受験生ダミアンが推薦試験に合格したら、家族で温泉旅行に行こうと計画しています。個人的希望としては、小さい頃に行って楽しかった別府の杉乃井ホテルか、前から行ってみたいと思ってる湯布院が良いのだけど、予算の都合上、愛媛の道後温泉になりそうです。宝くじが当たれば、海外旅行になるかもしれません。
皆様のお気に温泉は、どこでしょうか?
「細雪」
市川崑監督を偲んで...
戦争の影が忍びよる頃の大阪。船場の名家・蒔岡家の四姉妹が繰り広げる、男女の恋愛や家族愛の物語。
谷崎潤一郎が原作、舞台は戦前の旧家、ヒロインは美しい四姉妹たち。キーワードはどれも、耽美でドロドロしたドラマをイメージさせるものですが、全然そんな内容ではなかったので意外でした。コメディとまではいかないまでも、かなりコミカルというか、人情喜劇系?クスっと笑えるシーンや台詞が多く、楽しかったです。
でもホント、某元首相のキャッチフレーズじゃないけど、美しい国・日本。Japan is beautifulと思わせてくれる映画でした。うつろう四季おりおりの情緒、着物や建物、人間関係の機微、どれも繊細なんですよね。華やかさも、どこか慎みがあって。もののあはれって、やっぱ日本だけの魅力ですよね。
蒔岡家の生活模様も、優雅だけど決して贅沢じゃない。大阪の元商家らしく、お金には結構シビアなところが、所々で描かれているのも笑えた(ネギを買ってきた家政婦に、土がついてないから長持ちしない!と怒ったり)。広い屋敷も、ゴタゴタケバケバしい飾り物や置物などなく、長い歴史の重みと情念が染み付いているような、ひっそりと冷ややかに静寂な空間。この古色蒼然さも、日本独特な美ですよね。アメリカのセレブや韓国の成金とは、世界が違います。お金だけでは住めない創れない世界。
しきたりや格式といった古い価値観が、花のように時代の風に散ってゆく。そんな滅びの悲哀が、しっとりと優しく感じられる流麗な映像にも魅了されます。
ヒロインの四姉妹と、彼女たちに関わる男女のキャラも、個性的で面白かったです。
のほほん陽気、子供みたいに感情的になりやすい長女・鶴子。しっかり者の良妻賢母、でもお人よしで周囲に振り回されてばかりの次女・幸子。おっとり慎ましいけど、何を考えているのか分からない三女の雪子。現実的で行動的な四女の妙子。いろんなことで反発し合って泣いたり怒ったりする四人ですが、橋田スガ子の渡鬼みたいな所帯じみた、貧乏くさい陰湿ネチネチ感は皆無。何を言っても何をやっても、はんなりと可愛らしい女性たちなのです。
大女優たちの競演が、やはり最大の見所でしょうか。四人とも美しい!
鶴子役の岸恵子は、どこかモダンで、初老なのに少女っぽい愛らしさがあって。幸子役の佐久間良子は、ほんと柔らかで豊麗な和風美女って感じで。妙子役の古手川祐子は、若さで溌剌としてて色っぽさが瑞々しくて。この三人、やたら家政婦さんに怒ったり八つ当たりするんだけど、ぜんぜん意地悪な感じではないのが可愛くて笑えます。
いちばん美しく、かつ魅力的なのは、やはり雪子役の吉永小百合かも。彼女の映画って、あんまし観たことなく、女性としては素敵だなあとは思うけど、女優としてはいつも同じような感じで、あまり評価してなかったのですが...この映画の小百合さまは、ほんと素晴らしい!
かしましい上と下の姉妹と違い、もの静かで奥ゆかしく超寡黙な雪子を演じる小百合さまの、透明感ある清らかで怜悧な美しさ&たおやかに謎めいた微笑みに、うっとりしちゃいました。ちょっと魔性っぽい、ていうか、ミステリアスな雪子のキャラも魅惑的。ギスギスした薄汚い系や、気持ち悪いブリッコ系ばかりの今の女優では、演じられない役です。やっぱ小百合さまって、特別な女優だなあと感嘆しました。サユリストの気持ち、解かるような気がする。清純で売ってる今の自称大女優たち、松嶋なな子や竹内U子、仲間ユキエなど、第二の小百合には絶対なれないと思います。
雪子の『ふん(うん)』、すごく愛らしくて、なおかつ謎めいていて、ちょっとマネしたいかも。幼い姪や、お見合い相手の娘(仙道敦子、チョコっとだけしか出ませんが、可愛い!)と一緒にいる時の優しい笑顔は、ほんと観音さまみたいな神々しさ。ああ、小百合さまみたいなお姉さんorママが欲しい!
幸子の夫役は、石坂浩二。今にも金田一耕助に変身しそう、ではなかったです。トニー・レオンを色白&ひょろっとした感じにしたみたいで、可愛かったです。あと、鶴子の夫役、役者時代の故・伊丹十三が見られたのも良かった。市川監督の金田一シリーズでもおなじみの、常田富士夫や白石加代子、小林昭二、三条美紀も登場してます。雪子のお見合い相手の一人に、江本孟紀が。なぜにエモヤン?しかも元子爵の役。スーパーマリオみたいな髭が笑えた。妙子に付きまとうボンクラぼんぼん役、桂小米朝もいい味だしてます。
あと、船場吉兆の名前も出てきたりします。おいしい弁当だった、なんて台詞があったけど、戦前も偽装や食べ残しの使いまわしとか、やってはったのやろか?
皆様のお気に温泉は、どこでしょうか?
「細雪」
市川崑監督を偲んで...
戦争の影が忍びよる頃の大阪。船場の名家・蒔岡家の四姉妹が繰り広げる、男女の恋愛や家族愛の物語。
谷崎潤一郎が原作、舞台は戦前の旧家、ヒロインは美しい四姉妹たち。キーワードはどれも、耽美でドロドロしたドラマをイメージさせるものですが、全然そんな内容ではなかったので意外でした。コメディとまではいかないまでも、かなりコミカルというか、人情喜劇系?クスっと笑えるシーンや台詞が多く、楽しかったです。
でもホント、某元首相のキャッチフレーズじゃないけど、美しい国・日本。Japan is beautifulと思わせてくれる映画でした。うつろう四季おりおりの情緒、着物や建物、人間関係の機微、どれも繊細なんですよね。華やかさも、どこか慎みがあって。もののあはれって、やっぱ日本だけの魅力ですよね。
蒔岡家の生活模様も、優雅だけど決して贅沢じゃない。大阪の元商家らしく、お金には結構シビアなところが、所々で描かれているのも笑えた(ネギを買ってきた家政婦に、土がついてないから長持ちしない!と怒ったり)。広い屋敷も、ゴタゴタケバケバしい飾り物や置物などなく、長い歴史の重みと情念が染み付いているような、ひっそりと冷ややかに静寂な空間。この古色蒼然さも、日本独特な美ですよね。アメリカのセレブや韓国の成金とは、世界が違います。お金だけでは住めない創れない世界。
しきたりや格式といった古い価値観が、花のように時代の風に散ってゆく。そんな滅びの悲哀が、しっとりと優しく感じられる流麗な映像にも魅了されます。
ヒロインの四姉妹と、彼女たちに関わる男女のキャラも、個性的で面白かったです。
のほほん陽気、子供みたいに感情的になりやすい長女・鶴子。しっかり者の良妻賢母、でもお人よしで周囲に振り回されてばかりの次女・幸子。おっとり慎ましいけど、何を考えているのか分からない三女の雪子。現実的で行動的な四女の妙子。いろんなことで反発し合って泣いたり怒ったりする四人ですが、橋田スガ子の渡鬼みたいな所帯じみた、貧乏くさい陰湿ネチネチ感は皆無。何を言っても何をやっても、はんなりと可愛らしい女性たちなのです。
大女優たちの競演が、やはり最大の見所でしょうか。四人とも美しい!
鶴子役の岸恵子は、どこかモダンで、初老なのに少女っぽい愛らしさがあって。幸子役の佐久間良子は、ほんと柔らかで豊麗な和風美女って感じで。妙子役の古手川祐子は、若さで溌剌としてて色っぽさが瑞々しくて。この三人、やたら家政婦さんに怒ったり八つ当たりするんだけど、ぜんぜん意地悪な感じではないのが可愛くて笑えます。
いちばん美しく、かつ魅力的なのは、やはり雪子役の吉永小百合かも。彼女の映画って、あんまし観たことなく、女性としては素敵だなあとは思うけど、女優としてはいつも同じような感じで、あまり評価してなかったのですが...この映画の小百合さまは、ほんと素晴らしい!
かしましい上と下の姉妹と違い、もの静かで奥ゆかしく超寡黙な雪子を演じる小百合さまの、透明感ある清らかで怜悧な美しさ&たおやかに謎めいた微笑みに、うっとりしちゃいました。ちょっと魔性っぽい、ていうか、ミステリアスな雪子のキャラも魅惑的。ギスギスした薄汚い系や、気持ち悪いブリッコ系ばかりの今の女優では、演じられない役です。やっぱ小百合さまって、特別な女優だなあと感嘆しました。サユリストの気持ち、解かるような気がする。清純で売ってる今の自称大女優たち、松嶋なな子や竹内U子、仲間ユキエなど、第二の小百合には絶対なれないと思います。
雪子の『ふん(うん)』、すごく愛らしくて、なおかつ謎めいていて、ちょっとマネしたいかも。幼い姪や、お見合い相手の娘(仙道敦子、チョコっとだけしか出ませんが、可愛い!)と一緒にいる時の優しい笑顔は、ほんと観音さまみたいな神々しさ。ああ、小百合さまみたいなお姉さんorママが欲しい!
幸子の夫役は、石坂浩二。今にも金田一耕助に変身しそう、ではなかったです。トニー・レオンを色白&ひょろっとした感じにしたみたいで、可愛かったです。あと、鶴子の夫役、役者時代の故・伊丹十三が見られたのも良かった。市川監督の金田一シリーズでもおなじみの、常田富士夫や白石加代子、小林昭二、三条美紀も登場してます。雪子のお見合い相手の一人に、江本孟紀が。なぜにエモヤン?しかも元子爵の役。スーパーマリオみたいな髭が笑えた。妙子に付きまとうボンクラぼんぼん役、桂小米朝もいい味だしてます。
あと、船場吉兆の名前も出てきたりします。おいしい弁当だった、なんて台詞があったけど、戦前も偽装や食べ残しの使いまわしとか、やってはったのやろか?
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