年がまた開けてしまった。
言うまでもないことだが、元旦には能登半島を中心にした大地震があり、翌日には、羽田空港で飛行機の衝突事故という、これまたショッキングな出来事があった。
年々、年をとるごとに私の心は乱されやすくなり(情けないことだがそれは事実だ)、正月三が日は泣き暮らしていた。
思い返してみれば、私は阪神淡路大震災の被災者だった。
被災者だったのだが、当時の私はあらゆるものに対して心を閉ざしており、「面倒なことに巻き込まれたなぁ」という感想はあったものの、心理的にはいたって平板というか冷静さを保っていた。
それが変化を来たしたのは、東日本大震災においてだった。
津波に飲み込まれてゆく仙台の街並みに、なぜだか私の心は大いに乱れ、はらはらと涙が流れた。
もうこれ以上の動揺はないだろうと高をくくっていたら今回の震災が起こった。
わからないものなのはわかっているのだが、この私一人の短い人生の中で、三度も大震災を経験しようとは思ってもみなかった。
さて、前途多難な年初となった。
少しでも幸多き一年となりますようにと祈るしかない。
人間の小ささ、自分の非力さ。
祈ることを意味がないと嗤う向きもあるだろうが、そのような人は若いのだろう。
良き一年となりますように。