ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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ユダヤ117~リーマン・ショックと強欲資本主義の復活

2017-10-24 09:27:08 | ユダヤ的価値観
●リーマン・ショックと強欲資本主義の復活
 
 ビル・クリントン政権に替わったブッシュ子政権は、再びレーガン政権を受け継ぐ新自由主義・市場原理主義の経済理念を取った。だが、その経済政策は、失敗に終わり、貧富の差が拡大し、税収が減少した。米国は、再び双子の赤字を抱えるようになった。
 こうした問題に対処するため、アメリカはウォール街の株式市場に海外から資金を集める必要を高め、様々な金融派生商品で資金を呼び込んだ。自己資金の何倍もの資金を借りて株式を買うレベリッジという手法により、巨額の取引が行われた。石油、穀物など、あらゆるものが、投機の対象となった。その活動は、強欲資本主義と呼ぶにふさわしい。ここで猛烈な活動をしたのが、ユダヤ系のゴールドマン・サックスに代表される投資銀行や、ユダヤ人のジョージ・ソロスらによるヘッジファンドだった。
 特に大きな社会問題となったのが、サブプライム・ローンである。サブプライム・ローンは、信用能力の低い階層を対象とした住宅ローンである。ウォール街は、そうした低所得者向けの住宅ローンを証券化し、これを安全性の高い商品であるかのように仕立てて、世界中で売りさばいた。
 2007年(平成19年)、サブプライム・ローンが焦げ付き、これをきっかけに世界的な金融危機が始まった。翌2008年9月15日、投資銀行のひとつリーマン・ブラザーズが倒産した。世界経済は約80年前に起きた大恐慌以来の危機に陥った。これがリーマン・ショックである。
 1929年の大恐慌は、投機的な投資が一つの原因となって発生した。恐慌後、アメリカでは金融危機の再発防止のための金融制度改革が行われ、銀行業務と証券業務の分離を定めたグラス・スティーガル法(銀行法)、証券法、証券取引所法が成立し、ウォール街の活動を監視する証券取引委員会(SEC)が設立された。
 大恐慌後に設けられたこうした規制は、1970年代までは、巨大国際金融資本の活動を抑えるのに有効だった。しかし、1980年代、新自由主義・市場原理主義の席巻により、レーガン政権の時代から徐々に規制が緩和された。そして、クリントン政権の1999年にグラム・ビーチ・ブライリー法が成立した。同法によって、銀行・証券・保険の分離が廃止された。その結果、金融機関は、持ち株会社を創ることで、金融に関するあらゆる業務を一つの母体で運営することが可能になった。これを理論的に推進したのが、新古典派経済学だった。
 「自由」の名の下、アメリカの金融制度は大恐慌以前に戻ってしまった。ウォール街は、さまざまな金融派生商品(デリバティブ)を開発し、サブプライム・ローン、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)等を生み出し、世界中を狂乱のマネー・ゲームに巻き込んだ。だが、猛威を振るったカジノ資本主義は、リーマン・ショックによって破綻した。
 リーマン・ショック後、米国では投機的な金融機関に対する一定の規制が行われた。しかし、その規制は小規模なものにとどまっている。強欲資本主義は、一時的なダウンから立ち上がり、その勢いを取り戻している。
 ユダヤ系金融業者は横の連携を取りつつ、再び富の獲得と拡大に活躍している。その中でアメリカの政権への参加が最も目立つ企業が、ゴールドマン・サックスである。ゴールドマン・サックスはユダヤ系で、もとはロスチャイルド財閥との関係が深かったが、現在はロックフェラー財閥とも融合している金融機関である。1990年代からウォール街を代表する投資銀行として巨大化した強欲資本主義の象徴的存在である。2008年(平成20年)の経済危機で、生き残りのために商業銀行に変わった。
 ところで、アメリカでは、経済政策は政府よりも連邦準備制度(FRS)が実権を握っている。FRSの理事会をFRBという。FRBについては、先に書いたが、米欧の巨大国際金融資本の連合による国際経済管理機構である。
 1980年代末から2000年代半ばにかけて18年間、連邦準備制度理事会に君臨したのが、アラン・グリーンスパンである。ブッシュ父、クリントン、ブッシュ子と政権が共和党・民主党・共和党と変わっても、グリーンスパンはFRB議長を続けた。それだけ巨大国際金融資本の支持があったと考えられる。グリーンスパンはユダヤ人であり、ユダヤ系金融資本、さらにロスチャイルド財閥、ロックフェラー財閥につながっている。グリーンスパンは、2006年(平成18年)にFRB議長を退任した後、住宅バブル、石油バブル、そしてリーマン・ショックを招いた責任を問われることになった。
 後任のFRB議長には、ベン・バーナンキが就いた。バーナンキは、プリンストン大学の教授だったが、ブッシュ子政権下でFRBの理事となり、2006年に議長となった。バーナンキはグリーンスパンを批判するのでなく、基本的にグリーンスパンの路線を踏襲した。結果が良くなかった部分を是正するという対応だった。バーナンキもユダヤ人であり、グリーンスパン同様、ユダヤ系金融資本、さらにロスチャイルド財閥、ロックフェラー財閥につながっていると見られる。バーナンキの在任中にリーマン・ショックが起こった。バーナンキは、大胆な金融緩和でこれに対処した。
 ところで、ユダヤ的価値観を最もよく体現するロスチャイルド家は、直系相続人が多数、第一線でビジネスマンとして活動している。その点が、欧米の多くの財閥の子孫が遺産相続人として巨大な資産を有する投資家となっているのとは異なる。世界の金価格は現在もロンドンのシティにあるロンドン・ロスチャイルド銀行で決定されている。そして、イギリス、フランスのロスチャイルド家には、欧米のユダヤ系投資銀行が創業者以来、姻戚関係でつながっている。そうしたユダヤ系投資銀行には、ゴールドマン・サックス、ソロモン・スミス・バーニー、ウォーバーグ・ディロン・リード、シュローダー・グループなどがある。
 ロスチャイルド家及びユダヤ系の国際金融資本家は、その豊富な資金力・情報力を用いて、ユダヤ系アメリカ人のシオニストやネオコンを支援している。支援が行われているのは、それがイスラエルやユダヤ人の利益となるとともに、彼らの私的事業の利益にもなるからであるに違いない。

 次回に続く。