マキペディア(発行人・牧野紀之)

本当の百科事典を考える

誤謬、der Irrtum

2011年01月12日 | カ行
 客観的な誤謬(実際に誤謬である考えないし行動)と或る人が「誤謬と思っているもの」とを区別して考えることから認識論は始まる、と思います。

 例えば、「上司の間違いに対してどう対処するか」といった問題提起を例にしますと、これは正確には、「或る人が自分の上司の或る考えなり行動なりについて『間違っている』と思った時、どうするか」と言うべきだと思うのです。

  参考

 01、誤謬とは、絶対的には存在しないものについての臆見が、自己を知り、自己主張しているものであり、その限りで積極的なものである。(大論理学第2巻56頁)

 02、真理と誤謬とは、両極的対立の中を動いている全ての思考規定と同様、極めて限られた領域に対してしか妥当しない。(マルエン全集20巻84頁)

   関連項目

  ヘーゲルの真理概念