想いのままに…

日々の生活の中で感じたことを、想いのままに綴りたいと思います。

悲しみを越えて…

2011-10-14 22:09:11 | 日記
2階のオフィスから、森の小道を歩いて下りて来られる人が見えました。
『あれ?』と思ったのは…。

この前お見かけしたのは今からひと月前、私達のお散歩コースでした。
その時は、左手に黄色い花を持ち、深めの帽子をかぶっておられました。
すれ違う時に、私達に声を掛けてこられたのです。
「あのね、5月に、さくらが亡くなりました。」

88歳のご主人と85歳のご婦人、そして愛犬のさくらちゃんとご一緒に
一年に何度か、我が家の近くにある別荘に来ておられるのです。
さくらちゃんのお散歩の途中に出会うこともあって、私達は「さくらちゃん、こんにちは。」と
ワンちゃんに話しかけて通り過ぎることも度々でした。

そんな時、私達が行き過ぎてから、「さくら、話しかけてもらって良かったね。」とご夫婦は決まって、
ワンちゃんに声を掛けておられたのです。
家族同様でありながら、語ることができないワンちゃんですが、ご夫婦の温かい愛情の中で
幸せに過ごしていることが見えるようで、とても印象的でした。

ひと月前に出会った時、ご婦人が言っておられました。
「さくらは糖尿病だったのですが、私が糖尿にさせてしまったんです。その日以来、
私は髪を染めるのをやめました。もう、真っ白になりました。」
そう言っておられたご婦人の目に光っていた深い悲しみの涙を、今も思い出すことができます。

今日、『あれ?』と思ったのは、そのご婦人が髪を黒っぽく染めておられたからです。

私はとても嬉しくて…、ちょっとだけ…、涙で目がうるんでしまいました。
よかった…。

お年を召してこられたご夫婦にとって、家族同様のペットが亡くなることがどれほど辛いことか…、
ましてや、ご自分が糖尿にさせてしまったと悔んでおられたのです。
お詫びの為にも、髪なんて染められない…とまで思っておられたご婦人。

でも、「おかあさん、真っ白な髪よりも黒い方が似合いますよ。」という天からのさくらちゃんの声が
おかあさんに届いたのでしょうね。

おかあさん、おかあさんが少しお元気になってこられたことや、可愛がってもらえたことを感謝して、
さくらちゃんが天国から見ていると思いますよ。

良かったですね。私も…、とても嬉しいです。


小紫式部が小さな実をつけました。
コメント
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