薬屋のおやじのボヤキ

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ミネラル大研究:改定新版(三宅薬品・生涯現役新聞N0.281)

2018年06月25日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞N0.281:2018年6月25日発行
表題:ミネラル大研究:改定新版
副題:夏、体がだるい…これはたいていミネラル不足です

 過剰となるミネラル3種類(リン、ナトリウム、塩素)と不足がちとなるミネラルは4種類(カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛)について、ポイントを説明したものです。
 ただし、食塩(ナトリウム、塩素)はさほど問題にはならないし、カルシウムも不足することはないと考えられます。
(備考)今月号は5年前の「ミネラル大研究:最新版」を一部加筆訂正したものです。

(表面)↓ 画面をクリック。読みにくければもう1回クリック。裏面も同様です。


(裏面)瓦版のボヤキ
    数打ちゃ当たるさ、メロン50株作付け

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実践「免疫革命」“爪もみ療法”のすすめ。いろんな病気が改善しますよ。

2018年06月21日 | 健康情報一般

実践「免疫革命」“爪もみ療法”のすすめ。いろんな病気が改善しますよ。

 『免疫革命』という本が出たのが2003年で、今は亡き安保徹(新潟大学教授)氏によるものです。この本は「自律神経免疫治療」の理論編とでもいうべきもので、その翌年に、その実践編として、これまた今は亡き福田稔氏によって『実践「免疫革命」爪もみ療法』が出版されました。両書ともに、通称「福田ー安保理論」と言われるものに基づいており、お二人が互いに協力し合って作り上げられた治療法を元にして書き上げられたものです。
 そして、お二人が中心となって、日本自律神経免疫治療研究会(現:日本自律神経病研究会)を立ち上げられたようでして、ともにお亡くなりになった現在においても、その子弟の方々により力強く活動が続けられているようです。

 福田氏の本書(『実践「免疫革命」爪もみ療法』)については、その内容の一部を「胃酸の逆流で逆流性食道炎が起きるなんて大間違い !?」で取り上げましたが、主体は“爪もみ療法“ですので、本稿では、それを紹介することとしましょう。
 なお、その“爪もみ療法“については、ごく簡単に「
どうして「薬指」って呼ぶの?(三宅薬品・生涯現役新聞N0.278)」の中で触れましたが、本稿はその詳細版です。

 まず、「自律神経免疫治療」とは何ぞや、ということになりますが、それについては、日本自律神経病研究会のサイトで分かりやすく解説されていますので、それを以下に丸々引用して紹介します。

「福田 - 安保理論」と自律神経免疫療法
自律神経のバランスの乱れが病気の原因
 「福田 - 安保理論」とは、自律神経のバランスがくずれることによって免疫が低下して発病し、自律神経のバランスを整えることで免疫を高めて病気を治すことができるという理論です。この理論によって、病気の起こるしくみと治るしくみが解明されました。
 自律神経とは、我々の意志とは無関係に体の働きを調節している神経です。夜眠っているときにも心臓が止まったり、呼吸が途絶えたりしないのも、自律神経が働いているためです。
 自律神経には、交感神経と副交感神経とがあります。日中は交感神経が優位になって血管を収縮させ、脈拍が上がり、呼吸数も増え、仕事や勉強に精を出すことができます。反対に、睡眠時や食事中などは副交感神経が優位になって血管を拡張させ、脈拍をおさえ、呼吸数を減らし、消化を促進します。このように、交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで、我々は日々の生活を送っています。
 この自律神経のバランスがくずれて一方に偏った状態が続くと、自律神経失調状態になります。自律神経失調状態が進むと、不眠やイライラ、頭痛、さらにはガンやリウマチ、アトピー性皮膚炎といったさまざまな病気が引き起こされてきます。

免疫の主役は白血球
 ここで免疫のことにふれましょう。免疫とは体を病気から守るしくみで、主に血液中の白血球がその役割を担っています。血液中の主な成分は、赤血球、白血球、血小板などがあります。赤血球は酸素や栄養を体の細胞に運ぶ役目をします。血小板は血液を固まりやすくする成分で、血管を修復したり、けがをしたときのかさぶたとなったりします。
 白血球は免疫の主役で、大きく分けて顆粒球、リンパ球、マクロファージがあります。顆粒球は細菌などのサイズが大きな異物を食べて処理し、リンパ球はウイルスやガン細胞といったサイズの小さな異物にくっついて処理するという具合に、異物の大きさによって役割が分かれます。マクロファージは処理した異物と顆粒球やリンパ球の死骸を処理する働きがあります。
 ここで大切なのが、顆粒球とリンパ球の割合です。通常は、顆粒球が54~60%、リンパ球が35~41%、マクロファージが約5%となっています。日中と夜間、また季節によって割合の変動はありますが、だいたいこの中におさまっていればよいでしょう。
 福田-安保理論は、自律神経と免疫が連動していることを証明しました。交感神経優位だと顆粒球が増え、副交感神経優位だとリンパ球が増えるのです。
 現代人は、ストレスによって交感神経優位の状態が続きやすい環境にあります。働きすぎ、心の悩み、痛み止めの長期使用などによって交感神経が優位になり、顆粒球が増えた状態が続きます。
 顆粒球の寿命は2~3日で、死ぬときに大量に活性酸素を放出します。体内の活性酸素の7~8割は顆粒球が放出したものです。活性酸素はとても大切な働きをしますが、増えすぎるとその強力な酸化力で臓器や血管などに障害を引き起こします。動脈硬化、ガンといった症状や病気の引き金となるのです。加えて、交感神経緊張状態だとリンパ球が減っており、ガンに抵抗することができません。

自律神経の乱れを正す自律神経免疫療法
 したがって、病気を予防したり治したりするには、自律神経のバランスを整えればよいわけです。
 自律神経免疫療法では、注射針や磁気針、レーザーで皮膚を刺激して"嫌なもの反射"を起こさせ、瞬時に交感神経優位から副交感神経優位の状態に変えるのです。嫌なもの反射とは、注射針の痛みや磁気針、レーザーの刺激を体外に排出するために、副交感神経が優位になるのです。排泄は、副交感神経優位の状態で行われるからです。
 もちろん、自分でできる爪もみ療法や乾布摩擦なども副交感神経を優位にしますが、現時点での治療としては注射針や磁気針、レーザーによる刺激がもっとも効果的だということです。自律神経免疫療法は、月1回採血を行って顆粒球とリンパ球の割合と数を見ながら治療効果を判定していきます。症状がよくなってくるにしたがって、顆粒球とリンパ球の割合と数が正常範囲に近づいていきます。
 ガン、リウマチ、膠原病、パーキンソン病、潰瘍性大腸炎、高血圧、糖尿病、C型肝炎、胃潰瘍、耳鳴り、めまい、難聴、白内障、偏頭痛、顔面神経マヒ、ひざ痛、腰痛、円形脱毛症、前立腺肥大症、頻尿、不眠症、冷え症、痔、便秘、水虫など、自律神経のバランスの乱れで起こるさまざまな病気が自律神経免疫療法で改善しています。
(引用ここまで)

 引用文中に「自分でできる爪もみ療法や乾布摩擦なども副交感神経を優位にします」とあり、福田稔氏は“爪もみ療法“をおおいにすすめておられます。
 以下、本書を要約して紹介します。

 “爪もみ”のやり方はとても簡単です。ツボを刺激するために用意するものは、爪楊枝(つまようじ:尖っていない頭のほうを使う)またはボールペン(インクが出ないものがいい)で、これなしで自分の爪先を使ってもいいです。ツボの位置が分かったら、自分の爪先を使ったほうが2か所のツボを同時に刺激でき、時間が半減しますから、このほうが手っ取り早いです。
 ただし、刺激で痛みが強すぎるという方は、爪楊枝かボールペンで、痛みを感ずる程度に刺激します。爪先を利用する場合も、痛みを我慢するほどの強い刺激は逆効果となります。
 下図にそのポイントを示しました。「チクチク」が一通り終わってから、再び順々に「グリグリ」を行なうというものです。

 原則として、薬指を除く両手の指8本を順々に刺激します。薬指を除く理由は、薬指を刺激すると交感神経が緊張することになるからです。
(注:「現在では、薬指をもむことで低血糖、眠気、低血圧、倦怠感などに効果があることが分かり、他の指と一緒に10本全部行えば特に問題がないと言われています。」と解説されているサイトもあります。)

 1セット行うのに3、4分かかります。これを毎日、眠りにつく前に行います。日々の健康のために行う人は、これだけで十分ですが、何らかの病気がある人の場合は、最低2、3セット行います。
 1セットでも行えば、すぐに体がホカホカ温まり、けだるさが生じてきて、寝つきがよくなります。これは副交感神経が優位になり、血管が開いて血行が促された表れです。2、3週間後には体に明らかな変化が訪れることうけあい。

 効果が期待できるからと、日に何度も行うと、効果が薄れてしまいます。時間に余裕がある人の場合も、日に4、5度に抑えるほうがいいです。
(注:「1日に3回までを限度に行いましょう。」と解説されているサイトもあります。)

 以上、手指の“爪もみ”について説明しましたが、足指も同様に刺激すると、効果が一段と高まります。足指刺激は、体を曲げる必要があるなど少々やりにくい面がありますが、特に下半身の症状が気になる人におすすめです。

 最後に、どの指がどんな症状に対応しているのか、図示しておきますが、該当する指だけの刺激では効果がないです。ただし、症状に対応している指は倍の秒数行うとよいというものです。
(注:薬指は先ほど注釈したように「低血糖、眠気、低血圧、倦怠感など」に良いともいわれます。)

                                                                                                                                                                                                                          

 いかがでしょうか。福田氏は本書の終わりのほうで、「誰でもいつでも、そしてどこでもできる簡単な治療法である…。…特別な技術や道具は一切必要ない。…手間もかからなければお金も1円も必要ない。…私の患者さんの中にはテレビを見ながら、チクチク、グリグリとやっている人も少なくない。…こんな手軽な治療法は他にはそうはないだろう。」と言っておられます。
 そこで、小生も冬の間に何日か、風呂に入ったときに、手足16本の指のチクチクを爪でやったみました。そうしたところ、グリグリをするまでもなく、先に引用した「1セットでも行えば、すぐに体がホカホカ温まり、けだるさが生じてきて、寝つきがよくなります。」とあるとおり、毎回、風呂の中で眠くなってきました。
 “こんなことで副交感神経が優位になるとは驚き!”と感じたところです。
 
何か気になる症状を抱えておられる方は、風呂の中では止めた方がいいでしょうが、寝る前に行われると、きっと効果てきめんなことでしょう。おすすめします。


(備考)
 本稿で取り上げた福田稔著『実践「免疫革命」爪もみ療法』は、日本自律神経病研究会理事の高木智司先生(以前に紹介した「タオル枕健康法」の著者)から昨年末に進呈を受けた本でして、遅ればせながら、その主体となる部分を紹介させていただいたところです。本書を贈呈くださった高木智司先生に改めてお礼申し上げます。

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昔「歯の衛生週間」、今「歯と口の衛生週間」、いずれや「口の衛生週間」に

2018年06月15日 | 健康情報一般

昔「歯の衛生週間」、今「歯と口の衛生週間」、いずれや「口の衛生週間」に

 昭和3年に「6(む)4(し)」にちなんで、6月4日を「虫歯予防デー」と定められました。戦後になっていろいろ名称変更しましたが、長く「歯の衛生週間」という名称が続きました。もっとも、団塊世代の小生の子どもの頃は、まだ昔の名称「虫歯予防デー」に馴染んでいましたが。
 その後、「歯だけじゃだめだぞ。口の中の衛生も大事だ」ということになったのでしょう、平成25年に「歯と口の衛生週間」という名称に改められました。
 小生、願わくば、戦後早々に改名された「口腔衛生週間」に、いずれや改名され、それをわかりやすくして「口の衛生週間」にしてほしい、そう期待しています。

 現在の名称「歯と口の衛生週間」に改められた平成25年の標語は「健康は 食から 歯から 元気から」という、「歯と口」以外のものまで入れた、大風呂敷を広げたものですが、平成30年の標語「のばそうよ 健康寿命 歯みがきで」といった「歯磨きのすすめ」が運動の中心になっているようです。そのいい例が、平成18年の標語「ごちそうさま おはしをブラシに 持ちかえる」です。

 このように、「歯磨き」がとても重要なこととされています。これは常識で、絶対に正しいもの、とされていますが、本当にそう言えるのでしょうか。
 研磨剤が入っているチューブ入り歯磨きを歯ブラシにつけ、ゴシゴシ歯を擦るってことは、かえって虫歯にさせてしまうのではないか。そんな心配があります。
 よって、小生は、ここ数年来、「歯磨き」はしたことなし、です。もっとも、「土台がなければ家は建たぬ、歯茎がなければ歯は立たぬ、どだい無理な歯無しと題して記事にしましたように、歯茎が重要であるからして、「歯茎マッサージ」を歯槽膿漏防止剤(研磨剤なし)を使い、電動歯ブラシ(バイブ型)で行なっています。加えて、歯間ブラシで歯と歯の間に詰まっている食べかすをほじり出しています。
 こうして、「8020」に合格するよう歯茎ケアをしてきました。「8020(はちまるにいまる)」とは、80歳での残存歯数が20本以上を言い、「8020運動」が全国的に開始されたのは平成元年のことです。

 ところで、最近、歯がなくても歯茎だけで硬いものが食べられることを知りました。100歳長寿の双子姉妹、金さん銀さんがそのようだったんです。金さんは完全な歯無し、銀さんは歯は5本。でも、2人とも歯茎がゴンゴンで、丸干しイワシを毎朝食べる。高齢になって“進化”した歯茎の持ち主。
 こうなると、「歯茎がなければ歯が立たぬ」なんていうことは、どうでもいいことになってしまい、拍子抜けしてしまいました。

 これを紹介してくださったのは、歯科衛生士の精田紀代美さん(芸名「おんなきよまろ」)で、その講演録が小生が愛読している「みやざき中央新聞」に乗っていました。
 講演の中で主題となっているのが「毎日の舌の掃除で健口長生き」です。これにはたまげました。舌の掃除なんて、恥ずかしながら、小生、全然知らなかったからです。
 この記事を見て、早速にホームセンターに行って「タン(舌)クリーナー」を買い、その日から軽くゴシゴシしています。舌の奥のほうを掃除しようとすると、オエッとなりますから、そのへんは適当にやっていますが、軽くこすっただけでもタンクリーナーをコップに入れて洗うと水が随分と濁ります。こうすることで、歯周病菌などがごっそり取れるそうです。

 これは当店のお客様にも知ってもらわなくては、と思い、「みやざき中央新聞」に掲載された講演録の一部を切り貼りコピーしてDMに同封したところです。
 以下、小生があれこれ説明するよりは、そのコピーをブログ読者の方々にお読みいただいたほうがよろしかろうと思い、下に貼り付けました。ぜひご覧になってください。

 これからの時代、6月4日からの1週間は「口の衛生週間」とし、「歯無しになってもかまわないから、舌の掃除をしましょうよ」、そういう運動に変換願いたいところです。 

 

参考記事
2011.6.4 虫歯の治療薬は唾液です!硬い物をよく噛むに限ります。
2012.6.4 どだい無理なハナシ(歯無し)、歯周病の予防をしっかりと。
2012.6.5 丈夫な歯=“東大”合格! 「よく噛むこと」に絶大な効果があります。

 

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4回目の複数日(2、3日)断食に挑戦

2018年06月10日 | 断食体験記

4回目の複数日(2、3日)断食に挑戦

 断食の種類にも様々あります。まず期間ですが、短いものとしてミニ断食とかプチ断食と呼ばれる朝食抜きがあります。そして、朝昼抜きの1日1食があります。小生は10年以上前から朝昼抜きの1日1食にしています。お陰で、間もなく古希を迎える年齢となりますが、胃腸は元気、体調良好です。
 一般的に断食といったら、最低1日断食ですし、2、3日の断食があれば、本格的な1週間やそれ以上の断食もあります。小生の断食経験は1日断食が10回ほど、2日断食が1回、3日断食が2回です。もっとも小生の場合は1日1食ですから、1日断食であっても実質2日断食に近いものとなります。
 次に、断食の質にいろいろあります。本格的な水しか飲まない純断食が一般的ですが、これはけっこうきついです。ごく低カロリーのものを何か少し口にすると楽になり、そうであっても純断食と代わらぬ効果が得られることが、断食指導50年のベテラン、亡き甲田光雄氏の指導経験で分かっていますので、断食なさる場合はこちらがお勧めです。
 何を口に入れるかとなると、小生が一番多く利用したのは甲田氏お勧めの「すまし汁3合の水に、昆布10グラム、乾燥シイタケ10グラムを入れ、沸騰させる。昆布とシイタケを取り除く。汁の中に醤油30~40グラム、黒砂糖30グラムを入れて完成。これを冷めないうちに昼に飲む。晩も同様にして作り、飲む。
この「すまし汁」は1日合計200キロカロリーになり、これでは断食にならないと思われるでしょうが、普段のカロリー摂取量の1割程度と少なく、十分に断食効果は出るとのことです。何より断食中の倦怠感を解消してくれ、普段の仕事がこなせます。)です。
 もっとも、これでは小生には甘すぎますので黒砂糖はほんの少々としました。他に甲田氏お勧めのものとして「青泥・青汁」(野菜をミキサーにかけたものそのまま、または、それをこししぼったもの。塩少々添加)がありますが、小生はやったことがありません。その代わりに塩振りトマトであったり、果物少々としたこともあります。ほかには寒天だけという方法も良く、小生もやったことがあります。いずれにしても、多少塩分を補給すると倦怠感が薄れ、小生は朝1粒の梅干を足す(1日1食の場合もそう)ことにしています。
 なお、昨年の3日断食では、夜のみ「キュウリ1本、ヤーコン芋(でんぷんを含有せず、フラクトオリゴ糖を多く含むダイエット食材で、整腸作用抜群です。)約100g」をそれぞれ醤油で煮たものをお椀に1杯ずつとしました。

 さて、小生は、毎年1回、複数日の断食をしようと考えており、昨年と同様に今年も女房が海外旅行に出かけるのを機会に、複数日間断食を計画しました。なお、昨年は3日断食でしたが、断食明け初日(実質上断食4日目)に「腹具合がおかしくなり、加えて、極端に“だるーっ”と感ずるようになる」という体調不良を経験しましたので、今年は無理せずに2日断食とすることにしました。
 その工程表は次のとおりです。断食前2日間と断食明け3日間は食事制限し、胃を慣らさねばならないので、過去の断食経験から、自分なりに組んでみたところです。
 なお、水しか飲まない純断食は苦しいので、
今回は、朝に梅干し1粒、夜にヤーコン芋約100gの醤油煮を2日とも食すことにします。
                    (食事:夜のみ)
6月 9日(土) 断食2日前  魚介類少々の腹八分 朝百姓 全日店番 
6月10日(日) 断食1日前  肉魚抜き腹五分   午前百姓 午後休養
6月11日(月) 断食第1日 ヤーコン芋醤油煮 午前アパート清掃午後休養
6月12日(火) 断食第2日 ヤーコン芋醤油煮   朝百姓 全日店番
6月13日(水)断食明け初日 肉魚穀物抜き腹三分  朝百姓 全日店番
6月14日(木)断食明け2日目  肉魚抜き腹五分  朝百姓 全日店番
6月15日(金)断食明け3日目  魚少々腹八分
   朝百姓 全日店番 
6月16日(土)断食明け4日目  通常食      朝百姓 全日店番
 このように、2日断食するとなると、前2日・後3日もかなり食事制限せねばなりません。特に断食明け初日、2日目は自制心が利かなくなることがあり、満腹に食べると胃を壊してしまいますから、初心者はいきなりの2日断食は止められたほうが無難です。先ずは、1日断食(前日は魚少々腹八分、断食明け初日の朝は少々のおかゆ程度、昼食・夕食は魚少々腹八分)の繰り返しから、です。

 参考までに、血圧・血流データなどを毎日夕刻(体重は風呂上り)に測り、以下に記録することにします。(10日、15日は測定忘れ)
           
体重 血圧(上:下)脈拍 血流判定 血流スコア 
10日:断食1日前  48.1  
11日:断食第1日  46.3  125  69  59   C-    -15
12日:断食第2日  46.1  124  75  59   C-    -19
13日:断食明け初日 46.0  124  79  61 
  C-    -22
14日:明け2日目  46.3  139  82  53   C-    -10

15日:明け3日目  48.1 
16日:通常食復帰  47.7  124  77  59    C     -1
 (注:血流スコア値は血液サラサラ度と考えてよい。ーより+が良。)

(6月18日追記:データ解析など)
・体重の増減
 断食第1日目に体重が急減したのは、排便量は前日との差はほとんどなかったことからして、汗をたくさんかいて体内水分量が減ったことと、夜に口にした量が全日比べて大きく減ったことによるものです。断食明け3日目の体重急増は、排便量がわずかだったことと夜に食べた食事量が大きく増えたことによるものです。

・血圧(上)の変化 
 最近、血圧を測ったことがないのですが、冬には上が140台になっていました。それが120台に下がっているのは何とも不思議なことです。昨年の同時期の血圧は、断食直前は140台でしたから。
 断食明け2日目に血圧が少々上がったのは、前日の三分食で気力が出たからと思われますが、通常食復帰日には再び120台になり、これまた不思議なことです。
 ちなみに通常食3日目は133でしたから、血圧は日変動があり、その範囲内であるといったところでしょうか。
・脈拍
 断食中はたいてい脈拍数が上がり気味になるのですが、今回はそうした傾向は特になく、これまた不思議なことです。
 
・血流
 断食の最後から明けにかけて、血液の貧栄養から血液がサラサラになって血流が非常によくなるのが常でしたが、今回は前回同様に全然変化なしといったところです。

 という状況でして、断食による一定の傾向というものが、今回は例外だらけになってしまいました。
 なお、
普段は前立腺肥大のせいで小便の出が良くないのですが、ここ3回の複数日断食で多少は小便の出がよくなったのを感じたものの、今回は特に変化はなかったです。これは、最近、ペポカボチャの種を毎日食べており(断食中及び前後の制限食では食べず)、以前よりは小便の出が良くなったきているからでしょう。

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 ここから先は、毎日の体調などを順次記録に留めておくこととします。
(6月 9日(土)断食2日前 魚介類少々の腹八分)
 野菜中心のおかずで腹八分を予定するも、明日からしばらく女房が出かけるので残飯整理のためタコ飯をもう1杯食べざるを得ず、満腹。でも、魚介類は野菜炒めの中のエビ少々とタコ飯のタコ少々だけで、肉は一切なし。
(6月10日(日)断食1日前 肉魚抜き腹五分)
 朝6時起床。排便は普段より若干少なめ。朝7時から庭、公園などに除草剤噴霧、9時から畑の草叩きなど軽作業を13時まで。午後はブログ記事づくりなどデスクワーク。体調は普段通りで良好。
 夕食は予定通りのもの(スーパーで買ったおにぎり1個、小皿のナス煮とポテト野菜サラダ)で済ませたが、実に物足りなく、“もっと食いてえ!”と、早くも食欲煩悩との戦いが始まる。何とか我慢。
(6月11日(月)断食第1日 ヤーコン芋醤油煮)
 朝6時起床。排便は普段より若干少なめ。朝はデスクワーク。9時から予定通りアパート清掃に着手し、4階までの3階段を、蜘蛛の巣取りを行い、階段をきれいに掃き、その後に古くなった蛍光管の取り換え。休み休み行うもけっこうハードで汗をしっかりかき、午後2時近くまでかかる。けっこうバテる。その後、ジャガイモと梅の実を少々収穫。午後3時過ぎからデスクワーク。
 午後7時半に予定通りヤーコン芋(約100g)醤油煮をゆっくり食す。その後、食欲煩悩が湧き、大粒のブドウ10粒弱を食す。この程度なら許されよう。
 風呂上がりに測った体重が、48.1kg→46.3kgと大幅に落ちたのは、汗をたくさんかいて体内水分量が減ったことも原因していよう。排便量は前日との差はほとんどなく、夜に口にした量の差が体重減の一番の原因であろう。
(6月12日(火)断食第2日 ヤーコン芋醤油煮)
 朝6時起床。排便は昨日よりかなり少なめ。いつもより若干の倦怠感があったが、6時半より柑橘類の剪定を行う。8時頃までの軽作業であるが、いつも通りの体調に戻り、断食の影響は全く感ぜず。なお、まだ生っていた甘夏の小さなものを1個食す。この程度なら許されよう。
 9時前に開店準備を済ませ、午後7時まで店番しながらデスクワーク。午後6時頃から若干の倦怠感と動悸がしてきた。これは複数日
断食でよくあることだ。
 午後7時半に予定通りヤーコン芋(約100g)醤油煮をゆっくり食す。その後、前日同様に食欲煩悩が湧き、大粒のブドウ10粒ほどを食す。この程度なら許されよう。少々口にしたことにより、倦怠感は消失。 
(6月13日(水)断食明け初日 肉魚穀物抜き腹三分)
 朝5時起床。便意が生ぜず、排便せず。5時半より8時半までの3時間、畑で草引きや草叩きなど軽作業。昨日より若干体が重い。これは当然のことだろう。9時前に開店準備を済ませ、午後7時まで店番しながらデスクワーク。午後7時半まで何も食べないから、今日は実質3日目の断食であるがゆえ、昨日と同様に午後6時頃から若干の倦怠感と動悸がしてきた。
 閉店後、スーパーへ行き、野菜総菜小皿3つと大粒のぶどうを買う。胃に負担がかからないよう総菜をよーく噛んで食す。総カロリーは300強と意外に少ない。風呂上がりにぶどうを10粒ほど食す。食欲煩悩の湧き方は思いのほか少なくて安心した。
(6月14日(木)断食明け2日目 肉魚抜き腹五分)
 朝5時前に起床。今朝はちゃんと排便でき、量は少ないが2日分出たであろう。5時すぎより8時すぎまでの3時間、畑でトマトの支柱立て、タマネギの収穫の収穫と軽作業。昨日より若干体が軽い。腹三分のお陰であろう。9時前に開店準備を済ませたが、体調は普段とあまり変わらない。午後7時まで店番しながらデスクワーク。夕方になっても前日までのような倦怠感は生ぜず。
 血圧が少々上がったのは、前日の三分食で気力が出たからだろう。なお、脈拍数が下がったのは、断食中は脈拍数が上がり気味になるからと思われる。
 閉店後、隣の蕎麦屋さんで冷やしたぬきソバをよく噛んで食べる。
 店の2階の居室へ行って、久しぶりのアルコール補給。いつもの6割ぐらいの焼酎を湯割りし、漬物で晩酌を楽しむ。酒量が少ないも、いつも通りの酒のまわり方だ。
 その後に大粒のぶどう10粒ほどを摘まみ、小さなせんべいを4枚口にする。こうなると腹六分だ。
 さて、弱った。以前の複数日断食と同様に、今回も食欲煩悩がどんどん強まってくる。ゆえに、店の2階の居室にいつまでもいると、止めどなく菓子類を食いそうになるから、早々に風呂に入り、梅干ししか置いてない自宅へ行って寝る。
(6月15日(金)断食明け3日目 魚少々腹八分)
 今朝は曇天で6時前に目が覚める。排便はほんのわずか。
 1時間半ほど軽い農作業を行ったが、けだるさは全くなく、体は軽い。昨晩の腹六分でもっているのだろう。
 その後の店番をしながらのデスクワークも普段通りの良好な体調だ。そして、前回同様に断食によって頭が冴えてきているのであろう、予定していなかったブログ記事を1本書き上げて投稿できてしまった。
 夕刻、ネットで調べ物をしていて閉店の時刻となり、血圧や血流の測定を忘れる。
 前日は肉魚抜き腹五分であったからだろう、閉店頃にけだるさを感じるようになった。
 今晩の「魚少々腹八分」は、「魚まあまあの腹八分」に少々アップして、隣の料亭で「ウナギ定食」&「フグのヒレ酒1合」とすることにしたが、アジのたたきも注文し、「魚まあまあの腹九分」となる。
 今朝の排便がわずかであり、腹九分となったから、体重が急増。
(6月16日(土)断食明け4日目 通常食)
 5時前に目が覚めるも寝直して7時前に起床。便意を催さず。どうしたことだろう。(お昼前に便意が現れ、まずまずの量を排便。)
 朝、野菜の収穫を3種類行ない、梅の実を全部
収穫。1時間半、大急ぎで行う。体調は当然のことながら非常にいい。 全日店番をしながらデスクワーク。今晩は友人と居酒屋へ繰り出す。断食制限食の解除を祝って。

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2013.11.13 今日明日「2日間断食」に初挑戦:世界糖尿病デーによせて…その結果は?
2013.11.09 家庭でできる断食健康法に取り組んでみませんか:世界糖尿病デーによせて
2010.11.14 11月14日「世界糖尿病デー」は「断食デー」?! ちゃんとやりました1日断食

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足首発、全身行きトラブル電車(三宅薬品・生涯現役新聞バックナンバーN0.220)

2018年06月10日 | 当店発刊の生涯現役新聞バックナンバー

 毎月25日に発刊しています当店の「生涯現役新聞」ですが、これをブログアップしたのは2014年陽春号からです。それ以前の新聞についても、このブログ読者の方々に少しでも参考になればと、バックナンバーを基本的に毎月10日頃に投稿することにした次第です。ご愛読いただければ幸いです。

当店(三宅薬品)生涯現役新聞バックナンバーN0.220:2013年5月25日発行
表題:足首発、全身行きトラブル電車

副題:自覚症状のない足首の故障を放置しておくと大変なことになる

この記事は、「足指発、全身行き脱線列車、「新・五本指靴下(サポーター)」でリニアモーターカーに大改善!」を要約したものです。

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2013年9月号外
表題:足指発、全身行き脱線電車
副題:足指の歪みは万病の元。『新五本指靴下』で改善しましょう

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更年期過ぎの女性のコレステロール値の異常は正常です

2018年06月04日 | 脂質異常症

更年期過ぎの女性のコレステロール値の異常は正常です

  このブログやホームページで健康相談を受け付けているのですが、最近その半分ほどは更年期過ぎの女性からのコレステロール値に関するものです。「検査数値が高いほうで引っかかって医師からコレステロール薬をすすめられ、どうしよう。」あるいは「コレステロール薬の副作用が出て困っている。」といった内容です。
 結論は、「値は無視しろ。薬は飲むな。」ということになるのですが、そのあたりのことをやんわりと説明し、その方その方にふさわしい助言をさせていただいています。

 でも、なかにはごく少数ですが、家族性高コレステロール血症の方もいらっしゃいます。つまり遺伝性のもので、血中のコレステロール値がいつも異常に高いというものです。
 そうした方から今まで3件相談があり、これはこれで、また別の助言をすることになるのですが、そうそう心配するものではなく、誰でも高齢となれば血管性疾患で死ぬ率が高くなるのであり、それが多少早まるだけのことですから、場合によってはかえってそのほうが有り難いとも言えます。なぜならば、ピンピンコロリと逝ける確率が高まるからです。
 なお、家族性高コレステロール血症は2タイプあり、両親ともから異常な遺伝子を引き継いだ「ホモ接合体」の場合は小児の段階で異常値を示し、命の危険がありますが、極めてまれです。片親から異常な遺伝子を引き継いだ「ヘテロ接合体」の場合は500人に1人程度のようで、総コレステロール値の平均は320~350 mg/dlですので、そう極端に高い数値でもないですから、これが原因して血管性疾患で若死にするという心配は無用です。肥満・飽食・運動不足による血管性疾患の発症よりも危険度は少ないと考えていただいていいのではないでしょうか。

 さて、「総コレステロール値は280あっても心配ない。その方が元気で長生きできる。」ということが、随分前になりますが、幾つかの大規模な疫学調査で分かっており、「高コレステロール値、驚くに当たらず。かえって喜ぶべし。」ということになりましょう。ただし、美食・飽食ゆえに高コレステロール値になっていることがままあり、これは血管性疾患のみならず、最近とみに増えてきた大腸がんや膵臓がんの原因にもなりますし、いわゆるメタボ疾患を引き起こしやすくなりますから、食生活の見直しをすべきということになりましょう。
 このことは通常は男性について言えることでして、更年期過ぎの女性の場合には、美食・飽食せずに粗食で腹八分としていても、けっこう高い総コレステロール値(例えば280)を示すことは、まれではありません。
 ですから、けっこう健康相談を受けることになるのですが、本稿では、こうした更年期過ぎの女性に絞って、以下、述べることとします。

 まずは、「コレステロールは生命維持活動になくてはならないもので、体中の細胞に補給するために肝臓から血液中に十分な量を絶えず放出し続けなければならない」ものであることを説明しましょう。

 ヒトの体の中で一番多くコレステロールが使われているのは、脳細胞や神経細胞の信号伝達が正常に行われるよう、神経線維の絶縁性を保持するためのものです。ですから、脳味噌はコレステロールの塊と思っていただいていいです。
 
そして、体中の細胞の細胞膜はコレステロールを元にして作られています。お肌の細胞もそうですから、若々しい肌を保つにはコレステロールは必須のものになります。
 次いで重要なのが、生命維持活動に不可欠な様々なものがコレステロールを原材料として体内合成されるということです。ビタミンDがそうですし、各種ホルモンの多くがそうで、女性ホルモンなどもコレステロールを元にして合成されます。
 これらコレステロールを元にして作られたものは、どれも少しずつ消耗していきますから、血液を通して体中に絶えずコレステロールを供給せねばならないのです。
 もう一つ、コレステロールの大きな使い道があります。肝臓で胆汁酸に作り替えられ、脂肪を分解するために十二指腸へ分泌されます。脂肪は水に溶けませんから摂取した脂肪は大きな塊となっており、これを非常に細かい粒にする(乳化)ために胆汁酸が働きます。これによって、膵臓から分泌される消化酵素が働きやすくなるのです。そして、胆汁酸は、消化された栄養素と一緒に小腸の後ろ半分ぐらいの所から順次吸収され、門脈を通って肝臓に戻されます。ですから、胆汁酸は繰り返し利用されますが、若干量は大腸へ行ってしまい、腸内細菌によって分解されたり、排泄されてしまいます。

 コレステロールは動物性食品から摂取可能で、特に鶏卵の黄身に大変多く含まれています。大雑把にいうと、1日当たり食品から400mg摂取し、半分が吸収されて200mgが肝臓に入ります。それ以外に肝臓で脂肪や炭水化物を原材料にして800mgのコレステロールが合成されます。1日に合計1000mg(実際はもう少し少ない)のコレステロールが必要で、これが体中であれこれ使われるのです。なお、最大の使い道が胆汁酸の製造で、400mgといったところです。つまり、2割は食品から、8割は体内合成され、コレステロールの最大の使い道が胆汁酸の4割となるのです。
 ところで、ある日、ご飯を少なくし、いつもより鶏卵(コレステロール約200mg含有)を2個余分に食べて、2倍の800mgのコレステロールを摂取したとなると、半分の400mgが吸収されますから、あと600mgを体内合成すれば、1日の必要量が事足ることになり、その分、肝臓での合成が落ちます。逆に、動物性食品を全く摂らない日には、コレステロールの吸収量は、ほとんどゼロですから、肝臓で1日に1000mg合成せねばなりません。肝臓での合成量は、このような形で調節されます。

 つい最近まで「卵をたくさん食べるとコレステロール値が上がる」と言われ続けていたのですが、これは幾つかの臨床実験でも証明されていますが、完全な間違いでして、ヒトの体には、今述べた調節機能がちゃんとうまく働いているのです。
 どうして、こんな間違ったことが言われ続けてきたかといいますと、1913年にロシアのアニスコフらが発表したウサギを使った実験で、ウサギにコレステロールを摂取させたところ動脈硬化を起こし、これでもって「コレステロールの多い食品を摂取すると、コレステロール値が上がり、動脈硬化の原因になる」という学説が定着してしまったからです。
 しかし、 この実験はあまりにも乱暴すぎます。草食動物であるウサギの餌となる植物にはコレステロールはほとんど含まれておらず、そのため、ウサギは体内でのコレステロール産生調節機能を持っていないからです。一方、肉食・雑食動物は食べ物から摂るコレステロール量に応じて肝臓で合成するコレステロール量を増減し、血液中のコレステロール濃度を一定に保つ仕組みがあることがその後(随分前のことですが)判明しましたから、先ほどヒトの例で説明したように、ウサギとは違って、コレステロール摂取量と血液中のコレステロール値は無関係となるのです。

 大雑把な説明となりましたので、少々補足します。脂っぽいものをほとんど摂取しない人は脂肪を乳化するための胆汁酸が大して必要でないですから、その分、コレステロールの体内合成量が少なくてすみます。逆に、毎日脂っこい中華料理ばかり食べている人は、胆汁酸を多く分泌する必要がありますので、その分、コレステロールの体内合成量が増えるのです。こうしたコントロールの下、恒常的に一定量必要な脳・神経細胞、細胞膜、ホルモン合成などのための血液中へのコレステロールの供給は安定して行われることになるのです。

 次に、コレステロールは水に溶けませんからリポたんぱく(運び屋の役割)というものがくっついて血液中を運搬されます。肝臓に回収されるときも同様です。どちらもコレステロールは同じものですが、運び屋のリポたんぱくに違いがあります。往路はLDLが、復路はHDLが運び屋となります。通称、前者を悪玉、後者を善玉と呼んでいますが、何ともおかしな命名法です。善玉・悪玉という言葉をあえて使うのであれば、往路のLDLは体に必要なものを運んでくれるのですから、これを善玉と呼び、不要な廃品回収ともいえる復路を悪玉と呼んだほうがいいのではないでしょうかねえ。
 いずれにしても、体中が欲しがるコレステロールですから、肝臓は十二分な量のコレステロールを血液中に放出します。そして、体中の細胞が十分なコレステロールを取り込み、必要量を超える不要なコレステロールを運び屋HDLに渡して肝臓に戻すのです。
 どの程度の量が十二分な量なのか、これはその人その人の体質によって異なり、肝臓がコレステロールを豪勢に放出する人もあれば、けちくさく放出する人もいることでしょう。その違いが、血液検査数値の大小になって現れるということになるのです。

 さて、ここからが本題ですが、更年期を迎え、あるいは更年期がすぎると、女性はLDLコレステロール値も総コレステロール値も30歳代の時に比べて40ぐらい高くなります。
 どうしてそうなるかは不明なようですが、小生は次のように想像しています。
 動物の生殖可能年齢はまちまちですが、体力的な衰えが生ずると、メスは高齢出産を機に死んでいくものです。それがヒトの場合、動物界唯一の例外(クジラもそうらしい)と言えましょうが、女性は体力的な衰えが生じ、生殖可能年齢を過ぎると、それに伴って女性ホルモンなど妊娠に必要な各種ホルモンの分泌が急減して妊娠することはなくなり、その先も長く生き続けます。
 メスは生きている限り、体力的な衰えが生じても繰り返し妊娠し、子を産もうとする、その動物本来の性(さが)が、ヒトの女性にもまだ残っており、「子を産みたい。妊娠に必要な各種ホルモンを何とかして今までどおり製造したい。そのためには原材料となるコレステロールを多く供給してもらわねば。」と、卵巣がもがくのではないでしょうか。このもがきによって、血液中のコレステロール値が急上昇するというものでしょう。

 これは小生の単なる想像に過ぎませんが、これ以外に説明のしようがないと思うのですが、いかがなものでしょうか。
 それはさておき、女性は更年期ともなれば、コレステロール値が急上昇するのが正常であって、その昔は何の問題にもされなかったのです。ですから、もしコレステロール値が上がらなかったとなると、それこそ肝臓かどこかに異常があるのではないかと心配せねばなりません。

 以上のことからして、コレステロール値の血液検査での現行の基準、これが間違っているのであって、基準を改正する必要があるのです。いや「そもそも血液検査でコレステロール値を測る必要がどこにあるのか、これは無駄な測定だ。」と言ったほうがいいです。現に、日本脂質栄養学会では、そのように考えておられ、その旨をコレステロール基準値作成の大本である日本動脈硬化学会への公開質問状でもって意見を発しておられます。それに対して、いまだ日本動脈硬化学会は何の回答もしていません。
 どちらの学会をあなたは支持されるのか。
 何事もそうですが、これからの時代、政府など権威者の言うことを信ずるという日本人的悪習から脱却し、権威者の言うことはいったん全否定し、自分自分で個々に判断するという欧米的考え方で対処していかねば、今日のグローバル社会では生きていけないのではないでしょうか。政府など権威ある機関は既にグローバル社会に適応し切っており、自分たちに都合が良いことをさも正しいものとして広報するようになっているのですからね。

 ところで、困った相談が今までに2件ありました。会社の定期健診でコレステロール値が基準を超えたがために、就労が困難になったというものです。お2人とも定年後の再雇用で、1年更新の雇用契約です。会社の人事部から「コレステロール値が高くても就労に支障がない」という医師の証明書をもらってこなければ再雇用契約はできない、と告げられたというものです。
 1名の方は、かかりつけの医師以外に別の医院を知っておられましたから、そこへ行ってお願いされてみては、ということにしましたが、はたして証明書を書いてもらえたのか。老先生で、もう商売根性がないお医者さんの場合はそれが可能となりましょうが、通常の開業医となると、たいていは借金
の返済に迫られており、“いいカモが来た”とばかり、“必ず薬を飲みなさい”となってはしまわないか。相談されたその方、以前にコレステロールの薬でひどい副作用が出て、薬を飲むのは怖いと言っておられましたから、さてどうなったか気になります。
 もう1名の方は、少々肥満体で過食気味とのことでしたので、再検査の前2、3日間は、塩気(体のだるさを防ぐ)が効いた温野菜ジュース(冷たいジュースは胃腸を冷やし、トラブルが生じやすい)で断食してみてください、とアドバイスしました。これで、どれだけの効果が出るのか、あまり自信がありませんが、市販の健康食品などでは効果がほとんど期待できないのが現実ですから、コレステロールの原材料となる脂肪や炭水化物を断つしか方法はないでしょう。その結果がどうなったのか、報告を受けていませんが、そのときは無事に再雇用契約がかなうよう、ひたすら祈るしかありませんでした。
 こうした無茶な会社側の要求は高血圧でも相談を受けたことがあるのですが、メタボ検診が始まって以降、だんだん政府の締め付けが強まり、企業検診で数多くの基準値オーバーの従業員を抱えている企業は、それを減らさないことにはぺナルティー(補助金カットなど)が課されますから、一番簡単なのは高齢者(基準値オーバーが多い)の首を切ればいいのです。その犠牲が、「医師の証明書」という要求でもって依願退職へ追いやられる、といったことになるのでしょう。高齢者でも働かねば食っていけない方が数多くいらっしゃいますから、実に困った問題です。

 最後に、コレステロール値に関して相反する見解を持つ2つの学会の考え方を下段に参照として掲げておきましたので、ご覧になってみてください。
 なお、その日本動脈硬化学会のガイドブックのなかで、疑問が3点ありますので、以下に付記しておきます。
家族性高コレステロール血症「ヘテロ接合体」の割合
 「人の約100人に一人は遺伝的に脂質異常症を起こすと考えられています。」という記述があり、別の所で「日本人の500人に1人は家族性高コレステロール血症の遺伝子異常を受け継ぐ」という記述がある。100人、500人、どっち?
②コレステロールを多く含む食品を避けるべしという考え方は、厚労省も既に引っ込めたのですが、次の記述がある。
 「コレステロールと飽和脂肪酸を多く含む肉の脂身、内臓、皮、乳製品、卵黄…を摂りすぎないようにしましょう。」
③コレステロールの薬の投与について
 「薬が出る場合 食事・運動療法に取組んでから3カ月から6カ月たっても脂肪異常症が改善されないと、医師が薬を出すことがあります」とあり、これはこれでよいとしても、現実としては、開業医のなかには「検査数値異常、即投薬」というやり方をする所がかなり多いのではないでしょうか。要開業医指導、これを熱望します。

 

参照1:2014.8.25 日本脂質栄養学会主要メンバーから日本動脈硬化学会への「コレステロール低下医療に関する緊急提言
( ↑ これを開くには、クリックしたのち、「ファイルを開く」「許可する」を順次クリック。ただし、難解で、かつ長文ですから、その要旨は下記の関連記事で書きましたので、よろしかったらそちらをご覧ください。)
参照2:日本動脈硬化学会 一般の方々向け 動脈硬化の病気を防ぐガイドブック

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