対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

楕円の発見と弁証法

2017-06-20 | 楕円幻想
ヘーゲル弁証法は頭で立っている。その合理的核心をつかむにはひっくり返さなければならない。この方向がマルクスの弁証法だった。
しばらく、ケプラーが楕円をどのように発見したのかを検討してきた。惑星の軌道に対するプトレマイオスとケプラーの関係は、弁証法に対するヘーゲルとマルクスの関係に対応するのではないかと思えてきた。プトレマイオスは離心円モデルに、エカント点(等化点)を導入すると、惑星の位置を正確に表現できること主張した。ケプラーはエカント点を引き継いでいる。
(引用はじめ)
プトレマイオスが「現象を救う」ために導入し、コペルニクスが追放した等化点に、ケプラーは自然の秘密の鍵を見いだした。
(引用おわり)
『世界の見方の転換3』第12章ヨハネス・ケプラー(山本義隆、みすず書房、2014)より