対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

テーゼとパラテーゼ

2006-04-10 | 九鬼周造

 わたしは、複合の二つのテーゼとして、テーゼ thesis とパラテーゼ parathesis を考えている。パラテーゼ parathesis のパラ para は、パラレル parallel(平行・並行)のパラ para である。パラ paraに、「 傍らに、並立していて、よく似ているが、違っていて、対立しているもの」という意味を込めているのである。

 「傍」の意味をもつ接頭語を、英語の辞書で探していて、by- にするか、para- するかで迷ったが、para- を選択したのである。

 昨日、「アンチとヘテロとパラ」を投稿した後、『「いき」の構造』のなかに、次のような指摘があるのを知り、うれしくなった。

 幾何学的図形としては、平行線ほど二元性を善く表わしているものはない

 テーゼ thesis とパラテーゼ parathesis は、二元性を保存しているのである。