対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

2つの原則

2017-01-19 | 4元数
ハミルトンは複素数の二つの元1とiに対して垂直な第3の元jに気づく。
ハミルトンが複素数から類推して3元数を構想したとき、端的にいえば、2つの原則があった。
1 体の原則 加減乗除について閉じていること
2 絶対値の原則 絶対値の乗積は、乗積の絶対値に等しいこと
  |p||q|=|pq|
複素数で2つの原則を確認しておこう。
1 かけ算(だけ)で確認する。複素数同士のかけ算の結果は複素数になる。閉じている。
(a+bi)(x+yi)=(ax-by)+(ay+bx)i
2 |p|2|q|2 =|pq|2で確認する。
p=a+bi , q=x+yi,pq=(ax-by)+(ay+bx)i
(a2+b2)(x2+y2)=(ax-by) 2+(ay+bx) 2 成り立っている(ラグランジュの恒等式)。
3元数a+bi+cjx+yi+zjはどうだろうか。2つの原則と照らしあわせてみよう。

(ax-by) 2+(ay+bx) 2
=a2x2-2abxy+b2y2+a2y2+2abxy+b2x2
=a2x2+b2y2+a2y2+b2x2
=a2(x2+y2)+b2(x2+y2)
=(a2+b2)(x2+y2)