子供の頃、年末年始のテレビは「レコード大賞」「紅白」「行く年来る年」「芸能人隠し芸大会」と相場が決まっていた。それがいつの頃か「レコード大賞」と「隠し芸」を観なくなり(「隠し芸」は番組自体がなくなった。紅白はビデオに録ってそのうち、と思ってるが、今年のはまだ観ていない)、「第九」「ウィーンフィルのニューイヤー・コンサート」「ニューイヤー・オペラ・コンサート」が新たに加わってきた。「ニューイヤー・オペラ」はかなり昔から観ていた覚えがある。今みたいに寒い演出などなく、オケはステージ上に上がっていて、歌手が入れ替わり立ち替わり出入りする普通のガラ・コンサート方式だった(そっちの方がずっといいと思う)。白黒画面で伊藤京子さんが「よひょう、よひょう、どうしたらいいのぉ」と歌っていた。そのほか、冬休みはアニメの再放送も楽しみだったし、普段見られない映画が観られるのもありがたかった。「ゴジラの逆襲」と「大巨獣ガッパ」は冬休みにテレビで観たのが最初だったし、あと、あれは中学のときだった、年が明けた後もテレビで夜中に映画を放送していて、それで観たのが「デカメロン」。思春期の男の子には刺激的な映画だった。あと、これは前も書いたことがあるのだが、思春期の男の子が最後に憧れのお姉様によって「男」になる、で、朝、目が覚めると既に立ち去っていたお姉様がその子に代わって書いたメモ(僕は大人になった)が残ってた、ってヤツ、いまだにタイトルが分からない。そうだ、もう少し時代が下ってからだが、ベーム指揮、ポネル演出の「フィガロの結婚」のビデオが正月に3チャンネルで放送されたこともあった。へーえ、「フィガロの結婚」ってちゃんと(!?)演奏されるとこんなに面白いんだ、と思ったものであった。
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