抗がん剤と「MMS(二酸化塩素)」、どっちもどっち?とは言えないようです。
このように表題を訂正し、再追記することとします。
2015年3月20日に『抗がん剤と「MMS(二酸化塩素)」、どっちもどっち』と題して記事を投稿しました。その後、2016年3月6日に賛否両論を若干追記しました。
そして、2016年10月から11月にかけて、コメントやメッセージで治療法がない難病に非常に効果があったという体験例を複数の方からいただきました。
そこで、これまでのご意見そしてMMSに関するサイトや実体験ブログを今一度拝見して、“副作用の出方は抗がん剤とMMSとでは、その大小に違いがあるのではなかろうか。そして体細胞内細菌感染にはMMSが威力を発揮するのではなかろうか。”との思いも出てきましたので、本稿に再追記することとし、それを今までの記事の冒頭に貼り付けました。本件については、まだまだ手探り状態ですので、間違いの指摘、足らず前の補足など、ご意見をいただけると幸いです。
(2016年11月16日再追記)
一番問題となるのは、副作用についてです。
抗がん剤の場合はほとんどの方に大きな自覚症状が現れるのが常のようでして、抗がん剤を使っている期間ずっと続いたり、遅れて出てくるものもあるようです。これは、抗がん剤は細胞分裂の活発な細胞によく働きかけるように作られており、抗がん剤は正常細胞に比べて細胞分裂を活発に繰り返しているがん細胞を攻撃するも、併せて細胞分裂を活発に繰り返している諸器官の正常細胞に対しても攻撃してしまい、それによって副作用が出てしまうのです。もっとも抗がん剤の強弱、使用量の大小で、副作用の出現に差が出ますし、個人差も大きいようです。
一方、MMSの場合は二酸化塩素というフリーラジカルの1種が強い酸化力をもつことから、環境中のウイルス除去、除菌、抗カビ効果が知られており、これが体内に一定濃度以上投与されれば体細胞も細菌と生体反応の基本は同じですから、何がしかのダメージを受け、副作用として自覚症状が生ずることにもなりましょう。これも個人差が大きいと思われます。ただし、これは先に本稿で紹介しましたが、「ヒトの体内では白血球(主として好中球)が塩素系フリーラジカルを放出し、病原菌などを殺傷するために使用しています」から、ヒト細胞は塩素系フリーラジカルに時としてさらされるという環境にあり、一定程度までの二酸化塩素には十分に絶え得るとも考えられます。
こうしたことから、MMS使用時の副作用は、抗がん剤投与時の副作用より小さいもので済むと考えられる面があります。
ところで、MMSの使用説明について気になったのは、ネット検索を重ねる中で、MMSの服用による副作用、そして改善しなかったり悪化するケースについての説明が不十分ではないかと思わせられたことです。
今回、ざっと検索してみたところ、前回と同様でしたが、MMSの飲用により「用量を増やしていくに従って“嘔吐、吐き気、下痢”を伴うことがある」旨、書かれているのをどれだけか見つけました。そして、これは「好転反応[=瞑眩(めんげん)現象]であって、この現象は一過性のもので、改善されるときに起こる一種の拒否反応」である旨の説明を下記サイトで見ました。これは漢方の世界でもときどき登場するものですが、本稿をアップするときも確かこれを見た記憶があります。
https://jhumblemms.sharepoint.com/Pages/mmsintroduction.aspx
そして、販売や推奨サイトでは「使用は自己責任でお願いします」と書かれているのですが、この一言だけでは無責任すぎやしないか、小生にはそう思われます。
漢方の世界では、好転反応[=瞑眩現象]について次のように言っています。
一部の漢方薬においては、病状が改善されるときに起こる一部の細胞の拒否反応であったり、あるいは代謝によって変質細胞が正常細胞に修復されて有害物質が体外に排泄されるときに起こる反応現象が起因して、体調が一時的に悪くなることがあります。
これを「瞑眩(めんげん)現象」といいます。瞑眩の期間は様々ですが、1週間程度で現れ、2週間から1か月で治まることが多いようです。アトピーなど長く患っている皮膚疾患などは期間が長くなることが多く、何回か繰り返すこともあります。また、不規則な生活で滞りが強い方は強く出る傾向があるです。瞑眩を乗り越えるためには、食生活、睡眠などを見直して適正化することも大切です。ただし、今出ているのは瞑眩なのか、副作用なのか、症状だけで判断するのはなかなか難しいものです。症状が現れたら、漢方薬局とよく相談し、そのアドバイスに従ってください。
(引用ここまで)
これと同様なことがMMSを飲用した場合にも多く生ずるようです。症状が強く出た場合には、飲用量を一時的に減ずるなどの具体的な処置法はリンクしたサイトに詳しいですから、その詳細を知って、くれぐれも慎重に対処していただきたいです。
もう1点は、「体細胞内細菌感染にはMMSが威力を発揮するのではなかろうか」というものです。
現代医学では、恒常的な体細胞内細菌感染を軽視し、なかでも腸内細菌の体細胞内感染はないものとして無視しています。
これが高度成長期以降に次々として出てきた難病に何ら有効な手当ができず、いたずらに症状を悪化させるだけの治療しかできていないと考えられます。
このことについては、このブログの過去記事「リーキーガット症候群を克服しよう」において次のように書きました。
子供や大人にしろ赤ちゃんにしろ、本来は体内に入れてはならない未消化物や雑菌が腸壁からすり抜けて体内に侵入するのが恒常化すれば、どうなるでしょう。
当然に大変なことになります。様々な疾病を引き起こすことになりましょう。
まずは、これはよく知られたことですが、未消化のたんぱく質が食物アレルギーの原因となり、また、アトピー性皮膚炎を起こしたりします。これはアレルギー反応が皮膚へ出た症状ですが、皮膚以外にも体中で様々な炎症を引き起こすことになります。…
なお、過敏性腸症候群(脳が不安や精神的ストレスを受けると、自律神経を介して腸の運動異常を引き起こし、便秘や下痢を繰り返す)を併発することも多くなります。
次に、腸壁から体内に雑菌が侵入したらどうなるでしょう。
まずは病原菌ですが、これは免疫機構でもっていち早く発見して殲滅しようとしますから、発熱などを引き起こし、ある程度の免疫力があれば撲滅できます。…単なる雑菌であれば、侵入する数はさほど多くはなく、掃除役の白血球が少しずつ食べてくれて大事に至らないことが多いでしょうが、油断ならないのは莫大な数が生息している腸内細菌です。腸内細菌がなだれをうって体内侵入したらどうなるでしょう。
これに関しては全くと言っていいほど関心が寄せられていないのですが、西原克成氏は、医学界みな、これを見落としていると言っておられます。
(注:2014年6月、順天堂大学の研究グループが、“腸内細菌が血液中に移行することを初めて発見した”と発表し、糖尿病との関わりだけを論文にしていますが、既にその10年前、西原氏は著「究極の免疫力」の中で様々な疾患との関わりを述べておられます。)
(転載ここまで)
このように、リーキーガット症候群においても、雑菌を含む腸内細菌の体内侵入による細胞内感染が大きな問題になると小生はにらんでいます。
ここで、西原克成氏のサイト「西原研究所」の免疫病治療のページに書かれている冒頭の言葉を紹介しましょう。
風邪、ぜんそくにアトピー性皮膚炎、花粉症、歯周病。最近では誰もが耳にする病名です。こうした疾患は、総括して免疫病と呼ばれています。この免疫病すべてにあてはまることは、身体の器官や組織を構成する細胞群への腸内細菌やウイルスの細胞内感染症ということ。そして、こうした疾患は、その場しのぎの治療や薬では完治しないのです。
(引用ここまで)
このことについては、例示された疾患のみならず、高度成長期以降に新たに生じてきた各種難病についても言えることを西原氏は述べておられます。
そして、そうした疾患について、西原博士のブログ(2016.11.04)に、とある講演録の全文が投稿されており、その一部を紹介しましょう。
口・喉・鼻腔・胃腸には数え切れないほどにおびただしい数の微生物が生きて住み着いています。これらは、口呼吸を続けたり、腸が冷えたり、手や足、頭を冷やしたりすれば、腸扁桃(パイエル板)から未分化間葉細胞内に自動的に吸収されて顆粒球となり、体中を巡ってこれらをいたるところの細胞内に播種します。細胞内感染症ともなれば、糸粒体の栄養分が横取りされて細胞の働きが駄目になります。これが難治性疾患の本態です。
元々ヒトの身体の血液内には全く無害の微生物が少しは共存しています。余り多量になると障害がでるのです。
(引用ここまで)
このように、ヒトの体というものは、病原菌や雑菌のみならず腸内細菌の巣窟と化していることが往々にしてあり、これが近年顕著なものとなり、それでもって様々な疾患を抱えるようになった高度成長期以降の日本人なのです。
その最大の要因は、冷蔵庫文化が隅々まで行き渡ったことにより、異常に冷えた飲食物を口にするようになったことにあるに相違ないです。
これに、恒常的な口呼吸が加わると、これは日本人に多いのですが、よりいっそう細胞内細菌感染が進むのです。
こうしたことからすると、MMSは雑菌や腸内細菌などの細胞内感染症に効果を発揮し、適正な飲用量であれば感染菌を殺し、それが排出されるときに瞑眩現象が起きる、というのが理解できます。
ただし、腸内に存在する腸内細菌には影響を与えないとするMMSの説明文が存在するのですが、これは矛盾する面があるのではないでしょうか。もっとも、腸内の水分は体内へ吸収され、MMS飲用後に水分補給を十分にすれば、腸内のMMS濃度は薄まり、影響を与えないということも考えられましょうが、残念ながら、そうした説明を目にすることはできませんでした。
以上のことから、現代医学では治療法がない難病に対しては、「毒をもって毒を制す」ことになる「MMS」でもって「荒療治」するのも一法となりましょう。
ただし、好転反応(瞑眩現象)なのか、単なる副作用なのか、症状だけで判断するのはなかなか難しいものですから、慎重の上にも慎重に対処する必要がありましょう。
なお、細胞内感染症に対する安全な治療法としては、先に紹介した西原克成氏のサイト「西原研究所」の免疫病治療のページに「ミトコンドリアを元気にさせる生活習慣7カ条」が紹介されています。こちらは安全な対処法ではあるものの、かなり根気がいり、完治に長期間を要するものとなりますが、併せて取り入れられることをお勧めしたいです。
なお、難病治療法には、MMSやここで紹介した西原氏の免役病治療の他にも、幾つかあります。以下に、実績をあげられておられる、お2方を紹介しておきます。
①西式健康法の断食療法
1週間か10日あるいはそれ以上の期間にわたって行う「長期断食」(期間をおいて複数回)です。腸壁を健全にするとともに体細胞のクリーンアップにもけっこう効果的なようです。ただし、ちゃんとした指導者がおられる断食道場に宿泊しての実施となります。自宅で勝手に長期断食すると、大きな危険を伴うことがありますので、ご注意ください。
小生は自宅での短期断食の経験が幾度かあり、それを積み重ねても、まだ3日断食が最長でして、1週間や10日間の長期断食は単独ではまだまだできない状態です。
参考までに、西式健康法の断食療法を受け継いでおられる、断食療法の第一人者、故・甲田光雄氏の著書を2つ紹介しておきましょう。
「断食療法50年で見えてきたもの」(2003年 春秋社)
「第三版 断食療法の科学」(1976年 春秋社)
②松本理論(松本医院院長 医学博士 松本仁幸氏)
膠原病をはじめ難病を独自の理論でもって漢方治療され、多くの実績をあげておられます。大阪府高槻市で開院されており、通院の必要があります。
例えば、リウマチについては、「リウマチ完治の理論と証拠」の論文の冒頭に次のように書かれています。
膠原病やアレルギーは決して怖れるものではありません。この理論は全ての膠原病やアレルギーに通ずるものです。免疫反応を抑制せずに、痛みだけを楽にすれば、リウマチは抗体のクラススイッチ(*1)と免疫寛容(*2)によって完治する。漢方と鍼灸と漢方浴剤で、松本理論に従って、リウマチは必ず治してあげます。
(引用ここまで)
(*1)膠原病とアレルギーは抗体の種類に違いがあり、前者はIgG抗体という武器を用い、後者はIgE抗体という武器を用いています。IgG抗体はIgE抗体に変えることができ、この変換を抗体のクラススイッチといいます。
(*2)「免疫寛容」とは、正確には「自然後天的免疫寛容」のことで、例えば、蚊の多い地域に住んでいる民族は幼少の頃から長期間蚊に刺され続けているため、皆が蚊に刺されても腫れなくなるというものです。これは日本人にも当てはまり、蚊がいる環境で長年働いていて歳を食うと蚊に刺されても腫れなくなる人がけっこういます。
以上、今回の追記文がたいへん長くなり、それを本稿の冒頭に貼り付けましたので、読みにくくなりましょうが、ご容赦ください。
以下が再追記前の2015年3月20日付け『抗がん剤と「MMS(二酸化塩素)」、どっちもどっち』の全文です。
抗がん剤と「MMS(二酸化塩素)」、どっちもどっち
まずは抗がん剤について、おさらいしておきましょう。
今日、幾多の抗がん剤が使われていますが、その抗がん剤が「効く」として採用、承認される基準がどうなっているかといいますと、それは「レントゲン写真など画像の上で、がんの大きさ(面積)が半分以下になっている期間が4週間以上続くこと。そして、抗がん剤を使った患者の2割以上がそういう状態を呈すること」というのが条件です。
ということは、「効かない」という面に着目すると、8割もの患者は、出来ているがんに対して全くあるいは不十分にしか反応しないことが十分に有り得るということになります。
このような代物が薬として認可されるなど、他では考えられないことです。
それにもかかわらず、医療現場では、がんの除去手術後に、目に見えない小さながんがあちこち転移しているかもしれないからと、予防の意味を込めて暫くの間は抗がん剤を投与するのがセオリーになっています。抗がん剤でがんを消滅させることはほとんど不可能なのに、誰もが副作用だけはたんまり味わされます。
こうしたなかで、滅多に抗がん剤を使わない医師も何人かいらっしゃいます。そのお一人が新谷弘実氏で、その著「病気にならない生き方」の中でご自身の考えを述べておられますので、それを紹介しましょう。なお、新谷氏は内視鏡外科の先駆者であり、たぶん世界一の臨床例(著書発刊時で日本人・米国人合計30万例)をお持ちでして、胃がん、大腸がんなどの施術の超ベテランの方です。
…私は、抗がん剤は猛毒以外の何ものでもないと思っているので、よほどのことがないかぎり使用しません。たとえば、大腸の外側のリンパ腺にがんが見つかったような場合でも、私は抗がん剤は使いません。私の治療法は、まずがんに侵された部分を切除し、目に見えるがんが一応取り除けたら、あとはその患者さんががんになった原因と思われるものを排除していきます。まずたばこやアルコールの習慣を断つことはもちろん、肉類、牛乳、乳製品も4、5年は完全にやめてもらいます。そして動物食を少量に抑えた新谷食事健康法を実践していただくとともに、毎日の生活に幸福感をもっていただけるよう精神面でのフォローもしていきます。こうしてがんが再発しないように体の免疫力を高めていくのが、私の治療法です。…
抗がん剤がなぜ「猛毒」なのかというと、体内に入ったとき大量の「フリーラジカル/活性酸素」を出すからです。抗がん剤は毒性の強い活性酸素を大量に作り出すことで、全身のがん細胞を殺しているのです。しかし活性酸素は、がん細胞だけを殺すわけではありません。そのため正常な細胞も、抗がん剤によってたくさん死ぬことになります。「毒をもって毒を制す」という言葉がありますが、抗がん剤を使用する医師の発想はまさにそれといえるでしょう。抗がん剤は同時に発がん物質にもなりうるのです。
しかしどんなときでも、人間の体というのは恒常性を保とうと働きます。そのため毒性の強いフリーラジカルをが体内で大量に発生すると、体中のミラクル・エンザイム(“原”酵素とでもいうべきもの=その存在は新谷氏の仮説)がそれを解毒するためのエンザイム(酵素)に姿を変えます。体は全力を尽くしてもっとも被害の大きい活性酸素の中和に取り組むのです。
現実には抗がん剤治療でがんを克服した人もいます。しかしそうした人の多くは、年齢的に若く、多くのミラクル・エンザイムを保持していたと考えられる人です。ミラクル・エンザイムは年齢を重ねれば重ねるほど量が減っていきます。もちろん個人差はありますが、年齢が若いほうが抗がん剤治療が成功する確率が高いのは、抗がん剤によってミラクル・エンザイムを消耗しても、まだダメージから回復するのに必要なだけのミラクル・エンザイムをもっているからだと考えられるのです。
抗がん剤の副作用としては、食欲不振や吐き気、脱毛などが有名ですが、それらの症状はすべて、大量のミラクル・エンザイムが解毒に使われた結果、各所でエンザイムが不足して起きる症状だと考えられます。それほど抗がん剤の解毒に消費されるミラクル・エンザイムの量は莫大なのです。
消化エンザイムが不足すると食欲はなくなります。同時に代謝エンザイムも不足するので、細胞の新陳代謝が滞り、胃や腸の粘膜がぼろぼろになり吐き気を誘発します。皮膚がぼろぼろになり、爪が割れ、髪の毛が抜けるのも代謝エンザイムが欠乏したことが原因です。レベルの差はありますが、薬が体内に入ると、これと同じことが起きるのです。
(引用ここまで)
いかがでしょうか。ここで注目していただきたいのが、フリーラジカルの恐ろしさです。活性酸素がその一つで、これを中和する酵素がないと連鎖反応的に際限なく体内物質を破壊し続けるのです。フリーラジカルを分かりやすく言えば、可燃物が燃えることと同じ性質のもので、その着火剤がフリーラジカルと言えましょう。抗がん剤はこのように実に恐ろしい治療薬でして、正に毒をもって毒を制す、ということになります。
ただし、体内では白血球(主として好中球)がフリーラジカル(主として活性酸素、他に過酸化水素、次亜塩素酸など)を放出し、病原菌などを捕捉し殺傷するために使用していますから、生命体にとっては不可欠なものであり、フリーラジカルは「両刃の剣」とも言えます。ここで注目しておいていただきたいのは、白血球(主として好中球)が病原菌に対して放出するのは活性酸素だけではなく、「次亜塩素酸」も使われているということです。
さて、抗がん剤と同等の性質をもつ「MMS」やそれに類似するものがネット上でちょくちょく見られるようになりました。小生のところへも「MMS」類似品の副作用についてご相談がありましたので、以下に私見を述べさせていただきます。
「MMS」とは、「The Miracle Mineral Solution of 21st Century(21世紀の奇跡のミネラル溶液)」の略字のようですが、「Master Mineral Solution」と表記されたり、「ミラクル・ミネラル・サプリメント」と日本語表記されたりしています。
これを開発されたのは、米国のジム・ハンブル氏だそうで、南米のジャングルに持って行ったある溶液をマラリアにかかった現地隊員に飲ませたところ、数時間以内に症状がおさまり、翌日には元気になったことをきっかけに、アフリカのマラリア感染者を対象にした臨床実験と研究を行うなかで、最も効果的なものとして「MMS」を開発され、かなりの実績を挙げられているようです。その後、マラリア以外に、エイズや難病さらにはがんやその他の疾病への応用にも着手され、米国国内でも様々な疾病に対してこれを利用する人が現れ、日本国内でも販売されたりして利用者がどれだけかありそうです。
この「MMS」なるものはどんな化学薬品かといいますと、単なる亜塩素酸ナトリウム(NaClO2 )の28%水溶液で、これに50%クエン酸溶液を混ぜると、二酸化塩素が発生し、その二酸化塩素の殺菌作用でもって、生体内に入り込んでいる細菌、バクテリア、ウイルスなどを死滅させるというものです。それ以外にも有害化学物質の解毒に効果があるとうたわれています。
これは、要するに「遊離塩素」による殺菌効果を狙ったもので、二酸化塩素は浄水場において従前から大掛かりな水道水の殺菌にけっこう使われています。先ほど申しました白血球(主として好中球)が病原菌に対して放出する次亜塩素酸も同類のものです。
従って、「MMS」の主体となる亜塩素酸ナトリウム(NaClO2 )でなくても、次亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO)2 :さらし粉=プールの消毒液)、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO :水道水の殺菌剤)であっても、同様な効果が出るものと考えられます。案の定、「MMS2」というものが販売されており、これは次亜塩素酸カルシウムです。なお、遊離塩素は活性酸素と同質のフリ-ラジカルですから、標的としての微生物に止まらず、抗がん剤と同様に際限なく正常な体内細胞も破壊し続ける性質のものです。
少々難しい説明になりましたが、水道水に含まれている残留塩素の殺菌力のことは、おおかたの方が知っておられましょう。遊離塩素も残留塩素も同じと考えてよく、その高濃度の溶液を飲むことによって、それが体内で薄められ、体液が水道水と同様な状態になって、体内で殺菌効果などを発揮するというものです。
抗がん剤は活性酸素というフリーラジカル、「MMS」は遊離塩素というフリーラジカルの強烈な化学反応力(ともに酸化作用)によって、抗がん剤にあってはがん細胞を、「MMS」にあっては細菌などを、特異的(選択的)にたたく、ということになればいいのですが、どっこい、そうは思うように参らず、正常な細胞や腸内細菌まで無差別的に殺してしまうことになりましょう。
フリーラジカルの特性からして、どちらも標的を特異的にたたくことは不可能で、「毒をもって毒を制す」という性質のものとなるのは自明のことです。
ここで、二酸化塩素の働きについて、日本二酸化塩素工業会HPからの抜粋し、少し補足しておきます。
二酸化塩素はラジカルの1種であり、強い酸化力をもつことから、ウイルス除去、除菌、消臭、抗カビ等のはたらきを有することが知られています。これらの力を利用してプールや浄水処理等の現場における消毒剤や低濃度での空間除菌剤として使われています。通常の利用に加え、2001年に米国で発生した炭疽菌の芽胞が送りつけられるバイオテロの際には建物の除染に用いられた実績があるなど、その能力は非常時にも高く評価されています。
二酸化塩素は、酸化作用により、標的とするウイルス・細菌のタンパク質を変化させます。具体的な反応のターゲットは、タンパク質を構成するアミノ酸残基のトリプトファンとチロシンです。この作用によって、ウイルス、細菌の構造が変わり機能が低下すると考えられています。ウイルス、細菌の他、カビにも直接はたらき、その構造を変化させて除菌することができます。
(抜粋ここまで:<注>ラジカルとフリーラジカルとは同じ意味と考えていいです。)
ところで、「MMS」の商品説明によりますと、「二酸化塩素の働きには選択性があって、酸化する対象物を選択し、健康な細胞や善玉菌には被害を与えない」となっています。
その根拠の一つとして、「善玉菌は好気性であり、病原菌は嫌気性であり、二酸化塩素は嫌気性生物を選択的に破壊する」とあります。しかし、微生物学の分類上では、善玉菌も様々な種類があって、どちらかというと嫌気性のものが多く、病原菌も概ね同様な傾向にあって、中には好気性のものもありますから、好気性・嫌気性の説明に間違いがあります。また、二酸化塩素が酸化反応を起こす対象物は、ごく普通に存在するアミノ酸であるトリプトファンとチロシンのようですから、これは人の体内細胞、善玉菌、病原菌、ウイルスなどあらゆる生物に普遍的に存在していると思われ、ターゲットを選択するのはとうてい不可能と考えられます。
いずれにしましても、このように「毒をもって毒を制す」ことになる抗がん剤と「MMS」(類似品を含む)は、勧められたものではありません。
なお、「MMS」(類似品を含む)は、殺菌剤であるがゆえに医薬品としては認可されない性質のもので、現に2010年7月30日付でアメリカ食品医薬品局(FDA)から「MMSの飲用は脱水症状を起こして命に関わる」と警告されたとのことです。つまり、「毒だから飲むな」というものです。
しかしながら、「MMS」はマラリアにはけっこう効くようですし、先般騒がれたエボラ出血熱の対応に当たっては、ある種の抗がん剤が効くのではないかと言われましたが、その効く仕組みはフリーラジカルの働きでしょうから、エボラ・ウイルスには「MMS」であっても充分に対処可能ではないのでしょうかね。もっとも、かなりの副作用を覚悟せねばならないでしょうが。
そして、抗がん剤も「MMS」と同質のものですから、「MMS」と同様に抗がん剤も「毒だから飲むな、命に関わる」と警告を発していただきたいものです。また、どちらも野戦病院の医学に端を発する代物ですから、これは質実剛健な若者に対する「荒療治」であって、虚弱体質の方や中高年の方には決して適したものではないことをご承知置き願いたいです。
(2016.3.6追記)
この記事に対して、「MMS」は正常細胞にはダメージを与えないという理論的な説明(根拠:酸化電位)を半年以上前に、ある研究者からメールでいただきました。
しかし、現実にはどうか、臨床的にはどうか、となると、副作用なしに済むとはとても思えないのは、この記事で書いたとおりです。
また、「MMS」が様々な病気に効くというのであれば、かつて塩素臭がぷんぷんしていた大阪の水道水を飲んでいた人たちは様々な病気が治り、真水を飲んでる人たちや脱塩素装置を使っている人たちよりも病気の罹患率が少なくなっていなければなりませんが、とても、そんなことは考えられません。
なお、小生の元に、メールや電話で2件、「MMS」の副作用で相談を受けました。
その概要は次のとおりです。
①アトピーの子供さんに飲ましたケース
Q 親がまず実験台になって「MMS」を飲んでみて、何ら障害が出なかったので、アトピーの子供に飲ませた。すると、アトピー症状がひどくなり、飲ませるのを止めるも、悪化した症状の回復が思わしくない。「MMS」が体の中に残留していて、ずっと副作用に悩まされるのではないか、心配だ。
A 体内で作られる抗酸化剤でもって既に「MMS」は消滅しており、残留は全くないから安心してよい。アトピー症状の悪化により、いったんただれた皮膚の炎症は、どんな場合にあっても気長に養生するしか対処法がない。
②胃がんの消滅を目指した例
Q 胃がんの手術を医師からすすめられたが断り、別の対処法で手術せずに済む状態になったが、胃がんの消滅を目差し、「MMS」を飲み続けた。その結果、体重が20kg減り、貧血にもなり、大変なことになった。肝臓へもがんが転移してしまった。救急車で運ばれたのを契機に「MMS」を止め、体調が回復してきたが、今後が心配だ。
A 体内で作られる抗酸化剤でもって既に「MMS」は消滅しており、残留は全くないから安心してよい。肝臓のみならず他の臓器もがんになっている恐れもあるが、がんは単なる塊であって体に悪さをするものではなく、抱えたままの状態であって差し支えない。生き方を変え、明るく前向きな毎日を過ごせば、がんはおとなしくしてくれている。場合によっては塊が消滅することもある。がんは恐れるにあらず。