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ながく、牧野紀之の仕事に関心を持っていただき、ありがとうございます。 牧野紀之の近況と仕事の引継ぎ、鶏鳴双書の注文受付方法の変更、ブログの整理についてお知らせします。 本ブログの記事トップにある「マキペディアの読者の皆様へ」をご覧ください。   2024年8月2日 中井浩一、東谷啓吾

政治主導の実現のために(その2、田中秀明の考え)

2012年08月31日 | サ行
官僚支配を克服するために
    田中 秀明(明治大学公共政策大学院教授、元財務相官僚)

 ──消費増税法案が近く成立する見通しです。これで財政再建への道筋がついたと見ていいですか。

 「ねじれ国会という困難のなかで増税を進めてきたことは評価すべきですが」財政再建という意味では、ほんの一歩にすぎません。社会保障をはじめ歳出にメスを入れなければ、いくら増税しても足りない。砂漠に水をまくようなものです。特に年金や医療の効率化は不可避です」。

 ──法案が衆院を通過した途端、公共事業増額の話が出てきました。

 「3党合意の負の側面です。民主党は『コンクリートから人へ』を掲げていましたが、『コンクリートも人も』になってしまった。そもそも政治家に限らず、官僚にとっても使えるお金は多いほうがいい。事業仕分けで無駄な予算が明らかになりましたが、財務省の査定では予算を切れないことの裏返しです。特定の利害関係者の反発を招く歳出削減より、みんなが負担する消費増税を決めるほうが政治的には楽なのです」。

 ──1990年代以降多くの先進国が財政再建に取り組みましたが、成功した国と失敗した国があります。成否をわけたものは何ですか。

 「財政規律を守る仕組みがあるかないかです。財政再建に成功したスウェーデンやニュージーランドには、政府が決めた財政目標どおりに運営されているか、国民が常に監視できる仕組み(財政責任法など)があります。目標どおりになっていなければ、最後は国民が選挙で判断する。政治家たちも財政データに基づいて議論するように変わりました」。

 ──日本はなぜ、財政赤字が膨らみ線けているのでしょうか。

 「予算を決める政治の意思決定システムが官邸や与党に散らばり、だれかが責任を持って決めていない。予算の透明性も低く、使い道やその効果がよくわからない。これでは無駄な事業を止めようという力が働きません。むこう3年程度の社会保障や公共事業などの歳出枠を、首相と主要閣僚がトップダウンで決め、予算の効率的な使用は各省庁の事務次官が責任を負い、国会が監視する仕組みが必要です。財務省の査定は正しいという前提に立つ今の制度では無駄な予算も消化しようとします」。

 ──日本でも閣議で決めたシーリング(概算要求基準)で単年度の予算を縛り、大枠を定めていますが。

 「日本のシーリングは一般会計の当初予算にしか適用されません。補正予算や特別会計でいくらでも増やせる。財務省は各省庁と厳しい調整が必要な時に、『補正予算や特別会計で何とかするから当初予算は我慢してくれ』と説得しやすいのです」。

 ──財政再建に成功した国はどんな仕組みですか。

 「例えばスウェーデンでは(借金返済にあてる)国債費を除くすべての予算がシーリングの対象で、補正予算を組む場合もシーリングを守らねばならない。しかも3年分の歳出総額についてシーリングがかかり、決算ベースで守る必要があります」。

 「日本の中期財政フレームは単なる見積もりです。内閣府や財務省の中期見通しに、わざわざ『将来の歳出・歳入を拘束するものではない』という趣旨の注を付けている。これでは将来の歳出・歳入は縛られず、
財政再建につながりません」。

 ──自民党時代の経済財政諮問会議は、首相の強いリーダーシップで重要政策を決めるのが狙いでした。

 「諮問会議によって、政策決定プロセスがより集権化・透明化されたのは事実です。それでもカナダやオーストラリアと比べると分権的で、与党と調整しないと決められない構図は変わりませんでした」。

 ──民主党政権はどうですか。

 「発足直後は、閣僚委員会でトップダウン型の予算をつくる仕組みを導入しようとしましたが、絵に描いたモチに終わりました。結局、自民党政権より政策決定プロセスが分権化してしまい、だれがどう決めているのかさえ、わかりません」

 ──田中さんは「日本で予算制度改革が進まない理由の一つは、財政当局自身が政治化し、プレーヤーになっていることだ」と指摘してきました。財政当局の「政治化」とは?

 「財務省に限らず、日本の公務員は非常に政治化しています。役所や官僚自らが政治的な利害を持ち、天下り先を含め、自分たちの利益を最大化するように行動している。しかも与野党の政治家と常に接触し、貸し借りの関係を築いている。国の予算は、市場で決められないから政治プロセスを経て配分されているわけで、予算は政治そのものです」。

 ──どの国でも財務省は政治に近いのではありませんか。

 「しかし日本の財務省は、時の政権の言うことを聞くことによって、自分たちの利害を守るという性格がひときわ強いように思います」。

 ──例えば?

 「2012年度の一般会計予算の編成で、基礎年金の国庫負担の財源として、赤字国債とは別枠の交付国債を充てようとしました。真相はわかりませんが、赤字国債を抑えたい政権にこたえる知恵だったのではないでしょうか。財政赤字の大小は政策判断の問題ですが、会計をごまかせば、国民に真実が伝わりません」。

 「民主党は国の総予算を組み替えるなどして16,8兆円を手当てし、マニフェストを実現するとしていましたが、実際はそれほど確保できていません。にもかかわらず政権交代後の10年度には、日銀納付金なども含めた税外収入10,6兆円すべてを自ら掘り起こしたように、官邸のホームページで説明しています」。

 「しかし、こうした埋蔵金は地中に埋まっているわけではない。財務省は一般会計と特別会計を連結した資料を出していないので、特別会計などからお金を移すと、一般会計の財政収支が健全化したように映るだけです。埋蔵金取り崩しは会計上、赤字国債発行に等しいのですが、財務省はそう説明しません。財務省の資料だけでは実態がわからない。極端にいえば、政治におもねって国民をだましていることになります」。

 「財政の実態を国民が理解しなければ、痛みが伴う財政再建はできません。だから透明な予算・会計制度が必要なのですが、財務省は後ろ向きです。透明になると、政治的な取引ができなくなるからでしょう」。

 ──官僚の政治化は防げますか。

 「公務員の政治的中立性を実際に裏付ける仕組みが必要です。英国やオーストラリアは、幹部公務員に公募制を導入しました。専門的な能力と業績に基づいて任用するのです」。

 ──なぜ公募なのですか。

 「日本では役所に入る時に競争しますが、ひとたび入ってしまえば役所の背番号が付き、退職後も関係する。生涯を通して役所の利益を守るというインセンティブが働きます。そのほうが生涯所得が高くなるからです。これでは政策立案がゆがみ、改革などできるわけがありません」。

 「いきなり幹部全員の公募は無理だと思いますが、例えば韓国では1998年から改革をはじめ、幹部ポストの2割は官民から、3割は公務員全体から公募しなければいけない制度を導入しました。能力と業績に基づいて幹部を選び中立性を高めることが会計のごまかしを抑制します」。

 ──歳出削減を妨げる要因として、各省庁の強い縄張り意識も指摘されています。

 「その意味では官僚機構の再編を柔軟にすることも重要です。英国やオーストラリアでは、役所の組織は閣議決定により一晩で変えることができます。特に選挙後に新政権ができると、公約した政策課題を実行しやすいように組織が再編されます。日本の民主党は子育て支援の充実を掲げていますが、英国なら直ちに家族省が発足するのです」。

 ──日本でもできますか。

 「日本では、各省庁の設置法で仕事が規定されています。民主的統制のためですが、各省庁の権益を守る盾になっている。例えば消費者庁は、福田康夫首相が消費者行政を強化する必要があると言ってから、組織ができるまで1年以上かかった」。

 「官僚組織の再編が浮上するたびに、関係省庁は族議員を巻き込んで権限の切り分けに抵抗し、改革が骨抜きになる。組織は目的達成の手段であり、設置法は廃止すべきです」。

 ──財政再建の話が公務員制度にまで及びましたが、難題ですね。

 「財政再建が最終的な目標ではありません。最大の課題は、少子高齢化を乗り切ることです。そのためには高度成長期に大きなパイを分配しやすいようにつくられた政治・行政システムを変える必要があります。民主党政権は変革を期待されて誕生しましたが、旧来モデルに戻りつつある。改革が先送りされれば、そのツケは国民が負います。会計をごまかすのではなく、負担をどう分かちあうのか、粘り強く説得することこそ政治の役割です」。

  (朝日、2012年08月03日。聞き手・山口栄二)

      感想

 気付いた点を箇条書きにして、感想を書きます。

1、「財政規律を守る仕組みがあるかないかです。財政再建に成功したスウェーデンやニュージーランドには、政府が決めた財政目標どおりに運営されているか、国民が常に監視できる仕組み(財政責任法など)があります。」

 感想・歳出にメスを入れる仕組み、それを国民が監視する仕組みの重要性ということでしょう。増税しても支出が規制されなければ、意味がありません。

2、「日本のシーリングは一般会計の当初予算にしか適用されません。補正予算や特別会計でいくらでも増やせる。財務省は各省庁と厳しい調整が必要な時に、『補正予算や特別会計で何とかするから当初予算は我慢してくれ』と説得しやすいのです。……外国では決算ベースで守らなければならないシーリングがあります」。

 感想・物事はつねに「全体としての真実」が大切で、「部分的事実」は「全体的虚偽」になることが多い。会計については、「決算ベース」で「全体的真実」を発表するようにしなければならない。

3、「財務省に限らず、日本の公務員は非常に政治化しています。役所や官僚自らが政治的な利害を持ち、天下り先を含め、自分たちの利益を最大化するように行動している。……英国やオーストラリアは、幹部公務員に公募制を導入しました。……いきなり幹部全員の公募は無理だと思いますが。……官僚機構の再編を柔軟にすることも重要です。英国やオーストラリアでは、役所の組織は閣議決定により一晩で変えることができます。」

 感想・代議士が「政治主導」と言っても、役人を使いこなす力量がありません。なぜか。事前に研究していないからです。その意味で、純粋に民間の立場に立った「シンクタンク」を作って、官僚と同じような研究をする人を養成しておく必要があると思います。

4、「最大の課題は、少子高齢化を乗り切ることです。」

 感想・民間シンクタンクで「政治主導」を実行できる人材を育てて、国、県、市町村レベルの議員と首長に送りこめるようにする以外に確実な方法はないと思います。

 田中さん自身は官僚を辞めて大学教授になり、今後どうするつもりなのでしょうか。主体的な発言を聞きたいものです。

    関連項目

政治主導の実現のために(その1、堺屋太一と野口悠紀雄の対談)

シンクタンクの意義と支え方


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お知らせ

2012年08月27日 | 読者へ
 25日(土)、拙著『関口ドイツ文法』(未知谷)の「最終確認用ゲラ」が到着しました。いろいろな経緯を経ましたが、ともかくようやく、本当にようやく、ゴールのテープが見えた訳です。と言っても、ラストスパートはしません。「鈍足のマラソンランナー」らしくいつも通りのペースで走るつもりです。

 最後の頁には「1548」とありました。三校用のゲラの最終頁が「1546」でしたから、2頁増えただけのようです。三校でかなり書き加えたのですが、重複箇所も3つあって、削った所もかなりありましたので、これで済んだのでしょう。まあ、好かったです。

 森の防波堤にせよ、イジメ問題にせよ、その他の問題を含めて、論じたいことはいくつもあるのですが、校正を優先させます。

 よろしくお願いします。

8月27日、牧野 紀之
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生ける屍の生態(その1、教育長)

2012年08月24日 | カ行
 大津市で昨年10月、いじめを受けた中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題などを受け、静岡県教委と県内全35市町の教育長らが、対策について話し合う県市町教育長研修会が8月21日、静岡市内で開かれた。出席者からは「子供たち自身もいじめについて話し合うことが大事」「いじめは誰でも起こり得るということを子供たちの共通認識にすれば、相談しやすくなる」などの意見が出された。

 研修会は、県内の教育関係者全体で教育課題について話し合うことを目的に毎年開かれているが、今回は大津市の問題や、浜松市で転落死した中学2年の男子生徒(当時13歳)がいじめを受けていたとされる問題を受け、いじめに関する話し合いも行われた。

 会の冒頭、安倍徹・県教育長は「まずは市町の学校で、いじめについて全てを把握したうえで、丁寧、迅速な対応を図ってほしい」とあいさつ。その後、出席者は3グループに分かれ、いじめ対策に関する報告や意見交換が行われた。

 この中で、「『相談件数が多いと良くない』のではなく、少しでも多くを把握して組織対応し、早期解決することに力を入れている」「先生が忙しすぎると、いじめを見逃してしまうので、仕事のバランスに注意するべきだ」などの報告や意見が出された。
 県教委事務局からは2010年度のいじめの認知件数が報告され、小中学校ともに件数は減っているものの、解消率が下がっている現状や、中学1年生の認知件数が飛び抜けて多いことなどが報告された。

 意見交換終了後、安倍教育長は取材に、「児童生徒が自らいじめ問題の対策について考えるような機会をつくることなどを検討していきたい」と話した。
(2012年8月22日 読売新聞)

 感想

 これを読んで「教育長たちは頑張っているな」と思う人はよほどおめでたい人でしょう。こういう会合とやらは、市民から「教育長は何をしているのだ」と言われた時に、「会合を開いて相談していますよ」と誤魔化すためなのです。

        関連項目

教育長人事とその活動

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マグネシウム循環型社会

2012年08月22日 | マ行
 太陽光や風力などのエネルギーを、ありふれた金属であるマグネシウムの形にしてため、電池などとして使用。あとにできる酸化マグネシウムを再生して繰り返し使う。天気まかせの再生可能エネルギーの弱点を補う「マグネシウム循環型社会」を東工大の教授らが唱えている。

 太陽や風、地熱など自然の力に頼る再生可能エネルギーが注目されて久しい。石油、石炭、天然ガスなどと違い、エネルギーを取り出す際に地球温暖化の原因となる二酸化炭素や有害な窒素酸化物などを出さないクリーンなエネルギーだ。

 だが、輸送、貯蔵し自由に使える石油やガスに比べ、太陽や風は、天気しだいなため、必要な時に発電できるとは限らない。電力需要に合わせその都度発電量を変えなければならないが、調整できない。再生可能エネルギーはこうした欠点があり、主要なエネルギー源として普及させるのは難しいとされている。

 ありふれた金属であるマグネシウムで問題を解決する独創的なアイデアを唱えているのが東工大の矢部孝教授だ。マグネシウムは、地殻に存在する金属の中でナトリウム、カリウムなどにつぐ6番目に多い元素だ。実用金属の中でもっとも軽い。酸化しやすく、燃やせば石炭の約8割の熱量を得られるが、酸化マグネシウムになるだけで有害な物質は出ない。価格以外は理想的な燃料だ。

  何度も精錬が可能

 「マグネシウムを『エネルギー通貨』として使うんです」と矢部孝教授は言う。再生可能エネルギーをマグネシウムという貨幣に換えて流通させ、貯金し、エネルギーが入り用になったら引き出して使う。使ってできる酸化マグネシウムを再生可能エネルギーでマグネシウムに戻し、何度もリサイクルする。「マグネシウム循環型社会」だ。

 もともと矢部教授は、太陽光で低コストのレーザーをつくる研究をしていた。そのレーザーの実用的な使い道としてマグネシウムの精錬を思いついた。

 現在、主に中国でドロマイト(苦灰石)という鉱石から安価な石炭の熱を使ってつくられている。価格は重さ1㌔あたり250円程度。ドロマイトは炭酸マグネシウムを含む。石灰石といっしょに大量に産出し、日本にも豊富にある。ドロマイトの精錬にマグネシウムの重さの10倍以上の石炭がいるので、エネルギーの収支は大幅赤字だ。

 太陽光レーザーでドロマイトからもマグネシウムはつくれるが、矢部さんが目を付けたのは海水だ。マグネシウムが0,129%含まれ、総量は1800兆トンにもなる。海水から水と塩を除いた後に残るにがりの主成分が塩化マグネシウムだ。

 マグネシウムを精錬するには400Wの出力のレーザーがいる。現在、2メートル四方の安価なフレネルレンズで太陽光を集めて、半導体のレーザー発振器に入れ、レーザーを作っている。昨年120Wを達成し、今年の目標は200E。レンズの透明度や半導体の効率の改良で400Wもいずれは可能という。4平方メトルあたりの太陽エネルギーは4000Wなのでそれでも変換効率は10%に過ぎない。現在の製法より初期の設備投資が高いが、ランニングコストがほとんどかからないため、最終的に原価は10分の1程度になるという。

  次世代電池生産へ

 エネルギーとしての利用技術はレーザー精錬より進んでいる。矢部さんらはマグネシウム空気電池という次世代の電池を開発した。マグネシウムの重さあたりの電力はリチウムイオン電池の7,5倍。30㌘のマグネシウムでスマートフォンを1ヵ月動かせるという。現在の価格でも8円ほどだ。特許を取り、ベトナムの国営電機企業と6月に調印。ハノイのテレビ工場を改造し、1年以内の生産開始を目指している。

 電気自動車を300㌔走らせるのに約20㌔のマグネシウムが必要で、現在の価格ではガソリンに対抗できないが、電気自動車としての燃費と走行距離はかなりいい。電池のマグネシウムはカートリッジにして交換できるようにし、使用後にできる酸化マグネシウムを回収してレーザーで再生する。

 さらにマグネシウムは火力発電の燃料にも使える。水を反応させると水素が発生し、熱で再び水素から高温の水蒸気ができる。これでタービンを回す。無害な水蒸気と酸化マグネシウムだけだ。

 マグネシウム社会に向けた大きな課題は、「それを受け入れる社会をどうやってつくるか」という。例えば、電池は充電式でなければならないという頑固な意見があり、電池の燃料を外から入れることに抵抗がある。矢部教授は「こうした車や家電などの製造会社の意識が変わらないとなかなか受け入れられないだろう」と見る。
 (朝日、2012年08月20日。鍛冶信太郎)

          関連項目

再生可能エネルギー一覧
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原子力ムラの灰色学者たち(その4)

2012年08月21日 | カ行
 原発が立地する14道県(立地予定含む)がそれぞれに設けた、地元の原発の安全性を検証する審議会の委員18人が、2010、11年度に計約1億5000万円の寄付を原発関連の企業・団体から受けていたことが分かった。全国市民オンブズマン連絡会議が調査し、8月18日に結果を発表した。

 同会議では、14道県の「原子力政策懇話会」など41の審議会で委員を務めた学識経験者222人について調べた。うち約100人の所属大学・研究機開から回答があり、18人が原発メーカーなどから寄付や受託研究費として3万~4261万円を受けていた。

 同会議事務局長の新海聡弁護士は「原発の再稼働を進めるには、地元道県の意向が欠かせないが、その際に重要な役割を果たす審議会の委員が公平な立場ではなかった」と指摘する。

 今回の調査では、回答待ちの大学や、独立行政法人情報公開法の対象外となる私立大も多く、新海事務局長は「分かったのは氷山の一角にすぎない」として、さらに調査を進める意向を示した。
 (朝日、2012年08月19日)

 感想・実名と金額が発表されていないのは残念です。調査の途中だそうですから、最終結果の発表を待ちましょう。

           関連サイト

全国市民オンブズマン連絡会議
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政治オンチのプレゼン力、村上陽一郎論

2012年08月20日 | マ行
 「自己表現や発信を重視する『プレゼン』の時代」だそうです。朝日紙は07月08日から何回かに分けて、「その動きを教育の視点から追う」記事を連載しました。その第1回の記事では、横浜サイエンスフロンティア高校の生徒がiSP細胞の研究者として名高い山中伸弥教授の前で発表する様子と立命館高校の理数コースの高校生が「植物の屈性」について英語で発表する様子を紹介した後で、最後に次の文がありました。

        

 こうしたグローバル化を見据えた試みを先取りするかのように、鳥取県立倉吉東高校は10年前から毎年、夏休みを利用し「国際高校生フォーラム・1n倉吉」を開いてきた。長野県松本深志、静岡県立浜松北など地方の進学校や英国、韓国の高校など10校前後が集う。

 各校20分以内でパワーポイントを使ってプレゼンし最優秀、優秀校を決める。2時間にわたり討論もする。

 テーマは「21世紀の世界秩序」「限りなく発達する科学・技術と人間の精神性のあり方」「世界の食料問題とその解決策」などだ。

 ゲストには、教育社会学の苅谷剛彦、科学史・科学哲学の村上陽一郎、社会経済学の佐伯啓思(けいし)の各氏ら、第一線の研究者を招く。発表へのコメントももらう。

 「21世紀は世界規模の答えのない問いを身もだえしながら考え、人の前で表現する力こそ必要だ」。

 校長としてフォーラムを始めた岡本康さん(69)はいま改めて、そう思う。(引用終わり)

 では、ここでゲストとして名の出てきます3氏がどのような「プレゼン」をネット上でしているか、見てみました。苅谷さんと佐伯さんは自分のホームページを作っていないようです。私には分かりませんでした。

 村上さんは私の同級生ですが、さすがにホームページを作っています。が、作り方が下手な上に、内容が貧弱です。その上、最新更新日は2008年のようです。これではホームページの意味がないでしょう。「自分程エライ人間はマスコミが報道してくれるから、ホームページはお粗末でいいのだ」と思っているのでしょうか。

 現在、東洋英和女学院大学とかいうところの学長をしているそうですので、その大学のホームページを見ました所、「学長挨拶」がありました。しかし、日付が載っていませんでした。私は、学生に、「文章には必ず年月日を入れるように。後で必ず役立つ。日付のあるのと無いのとでは資料としての価値が全然違う」と話します。村上さんの「教養」にはこういう常識は入っていないようです。

 「学長便り」もありましたので開いて見たら、そこらの学校長のと同じような「式辞」ばかりでした。大学の学長というものは学生と「学問とは何か」を議論しなければならない、という考えは氏の教養にはないようです。

 最近、原子力ムラの先生方が電力会社等からいろいろな名目で金を貰っていた事が知られるようになりました。村上さんの名はまだ出て来ていないようですが、経済産業省総合資源エネルギー調査会の原子力安全・保安部会の部会長を務めていた氏がこの件について何も言わないのはなぜでしょうか。普通に考えれば、氏にも疑惑の掛かっている事は気付いているでしょうに、自分から説明するのが「説明責任」ではないのでしょうか。

 続いて、この記事に名の出ていた横浜サイエンスフロンティア高校と立命館高校と浜松北校のホームページを見て見ました。いずれの校長も「挨拶だけの校長」でした。

 「21世紀の世界秩序」「限りなく発達する科学・技術と人間の精神性のあり方」「世界の食料問題とその解決策」などといったテーマ設定では抽象的に過ぎます。半生を社会運動に捧げて来た経験からの現時点での結論は、次の通りです。

 ①経済体制の如何に関係なく国には公務員が必要である。
 ②「権力(公務員)は必ず腐敗する」というのは鉄則と言って好い位に根強い現象である。
 ③しかるに、組織はトップで8割決まるから、特に幹部公務員の堕落(現象形態は様々)を如何にして防ぐかが根本問題である。
 ④住民の「臣民根性」(行政の長を小天皇と崇(あが)める態度)も抜きがたい悪習であり、これを如何にして変えるかも根本問題である
 ⑤従って③と④を同時に追求する理論と方法と行動が大切である。
 ⑥人間のする事で100点満点ということはないので、例で言うと、50点の行政を好くするには60点以上の人が出てこなければならないので、自分を高める事が大前提である。

 従って、結論としては、自分のプレゼン力を高める努力をしつつ、学校(校長)のプレゼン力(学校のホームページ)、市長のプレゼン力(市役所のホームページ)、知事のプレゼン力(県庁のホームページ)の在り方を批判的に検討する授業や練習を同時に進めて行くのがベターでしょう。

 後者からは、それでは学問的に正しいホームページはどうあるべきかという問題意識が出てきます。これにどう対処するかでその人の行く道は大きく違ってくるでしょう。

     関連項目

城南静岡高校と「まなびや」

大学ホームページの必要条件

学校ホームページの必要項目

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一条堤の構想(その4)

2012年08月17日 | ハ行
 川勝知事からの返事はまだ来ていませんが、新聞には次の記事が載っていました。

       記(2012年8月11日、読売新聞)

 川勝知事は8月10日の定例記者会見で、民間企業の寄付があった浜松市では1000年に1度(レベル2)の巨大津波を防ぐ防潮堤を整備する一方、浜松市以外では100年に1度(レベル1)の津波への対策を取る方針を明らかにした。「防潮堤だけが津波対策ではない。避難の仕方は地域によって違う」とも述べ、浜松市以外では避難する高台の整備や内陸部への移転が必要だとの考えを示した。

 浜松市創業の住宅メーカー一条工務店グループは6月、同市沿岸部でレベル2を想定した防潮堤を建設する費用の一部として、県に300億円の寄付を申し出ている。

 知事は「(浜松市には)重要な企業が集まっている。自分たちも(寄付を)出したいという地元の安全への要求はできる限りかなえる」と述べ、浜名湖今切口から天竜川西岸までの同市沿岸約17,5キロ・メートルにはレベル2を想定した防潮堤を建設すると明言した。

 同市を襲う津波の高さは、東海地震の第3次被害想定では4~5,6メートルとされたが、今年3月に公表された南海トラフを震源とする巨大地震では最大で14,8メートルと3倍になっている。

 知事は、焼津市から藤枝市に移り住もうという人がいることに触れ、「県全体では内陸のフロンティアがあり、活用して下さい。行政区にとらわれず自ら安全を考えてもらいたい」と、沿岸部から内陸部への移転が津波対策として必要との考えも示した。(引用終わり)

   感想

 知事は浜松は大切だが、それ以外は浜松ほど大切でない、との考えなのでしょうか。それとも、防波堤より避難の方が安く済むという安易な考えでしょうか。

 8月16日にいただいた津田恵子名のコメントを見ますと、県下でも市民レベルの動きが広がっているようです。

       関連項目

防波堤(その1、宮脇提案の内容))(2012年07月22日
防波堤(その2、宮脇提案を具体化する財団法人))(2012年06月25日
防波堤(03、浜松の一条堤)(2012年08月03日
防波堤(04、一条堤の構想、02)(2012年08月10日
防波堤(05、一条堤の構想、03)(2012年08月14日




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一条堤の構想(その3)

2012年08月14日 | ハ行
 01、浜松市内でも「森の防波堤」への動きが出てきたようです

       記(中日新聞、2012年08月13日)

 遠州灘沿岸部に植樹して造る「森の防潮堤」を考える集会が12日、浜松市北区東三方町の市教育会館であった。

 「民学産官みんなでグリーンサミット遠州灘緑の防潮堤をつくろう」と題し、環境保全活動に取り組むNPO「縄文楽校」が主催。スライドやDVDで活動を紹介した後、パネル討論で意見交換が行われた。

 パネル討論には、掛川市で森の防潮堤を造ったNPO「時ノ寿の森クラブ」の松浦成夫理事長ら4人が参加。海岸に広く植えられている松に代え、より深い根を張り、気候条件にも合った照葉樹を植えていこうというテーマを中心に話し合った。実際、東日本大震災の津波でも流されなかった照葉樹が多かったという。

 集会には、防災に関心のある市民ら約130人が参加。浜松市北区初生町の原田美穂子さんは「土地に合った木を植えるという考え方は素晴らしい」と感心していた。(長崎高大)

 02、浜松市からの回答

02-1、メール拝見するとともに担当課に伝えました。
 後日、お返事をいたしますので、しばらくお待ちください。
 ありがとうございました。
  8月3日              浜松市長 鈴木康友


02-2、先日拝見しましたメールにつきまして、市としては以下のとおり考えております。
 今後ともよろしくお願いいたします。
     8月14日            浜松市長  鈴木 康友

 「市長へのご意見箱」へご意見をお寄せいただき、ありがとうございます。

 防潮堤の整備につきましては、本年6月11日に県・市・寄付者の三者において、基本合意が結ばれ、県が事業主体となり防潮堤整備の計画策定に取り組み始めたところです。

 本市といたしましても、この防潮堤整備は津波を防ぐための有効な対策と捉えていることから、今後、県と連携して進めてまいります。

 ご質問いただきました防潮堤の暫定案の提示につきましては、静岡県が検討を進めている第4次地震被害想定や現地測量などの情報を基に、これから整備位置や規模・構造を協議してまいります。また、工事の着手時期などもまだ決まっておりませんので、ご理解をお願いいたします。

 また、県に対し、景観や環境にも配慮した防潮堤整備をお願いしているところですが、ご提案をいただきました「森の防潮堤」につきましても、貴重なご意見として報告させていただきます。

 いつ起こるかわからない巨大地震に立ち向かうためには、行政の力のみでは乗り越えることができないことから、市民の皆さまには、日ごろから家庭内でできる食料や水の備蓄、家具の固定などの防災対策に重ねて取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
 ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

浜松市 危機管理監 危機管理課
電話 053-457-2537

03、感想

 経過と現状が分かって(まさか、嘘をついているなんて事はないでしょう)、質問して良かったと思います。

 ①現段階では決まった事はほとんどない事、②「森の防潮堤」案を県に伝える事、この2点が大切です。

 川勝知事からの返事はまだありません。

 浜松市民の皆さん、黙っていないでドシドシ発言して下さい。他の地域の方々も、自分の所の防潮堤をどうするのか、考えて発言して下さい。

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一条堤の構想(その1)

一条堤の構想(その2)

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一条堤の構想(その2)

2012年08月10日 | ハ行
 01、中日新聞、2012年08月09日

 遠州灘の浜松市沿岸17,5キロに、民間寄付を元手にして県が防潮堤を整備する構想で、川勝平太知事は8日、堤の土砂を調達する先として、頓挫している同市天竜区の「阿蔵山土地開発事業」用地が望ましいとの考えを示した。視察先の同市内で報道陣の取材に答えた。

 市もその方向で調整を進めている。ただ市は当面、開発事業の再開とは位置付けず、土砂採取後の土地利用は中長期的に検討する。

 同事業は旧天竜市が宅地開発を目的に進めていたが、浜松市に合併後の2006年に採算性の問題で中止。市は工場用地として企業誘致の方針に転換したが、事業はストップしている。面積は約34ha。

 市は、阿蔵山について、防潮堤整備のために速やかに土砂が確保できる点を重視。土砂量は約240万立方メートルとみられ、防潮堤の規模によるが、相当の部分が賄えるという。

 土砂採取によって生じた土地は、その時点の社会経済状況を踏まえて判断する。川勝知事は「(災害時に)集団移転する場所」とのアイデアを示した。

 防潮堤構想では、浜松市の住宅メーカー一条工務店が300億円を県に寄付し、県がこれを元に堤を整備。市は、土砂を確保する役割分担が合意されている。

 02、読売新聞、2012年08月09日

 川勝知事は8日、企業からの寄付金で整備する浜松市沿岸の防潮堤について「内閣府の検討会が示した被害想定を念頭に置いて工事に入りたい」と述べ、来年6月頃に予定されている県の第4次被害想定策定を待たずに防潮堤建設を進める考えを示した。知事はこの日、同市南区の遠州灘海岸を視察に訪れ、報道陣の質問に答えた。

 検討会は今年3月31日に示した南海トラフの巨大地震に伴う津波高の想定で、浜松市には最大14,8メートルの津波が襲うとした。県が企業などと防潮堤建設の覚書を交わした6月、知事は「(来年6月頃に示される)県の第4次被害想定に基づいて津波対策を講じなければならない」と話していた。

 03、感想

 川勝知事及び鈴木康友市長からの返事はまだ来ていません。マスコミには語っているようです。ともかく進んでいるようです。内容的には一条工務店が当初、考えていたのと同じ「15メートルの土塁」を築くという方向と察せられます。

 一条工務店からの返事は次の通りです。

   記(一条工務店からの回答)

 拝啓、時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。また、弊社のお問い合わせ窓口へご意見メールを頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。

 この度、弊社および一条工務店グループによる静岡県への「防潮堤建築資金」の寄付につきまして、牧野様より温かいお言葉を頂戴し、誠にありがとうございます。

 牧野様におかれましては、弊社の活動にご賛同を賜りましたことを心より御礼申し上げます。

 牧野様よりお問い合わせを受けました防潮堤につきましては、計画や施工など県が主体の事業となります。弊社は防潮堤を施工する目的に対して寄付金という形でご協力いたしておりますが、具体的な内容などについてはお答えする立場にはございませんことを、何卒ご理解賜りたく存じます。

 弊社としましては、引き続き弊社のお客様をはじめ、地域の方々や関係する多くの皆様にご支援を頂ける企業を目指し、日々邁進して参りますので、何卒変わらぬご愛顧を賜りたくお願い申し上げます。

 甚だ簡単なご返事となりましたことをご容赦ください。末筆ながら、牧野様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。(引用終わり)

 その後、担当者に電話して聞きました所、①社長は私のメール及び手紙を読んでいる、②「いのちの森プロジェクト」のホームページは見ていない、との2点が分かりました。

 市長と知事の返事を待ってから次の手を考えます。

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一条堤の構想(その1)

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小水力発電の1例

2012年08月06日 | サ行
 直径14センチ、長さ60センチほどのステンレス製の筒の先に、プロペラがついている。筒には電気コードがつながっている。水の流れで発電する小型水力発電機である。モーターの組み立てや部品の加工をする長野県飯田市の中小企業「マルヒ」がつくった。

 科学技術振興機構と飯田市の企業5社が、今春から開発してきた。マルヒはその中核企業。今月(2012年7月)始まった自然エネルギーの全量固定価格買い取り制度(FIT)を受けて、小水力発電が増えるとにらみ、参入した。

 後藤大治社長は「来年度は100台の生産を目指す」と話す。

 3㌔ワット程度の発電能力を持つ従来の小型水力発電機は200万~300万円というが、マルヒの発電機は58万円(税別)だ。

 安くするために工夫した。精密機器企業の下請けでモーターをつくってきた。モーターと発電機の基本構造は同じだ。モーター部品を転用して、低価格を実現した。

 小水力発電の現場は様々だ。どのように使うかのノウハウが必要だ。完成した2台の発電機は、九州大と群馬大で実証試験をして、当面は使い勝手を探る。だがすでに、「工場排水で発電できないか」といった問い合わせがあるという。

 開発は飯田市の産業振興策とも重なる。牧野光朗市長は「自然エネルギーを地産地消し、お金を地域で回す。そこから雇用やビジネスを生み出す、という産業モデルをつくりたい」と話す。

 飯田市はNPOなどと協力して、保育園や公民館といった公共施設の屋根に太陽光パネルを設置する「おひさま発電所」をつくってきた。太陽光パネルは、市内の建物の5%超にまで普及した。これに加えて、小水力発電を増やし、エネルギーの地産地消の割合を高めてゆくという。

 自然エネルギーについて、経団連などには「不安定」「コストがかかる」という批判がある。だが、地域が着実に自然エネルギーに向かっている現実もあるのだ。

 全量固定価格買い取り制度では、再生可能エネルギー特別措置法が昨年の通常国会で成立したことで導入された。この法案が閣議決定されたのは、震災直前の3月11日午前だった。当初は3月14日の閣議で決まる予定だったが、当時の経済産業省の担当課長がたまたま前倒しを提案し、地震直前に決まった。

 歴史に「もしも」はないが、3月11日の朝に閣議決定されていなければ、震災後の国会のゴタゴタで閣議決定は遅れ、早期には成立しなかったかもしれない。全量固定価格買い取り制度の導入はその点、幸運だった。それを生かそうとする意志が、自然エネルギーの将来を左右する。問題点を指摘するばかりでは、挑戦は始まらない。

 (朝日、2012年07月29日。安井孝之・編集委員)

    感想

 まず自分でやって見せる事。立派な事だと思います。

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再生可能エネルギー一覧
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緑の防波堤

2012年08月03日 | ハ行
 8月2日、下記のメールを一条工務店の社長宛てに送りました。3日には同じものを手紙で送りました。同様の内容のメールを3日には川勝静岡県知事及び鈴木康友浜松市長にも送りました。返事が来たら又発表します。皆さんも、自分の身の回りから行動を起こして下さい。
 8月3日、牧野 紀之

         

一条工務店社長、宮地剛様
 前略
 貴社が浜松地区の沿岸に防波堤を作るために300億円の拠出を申し出たことには驚くと同時に尊敬の念を持ちました。

 しかし、心配な事もあります。それはどういう防波堤を築くのかという事です。
 7月14日付けの朝日紙によりますと、「高さ15メートルの土塁」を考えたそうですが、その後、「静岡県及び浜松市と建設計画を練った」そうです。
 どういう防波堤になったのですか。暫定的な案を発表して下さいませんか。

 敢えてお願いをお伝えします。
 今、東北被災3県の沿岸に「宮脇方式」によって「いのちの森」を作る運動が急速に広がっています。「一条堤」もこの「いのちの森の防波堤」にして下さいませんか。
 インターネットで「いのちの森プロジェクト」と入れて検索すると、詳細が分かります。
 くれぐれも間違った選択で悔いを残す事のないように祈っています。(終わり)

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緑の防波堤で日本全体を囲う提案

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