☆松本人志監督の第2作目だ。
前作『大日本人』(クリック!)では、その方向性に大きな意欲が見られたが、次第に、その物語性が空中分解していってしまった。
今回は、さて、どうか?
◇
そもそも、松本のギャグは、日本人の感覚に根ざしたシュールさであったと思う。
ある意味、その本質は「内輪受け」で、その感覚を(日本)全国的に行き渡らせたことが松本人志の芸人としての功績として凄いのだが、
前作では、それがカンヌ(だっけ?)で世界に曝されてしまった。
そのニュアンスを世界の人に理解させるのは難しかったはずだ。
松本自身、それは予期せぬことだったと思う。
・・・で、次作の方向性が「世界に通用するモノ」となってしまったようだ。
私は、この作品を「欧米に媚びた作品」だと思った。
その意欲は悪くないが、日本の芸人として、先ず、実験的な作品でなく、地に足の着いた、自分の得意分野を前面に押し出した作品を作って欲しかった。
◇
舞台は二極化しており、メキシコのプロレスラーを主に持つ家族の物語と、異世界の密室に閉じ込められた男の物語が交互に描かれる。
どちらもそれぞれ面白い。
この二つの舞台がクライマックスで絡んでくるのは分かるが、メキシコ・パートは、何とも『ニュー・シネマ・パラダイス』みたいな味わい深い映像で見せてくれる。
こっちの感性できっちりと松ちゃんに作って欲しいものだと思わせられた。
が、異世界密室パートも、シュールでありつつも、何らかの合理的な解釈を抱かせる内容で面白い。
私は、第一印象として、往年のファミコンディスクシステムソフト『デッドゾーン』を思い出させられた^^
こちらのパートは、松本人志が主演だが、その濃い顔が、どうにも、クリーンな部屋にそぐわない違和感を感じ続けた。
でも、欧米人にも分かるように、言葉でなく、アクトで見せようと言う松本の意図は、自分でしか演じられないと思ったのだろう。
日本人の観客を含みつつ、擬似パントマイムや繰り返される過剰な叫び、オナラや図像で、欧米人の笑いさえも取り込もうという意図だろう。
お笑いは少な目だが、物語がある一定の方向に進んでいるのはわかっているので、こちらも然程の不満足には陥らない。
◇
ただ、クライマックスで、やはり破綻する。
二極分化された舞台の融合点が、解せないのである。
ネタバレすると、密室パートは、一人の男が「神様」になるための修行の場で、そこでの苦難が、とある一具体例としてのメキシコの一レスラーの人生に作用すると言うのだが、
それがあまりにも突飛なのである。
その後、神様になった松本が、世界のあらゆる事象に作用を及ぼしていくのだが、そこでの作用は物理的におかしい点はないのである。
ただ、二極分化の交差点である、物語的にも「要(かなめ)」となる箇所において、素っ頓狂な展開を見せるのだ。
『大日本人』のエンディングもそうだった。
・・・だが、そこを非難してもしょうがない。
こうして二作続けて見ると、それこそが松本人志のやりたいストーリーテリングなのだろうから、文句を言うだけ野暮である^^;
私は、不覚にも、そのナンセンスに大笑いしてしまった^^
(2009/09/13)
前作『大日本人』(クリック!)では、その方向性に大きな意欲が見られたが、次第に、その物語性が空中分解していってしまった。
今回は、さて、どうか?
◇
そもそも、松本のギャグは、日本人の感覚に根ざしたシュールさであったと思う。
ある意味、その本質は「内輪受け」で、その感覚を(日本)全国的に行き渡らせたことが松本人志の芸人としての功績として凄いのだが、
前作では、それがカンヌ(だっけ?)で世界に曝されてしまった。
そのニュアンスを世界の人に理解させるのは難しかったはずだ。
松本自身、それは予期せぬことだったと思う。
・・・で、次作の方向性が「世界に通用するモノ」となってしまったようだ。
私は、この作品を「欧米に媚びた作品」だと思った。
その意欲は悪くないが、日本の芸人として、先ず、実験的な作品でなく、地に足の着いた、自分の得意分野を前面に押し出した作品を作って欲しかった。
◇
舞台は二極化しており、メキシコのプロレスラーを主に持つ家族の物語と、異世界の密室に閉じ込められた男の物語が交互に描かれる。
どちらもそれぞれ面白い。
この二つの舞台がクライマックスで絡んでくるのは分かるが、メキシコ・パートは、何とも『ニュー・シネマ・パラダイス』みたいな味わい深い映像で見せてくれる。
こっちの感性できっちりと松ちゃんに作って欲しいものだと思わせられた。
が、異世界密室パートも、シュールでありつつも、何らかの合理的な解釈を抱かせる内容で面白い。
私は、第一印象として、往年のファミコンディスクシステムソフト『デッドゾーン』を思い出させられた^^
こちらのパートは、松本人志が主演だが、その濃い顔が、どうにも、クリーンな部屋にそぐわない違和感を感じ続けた。
でも、欧米人にも分かるように、言葉でなく、アクトで見せようと言う松本の意図は、自分でしか演じられないと思ったのだろう。
日本人の観客を含みつつ、擬似パントマイムや繰り返される過剰な叫び、オナラや図像で、欧米人の笑いさえも取り込もうという意図だろう。
お笑いは少な目だが、物語がある一定の方向に進んでいるのはわかっているので、こちらも然程の不満足には陥らない。
◇
ただ、クライマックスで、やはり破綻する。
二極分化された舞台の融合点が、解せないのである。
ネタバレすると、密室パートは、一人の男が「神様」になるための修行の場で、そこでの苦難が、とある一具体例としてのメキシコの一レスラーの人生に作用すると言うのだが、
それがあまりにも突飛なのである。
その後、神様になった松本が、世界のあらゆる事象に作用を及ぼしていくのだが、そこでの作用は物理的におかしい点はないのである。
ただ、二極分化の交差点である、物語的にも「要(かなめ)」となる箇所において、素っ頓狂な展開を見せるのだ。
『大日本人』のエンディングもそうだった。
・・・だが、そこを非難してもしょうがない。
こうして二作続けて見ると、それこそが松本人志のやりたいストーリーテリングなのだろうから、文句を言うだけ野暮である^^;
私は、不覚にも、そのナンセンスに大笑いしてしまった^^
(2009/09/13)
昨日より、gooブログ全体的に、私のblogからのTBがはじかれちゃっています。 gooさんに問い合わせていますが当分お返しはできないです。 URLも置けない状態なので、ご了承願います。
とりあえず2009年8月27日の「しんぼる」完成披露試写会を参照してくださいということでよろしくお願いします。
松ちゃんの映画は初めてでしたけど、何となく全てがこういうパターンなんでしょうね。。
>>私のblogからのTBがはじかれちゃっています。
ありゃ、何ででしょうね?
かなりキチッと作られた作品でしたが、小技で映画を作れると思っている気持ちが見えました。
才能ある人物なのだから、直球勝負すればいいのになあと思うのです。
この方には、「頭頭(とうず)」と言う作品もありました^^;
あれもコメントに苦しむ作品でしたね^^;
全部はじかれちゃうとかなり焦りますね。
松本監督の第2弾となりました。
才能や感性は他の人にはないものを
持っているなって思うのですが、
ただ、興業的に成立していかないと
今後の作品が苦しくなる予感がしています。
この作品を受け入れる人は、多くはない
気がしました。
今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
私もそう思います。
この作品の面白いところは、いつものテレビで見られるのですよね。
映画ならではの才能を見せてくれなくては、お金を払ってまでお客さんは来てくれませんよね。
私はテレビをあまりみないので見ますけど、他の人は私と同じ考え方ではないですから・・・^^;
良くわからない映画でしたw
松本さんはこの先どんな映画やっていくんでしょうか