まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

俺が愛した銀盤の美少年

2024-09-25 | 日本映画
 「ぼくのお日さま」
 雪深い町で家族と暮らす小学生のタクヤは、フィギュアスケートの練習をしている中学生のさくらに胸をときめかせる。そんなタクヤを、さくらのコーチである荒川は気にかけていたが…
 久々の映画館での映画鑑賞。すごく佳い映画でした!優しく瑞々しく、そしてホロ苦い。驚きとか衝撃とかいったスパイシーな要素はないけど、タイトル通り、お日さまの柔らかく温かい光に包まれて幸せな気持ちになる、そんな映画でした。雪深い冬の景色も、不思議と冷たさと寒さを感じさせず、汚れない少年の心の世界のように美しかったです。お日さまとは、好きな人のこと。生きる歓びを与えてくれる純真な恋のこと。お日さまとは無縁な私の曇り人生の、何という寒々しさよそれはさておき、おもしろおかしい漫画映画も悪くないけど、等身大の人間を優しい目線で描いた邦画も、もっと観たいと思いました。

 とにかく主役の3人が、愛おしくなります。ダンススケート大会に向けて練習するのですが、猛特訓!なスポ根ではなく、すごく楽しそうで幸せそうで微笑ましいんです。3人ともそんなにお喋りじゃなく、台詞も少ないのですが、一緒にいる幸福感が交わす笑顔、なにげない仕草や表情で伝わってくる。幸せに多くの言葉は必要ではないんですね。ずっとこのまま…と願わずにはいられない3人の優しく幸せな時間は、ああ…何とも切ない形で断ち切られてしまうのです。まるで楽しい夢から覚めてしまったかのような悲しさと寂しさ、やるせなさ。永遠に続く幸せなんて、やはりありえないのですね。

 この映画、見方によってはかなり危ない内容で、見ていて心配になってしまうシーンもあったりして、ただのほのぼの系映画ではないところが、私にはツボだったのかもしれません。観ていてフランス映画の名作「シベールの日曜日」を思い出しました。シベールは幼い少女、タクヤは少年ですが。大人の男と小学生の男児の、微笑ましさを逸脱した親密さ…コーチがゲイという設定なので、禁断のにおいも薄っすら漂っているんですよ。精神的なショタコンBL映画、と言ってもいいでしょう。誰もいないスケートリンクでの、二人だけの楽しそうな練習。まさに二人だけの世界になってた。さりげない触れ合いや、交わし合う微笑み…さくらじゃなくても、こいつらまさか…?と疑ってしまう甘やかな雰囲気なんです。噂になってスキャンダル、みたいな展開になってもおかしくない二人にドキドキ♡

 コーチは明らかに、さくらよりもタクヤに関心と好意を向けていて、さくらにも優しいけどあくまでビジネスライク、タクヤに対する優しさとは全然違うんですよ。さくらとの練習中にタクヤを目で追って、さくらのことはなおざりだったり。結構露骨なので、身近にいてあれをスルーするにはよほどの鈍さが必要。悲しいかな、さくらは鈍感ではなかった。恋する少女の鋭さ、少女の潔癖さゆえの、あの残酷な拒絶。コーチも痛ましかったけど、私はさくらに同情せずにはいられませんでした。同性愛を嫌悪したのではなく、大人の欺瞞が裏切り行為、屈辱的な嘘に思えて許せなかったのではないでしょうか。幸せを破綻させたのは、さくらの気持ちに気づかなかったコーチの鈍感さ、さくらに彼氏とのイチャイチャを目撃されたコーチの軽率さです。でもそれだって、どうしようもなかったこと。誰も悪くなんかないのが悲しい。何も知らぬままポツンと置いていかれたようなタクヤが、いちばん可哀想だったかも。

 大好きな池松壮亮が荒川コーチ役。「DIVE!!」や「とめはね!」で部活に励む高校生だった壮亮くんも、今や生徒を指導する役。すっかり大人の男になって、色気もただならぬものが。あのニヒルで退廃的な雰囲気は、今の邦画界では唯一無二なのでは。都会の倦怠をまとったワケアリ感が魅力的な翳りになってますが、今回の壮亮くんはいつもより明るい優しい笑顔が多く、すごく可愛かった!すごい童顔でもあるので、3人で楽しそうにしてる姿に年の差が感じられない。その少年っぽさも素敵でした。


 壮亮くん、スイスイと銀盤を滑ってるのもスゴかった。乗馬とかピアノとか、にわか仕込みに見えない演技がいつも驚嘆な壮亮くんです。フィギュアスケーター時代の写真がカッコカワいかった!ちょっと残念だったのは、せっかくゲイ役なのに男性同士のラブシーンとかはなかったところ。同棲中のゲイカップルというより、シェアハウスしてる親友同士って感じだった。恋人役の俳優は、有名な人?苦手かも…

 タクヤとさくら役の子役が、すごく可愛かったです。すごい美少年、美少女ではないけど、優しげで爽やかで清らか。子役にありがちな、わたし演技うまいでしょ!可愛いでしょ!いたいけでしょ!な圧のようなアピールが全然なく、素人っぽい自然さに好感。二人ともスケートが上手!タクヤの親友役の子も可愛かった。タクヤが吃音、という設定の意図は?ぜんぜん障害になっておらず、むしろ可愛さましまし。元有名スケーターを個人コーチに雇えるなんて、さくらはかなりお金持ちのお嬢さま?
 静かだけど時に流麗なカメラワーク、柔らかく清澄な光があふれる映像や、冬・春の景色も美しかったです。ドビュッシーの「月の光」が、劇中で効果的に使われていました。

 ↑ 今秋は主演作「本心」も公開!このところ色っぽい役や演技は封印してる壮亮くんですが、そろそろ解禁希望
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真夜中の鬼ごっこ

2024-09-22 | 韓国映画
 「殺人鬼から逃げる夜」
 聴覚障碍者のギョンミは母親と帰宅中、連続殺人鬼に襲われ重傷を負った若い女に助けを求められる。殺人鬼は次のターゲットとしてギョンミに狙いをさだめ、逃げる彼女を執拗に追い始めて…
 韓流映画お得意の猟奇的サイコ殺人鬼もの。見知らぬ男にいきなり包丁でブスっ!すぐには死なず、被害者が恐怖と苦痛をたっぷり味わうメッタ刺しは、韓流のオハコ。韓国人って、ほんとメッタ刺しが好きですよね~。他の国の映画ではあまり見ませんし。執拗に、いたぶるようにヒロインを追っかけてくる殺人鬼が怖いのですが、殺人鬼そのものよりも韓国って国のヤバさのほうが怖いかもと、この映画を観ても思いました。まず、ヒロインが逃げ惑う夜の住宅街。韓流映画やドラマでもおなじみの、発展から取り残されてしまった、どこか陰惨な雰囲気がする殺伐とした貧民層の居住区。街灯もろくにない狭くて暗い夜道、あんなところ独りで絶対歩けない!住めない!でも、ヒロインも母親も平然とウロウロ独りで歩いたり、独りで待ってたりするんですよ。あまりの不用心さ、警戒心のなさにイライラしました。お母ちゃんなんか、いつ殺人鬼に殺されるかハラハラしたわ。

 この映画、話らしい話はほとんどなく、ひたすらヒロインと殺人鬼が追いかけっこをするだけなんです。やられる!間一髪!捕まる!逃げる!の繰り返し。フツーならすぐに殺されるはずなんだけど、ヒロインの運が強すぎるのか、殺人鬼のツメが甘いのか、なかなか決着がつかないのが何か笑えます。フツーならすぐ助かるはずでもあった。これも韓流ではおなじみですが、警察が怠慢で無能すぎ!ヒロインも、何やってんの?と呆れる行為が多く、特に貧民区から夜の繁華街に逃げてきてからの行動がおかしすぎる。いちばん変なのは、ゴーストタウンのような無人の貧民区。ヒロインと殺人鬼が鬼ごっこしていても、誰とも出くわさない。ここは異空間なのかな?と思ったほどに。

 ヒロインと母がろうあ者で、手話を使うという設定も、あまり活かされてなかったような。オードリー・ヘプバーンの「暗くなるまで待って」みたいに、ハンディキャップを逆手にとって逆襲、というカタルシスがほしかったかも。でも韓国の手話は興味深かった。日本の手話と同じ表現が多かったような。
 殺人鬼役は、「イカゲーム」の刑事役が有名なウィ・ハジュン。

 イケメン?麒麟の川島に似てる?地味でフツーっぽく見えるけど、韓国で実際に逮捕された凶悪犯罪者ってこんな顔してるよな、なリアルな不気味さが。韓流俳優なので、彼も長身でスタイルがいい!走る姿は、怖いというよりカッコよく見えた。着替えシーンでちょっとだけ脱いでますが、いいカラダしてました。若くて見た目も悪くなくて、身体能力も高い男が何で猟奇殺人鬼に?その説明などはいっさいありません。ヒロイン役の女優は、石原さとみを地味にしたような顔で可愛かったです。

 ハジュンくんも再登場する「イカゲーム2」は年末配信みたいですね!🦑旧作の「18アゲイン」と「バッド・アンド・クレイジー」観てみようか思案中…
 韓流ドラマといえば…今年は結構観てます!「Sweet Home」はシーズン2の途中でリタイア。「ペントハウス」全シーズン、面白かった!「禁婚令」「昼に昇る月」どっちも観るのが苦痛なくだらなさ、つまらなさでしたが、キム・ヨンデくんチョアチョアなので何とか観終えた。ヨンデくんの新作「損をしたくないから」も気にはなるけど、話がくだらないしシン・ミナ苦手なので躊躇。だいたいヨンデくんとシンミナ、年の差ありすぎて違和感!今はユン・ゲサンの「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」観てます
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悪魔のような貧しさ

2024-09-20 | 北米映画22~
 「デリヴァランス 悪霊の家」
 家族と新居に越してきたシングルマザーのエボニーは、生活苦や反抗的な子どもたち、実母との確執で精神的に追い詰められていた。そんな中、子どもたちに恐ろしい異変が…
 子どもに憑りついた悪霊と対決する母親と神父…という設定は、名作「エクソシスト」と同じ。いたいけな子どもが世にも恐ろしい醜悪な形相になり、おっさんのようなダミ声でおぞましい罵詈雑言を吐き散らし、壁や屋根に這い上がり宙に浮かんだり、といったエクソシストでもおなじみのシーンもあって、リメイクなのかな?と思ったほど。実話をもとにしていると聞いてビツクリ。元祖エクソシストと大きく違うのは、悪魔に襲われるのが貧しい黒人一家だということ。非現実的な悪魔よりも、エボニー一家の底辺生活、困窮っぷりのほうが現実的で怖かったです。
 家賃も光熱費も医療費も払えない貧しさ、治安も悪い、不衛生という劣悪な環境の中で、どんどん荒んでいくエボニーを見ていると、こっちまで絶望的な気分に。貧困から抜け出せない一家の、ドンづまり生活の描写が克明に生々しく描かれていて、オカルト映画であることを忘れそうになるほど。あんなハエがぶんぶん飛んでる家、私なら1日も暮らせません!地下室で猫の腐乱死体発見!とかゲロゲロ(死語)。『醤油でクソ炒めろ!』とか『股が臭い女!』など、エボニー一家や友人の悪態や皮肉で使うボキャブラリーが、下品すぎて笑えました。
 同じリー・ダニエルズ監督の「プレシャス」も、底辺黒人の貧困や虐待を描いたシビアな内容でしたね。「プレシャス」で主人公を虐げる鬼母を熱演し、アカデミー助演女優賞を受賞したモニークが、エボニーから子どもたちを引き離そうとする児童福祉員役で出演してます。執拗に辛辣にエボニーを責めるイヤな女なのですが、彼女がそうせざるを得ない理由が悲しい。子どもたちにみじめな生活を強いても頑なに一緒にいようとするエボニーに、すごくイライラしました。愛してるから親子だから、子どもが不幸でも離れない離さないって。親のエゴイスティックな愛で、子どもの心身の健全な成育を妨げてはならないと思うのだけど。エボニーも必死なのは分かるけど、子どものことをまず第一に考えてあげて、と言いたくなりました。

 エボニー役はアンドラ・デイ、悪魔祓いをする女性神父?役はアーンジャニュー・エリス、そしてモニークと、なかなか豪華な黒人女優陣。エボニーの母役の名女優グレン・クローズが、よく引き受けたな~と感嘆するやら呆れるやならな役と演技。露出高めの悪趣味な服を着て、男に色目を使う色狂い老女。あんな母親、絶対イヤだわ~。がん治療で毛髪がない頭をさらし、バットで車を叩きながら罵倒する姿は悪魔より怖かったです。さらに、末っ子に憑りついた悪魔が、エボニーの母ちゃんに変身するシーンの顔がヤバすぎる!パンティ丸見えなのたうち回りなど、70過ぎた大物女優が何でそこまで

 ほぼ女だけの映画で、イケメンや男前は出てこないのですが、エボニーの長男役の男の子がわりとイケメンでした。まだ少年ですが、将来いい男になりそう。悪魔に憑かれた子どもたち、ほとんど児童虐待!娘がコーラスのレッスン中に、呆然と生理の血を股からダラダラ流したり。末っ子が授業中にウンコして、それを教師に投げたり。ウゲゲすぎて目を背けたくなりました。悪魔のせいとはいえ、あんなこと一生つきまとう黒歴史ですよ。

 
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ハッピーサマーウェディング殺人事件

2024-09-15 | 欧米のドラマ
 Netflixのドラマ「理想のふたり」を観ました(^^♪全6話。
 富と名声を手にした美貌のベストセラー作家であり、夫と息子たちに愛される母親でもあるグリアは、完璧な女性として常に世間から注目されていた。そんな中、次男のベンジーが恋人のアメリアとの結婚式を挙げるため、家族や友人がグリア夫妻が住むナンタケット島に集合する。式の直前、アメリアの親友メリットの死体がビーチで発見され…
 映画やドラマってやっぱ、善人よりも悪人の話のほうが面白いです。日本のnetflixドラマ「地面師たち」もまた然り。そして、辛気臭い庶民よりも、ゴージャスな金持ちの話のほうが楽しい。好みの問題なんでしょうけど、同じテレビドラマでも「海のはじまり」とか、観続けるのが苦痛でしかなかったけど、このアメドラはサクサクあっという間に観終えてしまいました。ダラダラ引っ張らない間延びしない、6話から8話ぐらいのコンパクトに濃縮されたリミテッドシリーズが、最近お気に入りです。

 殺人ミステリーですが、深刻さとか重苦しさは微塵もなく、とにかくライトでリッチなブラックコメディ調。愛と欲望渦巻く金持ち一族が起こす殺人という設定はミステリーの定番で、目新しいものではありません。ラストに判明する事件の真相、犯人とその動機も、あっと驚くようなものではなく、ガチなミステリファンが観ると物足りないかも。もうちょっと捻りがほしかったかな、とは私も思った。人間ドラマとしても薄っぺらなのですが、そこがまさに金持ちのアメリカ人って感じ。ドロドロに陥らない軽薄さ、悲劇を喜劇にしてしまうバイタリティこそ、アメリカ人の美点であり怖さでもあります。

 とにかく明るくて軽薄!華やかに汚い!共感とか好感をねだってるようなあざとさがない。そういうテイストが好き。このドラマに出てくる連中、みんなそろいもそろってろくでもない奴らなのですが、「海のはじまり」の人たちのほうがよっぽど嘘っぽくて不快で気持ち悪いです。他人、家族さえ二の次!まずは自分!な強欲さと身勝手さ、冷酷さを剥き出しにする姿が醜悪かつ滑稽、でもそれが本当の人間の姿、愛すべき人々に思えました。こんな意地汚く性悪になるほど金持ちになってみたい、とさえ思った人もなげな鼻もちならない金持ちたちが、ラストにギャフン!と言わされ、みっともない目に遭う姿が痛快、そして転んでもただでは起きない図太さがあっぱれでした。

 キャストは豪華、というより実力派のクセモノをそろえた感じ。グリア役のニコール・キッドマンを筆頭に、みんな明るく毒々しくケレン味たっぷりの快演と怪演。ニコキさん、まず顔が怖い!魔女みたい。白い肌にはシワもシミも弛みもないんだけど、ツヤと潤いはない。人工的に隠せても出せないものが肌にはありますね。目と鼻が何か変?バービー人形みたいな細~いスタイルとかも、60歳前とはおよそ信じがたい。老醜、老臭ゼロだけど、その美しさは不自然極まりないんです。でも、最近のニコキさんはそれを逆手にとっていて、むしろ不自然な美しさを強烈な個性にさえしている。怪女役を嬉々として演じてる、したたかで賢い女優さん。スノッブで支配的で非情な女王さまなグリアはヤな女なんだけど、男のことでメソメソイジイジなんかしない、何があってもオロオロしない、ピンチもチャンスに変えようと奮起する不屈さがカッコいいヒロインでもありました。真犯人よりもグリアの過去のほうが驚き。バラされるのではなく自分でバラしてすっきり!な最終回での告白も、潔くて拍手ものでした。一般人にはとても着こなせない、高級感があってエレガントなニコキさんのファッションも見どころ。

 人当たりはいいけど最低なヤリチンヒモ亭主タグ役は、「スポットライト」でも好演してたリーヴ・シュレイバー。クズ&アホな長男トーマス役は「ローズの秘密の頁」や「ミッドサマー」のアイルランド俳優ジャック・レイナー。ぽっちゃり時代のクリス・プラット似のイケメン。いい人だけど優柔不断なマザコンの次男ベンジー役は、大好きなイギリス俳優ビリー・ハウル。彼、顔はイケメンではないけど、まとってる雰囲気がイケメンで好き。ビリーみたいな外人彼氏がほしいです。三男役の男の子も可愛かったです。

 ベンジーの親友シューター役は、インドのイケメン俳優イシャーン・カッター。顔が濃ゆくて可愛い。セクシー担当で、サービス無駄脱ぎも。すごい肉体美!トーマスの妻役は、元名子役のダコタ・ファニング。彼女もヤな女やらせたら天下一品な女優になりましたね~。「リプリー」同様、悪意や底意地の悪さがチラっと出る表情とか上手い!
 そして、衝撃の出演者が。一家のフランス人の友人イザベル役は、何と!イザベル・アジャーニ!

 まさかアメドラでアジャ様を拝見できるとは。ニコキさんもかなりのものでしたが、アジャ様の顔の不自然さも相当なものです。かなり妖怪化してます。ちょこちょこっとしか出てこないのですが、強烈な存在感です。出た(笑)!と誰もが思ってしまう見た目とキャラ。ミステリではおなじみの、怪しいけど絶対犯人じゃない道化キャラを、のらりくらり楽しげに演じてるアジャ様です。

 若いトーマスと愛人関係、かつては父親のタグともデキてた男狂いの淫乱BBA役、口を開けば相手はドン引きなエグい下ネタばっか言って笑わせてくれるアジャ様ですが、往年のファンとしては何か複雑な気分。あのイザベル・アジャーニが、こんな役こんな姿…おそらく視聴者の多くは、若い共演者でさえ、彼女がフランス随一の大女優だったことを知らないのでは。32歳のジャック・レイナーとの情事シーンとか、完全にお笑いコント。アンナチュラルすぎる顔ですが、凡百な美人とは桁違いの美貌の持ち主だったことを、ふとした瞬間に思い出させることもあるアジャ様でした。ニコキさんとアジャ様のツーショットがほとんどなかったのが残念。二人が同じ画面でガッツリ絡むのは、かなりホラーな画になりそう

 舞台となるナンタケット島が美しい!あんなところで富裕層な夏休みしたいわ~。オープニングのキャストのダンスがゴキゲン!みんなノリノリで楽しそう!笑顔で踊ってるビリーとジャックが可愛い!アジャ様の動きが何か鈍いのも微笑ましい。
 
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ボーっと火を噴くドラゴンVSイケメンマッチョ

2024-09-10 | 北米映画 00~07
 「サラマンダー」
 ロンドンの地下鉄工事現場で、クイン少年は長い眠りから目を覚ましたドラゴンと遭遇し、母親を殺されてしまう。地上に出現したドラゴンは人間を捕食し瞬く間に増殖、口から吐く炎で世界を壊滅状態に陥れる。成長したクインはノーサンバーランドにある砦で、生き残った人々が身を潜めるコミュニティのリーダーとなっていたが…
 いい年をして、いまだに子どもの頃と変わらず怪獣映画が大好きな私。この映画は、怪獣だけでなくイケメンも楽しめる美味しい作品となっています。後年オスカーも受賞し、今やすっかり熟年ベテラン俳優となってるクリスチャン・ベールとマシュー・マコノヒーの競演!今から22年!も前の映画なので、当然クリベーもマコも若い!カッコいい!そして、すごい肉体美!怪獣より二人の筋肉対決のほうがインパクトあるかも。

 クイン役のクリスチャン・ベールは、当時28歳ぐらい。子役から大人の俳優へと成長し、気鋭のイギリス演技派としてハリウッドでも注目されてた頃。もうすでにただ者ではない役者ではあった彼なので、この作品での別にクリベーじゃなくてもいいような、イケメンなだけの俳優でじゅうぶんな、演技力はあまり必要としない役に正直物足りなさを否めません。おそらくハリウッドマネーに目がくらんで出演したのでしょう。まあそれは、名だたる英国俳優ならみんなやってることです。クリベーにしてはフツーですが、若くてイケメンな彼を拝めるだけでも、映画を観るに値するものにしてます。お金いっぱいもらったからか、それ必要?なサービス無駄脱ぎもばっちり。すごいカラダしてます。食糧難の潜伏生活の中、ガリガリにならずあの肉体はありえないのでは

 当時33歳ぐらいのマシュー・マコノヒーは、クインたちの砦に突然現れるアメリカ軍の隊長のヴァン・ゼン役。当時のマコはライトなラブコメによく出てたので、坊主頭と魁夷な風貌で随分とイメチェンを図っており驚かされますが、顔はイケメンであることを隠せてません。マコもクリベーに負けじと無駄脱ぎしてます。彼もスゴいマッチョ!プロレスラーみたいです。ふんがー!とオノでドラゴンに特攻するマコが、悲壮なシーンのはずなのに笑えた。

 クリベーとマコだけでなく、もうひとり若かりし頃の男前が出演してます。何と、ジェラルド・バトラー!マコと同い年だから、当時33歳のジェリーも若い!深刻なクインをいつも励まし元気づける親友役のジェリー、いい奴っぷりと男くさい容貌が素敵です。


 若かりし頃のクリベーとマコのイケメンマッチョぶりは眼福ですが、かんじんのお話はツッコミどころだらけです。ドラゴンのCGもよくできてはいるのですが、ガンガン現れて襲いかかってくるわけでもなく、わりと登場シーン少な目。核兵器さえ効果なかったドラゴンと、マシンガンとか弓矢とかオノとかで戦ったり。クリベーひとりにやっつけられてしまうドラゴンの最期に笑止。ドラゴンのほとんどがメスでオスは一匹だけとか、いろんな情報はどこから?知ってたら、もっと早く対処や応戦できたのでは?と、あげればキリがないほどおかしな点はあるのですが、まあ子どもが観ても大丈夫な怪獣映画に、そんな細かいこと言うのも野暮というものですね
 
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