもをのばすアドラーの言葉/岸見 一郎

44 地政学(地理的な環境が政治・経済等に与える影響を分析する学問)の視点を元に、最近のアメリカ、イギリス、ドイツ、ロシア、中東、中国の行動の背景を解説してくれる本です。誰でも知っている地理的要因を元に、イギリスのEU離脱や中東の混乱、中国の一帯一路構想などを論理的に分析してくれていて、知的好奇心が満たされます。「海と川は人間を接近させるが、山脈は人間を分離させる」という、言われてみれば当たり前のことに、多くの国の行動が大きく影響を受けていることを知り、目から鱗が落ちたような気分です。簡単に入手できる情報からも、緻密に論理的に分析することにより、いろんなことが予測可能ということを知る意味でも、素晴らしい本だと思います。佐藤優さんの新書の中でも秀逸な本だと思います。

45 ベストセラー「嫌われる勇気」でアドラー心理学を日本中に広めた岸見一郎さんによる、子育てに対する心構えが書かれた本です。「嫌われる勇気」にも書かれていましたが、子どもを「叱る」ことだけでなく「ほめる」ことも否定されている点に衝撃を受ける人が多いと思います(「ほめられないと適切な行動をしないこどもになる」悪影響を考慮しての主張です)。基本は子どもの人生は子どものものなのだから、過度に干渉せず、望む人生を自らの判断で選び取る力が付くような子育ての実践を奨励している本だと私は理解しました。中学受験情報誌の連載が元になっているので、受験生を持つ親の心構えについてもたくさんのページが割かれていて、私自身高校受験を控える子どもがいるので参考になりました(その息子と口論になったのがこの本を読んだ動機でもあるのですが)。

■映画
33 シェフ/監督 ジョン・ファヴロー

 監督のジョン・ファヴロー自ら主演していることもあり、やりたいことを自由に制約なく実現できていて、楽しんで演じていることが画面から伝わってきます。アイアンマンシリーズの監督らしく、エンターテイメントのツボを押さえた楽しい作品です。シェフである主人公の葛藤、挫折、再起、成功という流れが絶妙の時間配分で展開され、子どもとの関係修復や友情なども巧みに織り込まれていて、後味がとてもよいです。シズル感タップリの料理の描写や、大作監督のコネクションを最大限に活用し、スカーレット・ヨハンソン、ダスティン・ホフマン、ロバート・ダウニー・Jrといった超有名俳優を惜しげもなく端役に使っているところも、ちょうどいいアクセントになっていて、観ていて飽きません。マイアミからロサンゼルスに向かうシーンの風景描写も美しく、アメリカのヒューマンドラマとして理想的な作品だと思います。
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