拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ディーン・ディクソンの第九(ソプラノは矢野滋)

2017-04-15 08:40:38 | 音楽
他にテオ・アダムがバリトン独唱をやってる第九はないか、と探してたら、テナーをヴンダーリヒ(!)が歌ってるのが出てきた。どれどれ、お目当ては独唱陣だが第1楽章から聴くか。ん?なんだこれは?素晴らしい。常に速めのインテンポできびきびと進行する。ロマン派の亡霊のようなまったり感とも、最近流行りのピリオド演奏のあざとさとも無縁。それでいて音は常に優しい。指揮者は誰だって?ディーン……と言ってもフジオカじゃない。ディーン・ディクソンというアメリカ人指揮者。カリブ系で初めてアメリカのメジャー・オーケストラを振った人で、しかし、差別に遭い、活動の場をヨーロッパに移したという。私が聴いた第九は、手兵のヘッセン放送交響楽団(その後、フランクフルト放送交響楽団に改称し、さらに今ではhr交響楽団と言うらしい)を振ったもの。このオケもすごくいい音を出してる。ディクソンが磨き上げたのだろう。さて、独唱陣、テオ・アダムとヴンダーリヒはちょっとはりきりすぎた感じ。アルトは大御所ヘフゲン。で、ソプラノが「Shige Yano」。え?矢野さん?日本人?そうだった。矢野滋さんは1960年代に広くヨーロッパで活躍した方だそうだ。とにかくこの録音はすごい。私にとっての第九のベスト盤候補。ところがCDジャケットの写真はヴンダーリヒの顔。ヴンダーリヒのお宝録音の一つ、という位置づけだ。でも、主役はなんといってもディクソン。

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3 コメント

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Unknown (神戸の髭)
2017-04-17 14:31:16
http://blog.goo.ne.jp/tenten_family6/e/e9a5fa517907e3ab060f4805b7b8beea
蛇足の追加 (神戸の髭)
2017-04-17 14:40:15
往年の名ピアニスト、松浦豊明氏の奥さんだったそうで。魔笛の日本初演で、パパゲーナを歌ったらしい(未確認)。
Unknown (飯島正史)
2017-04-17 17:48:39
へーえ。神戸市民にとっては身近な方だったんですねー。日本初のコロラトゥーラ・ソプラノと書いてありますね。たしかに、ヴンダーリヒやアダムと共演するんだから、相当な実力者なのでしょうね。

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