ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

ユダヤ105~資本の論理によるグローバリズム

2017-09-23 08:49:59 | ユダヤ的価値観
●資本の論理によるグローバリズム
 
 ここでアメリカを離れて、世界全体を俯瞰しよう。20世紀末の1990年代から、21世紀にかけて、世界的にグローバリゼイションが急速に進んでいる。
 グローバリゼイションは、人・もの・カネ・情報の移動・流通が全地球的な規模で行われるようになる現象である。グローバリゼイションに伴い、技術・金融・法制度等の世界標準が形成されつつある。グローバリゼイションは、アメリカ主導で進められ、アメリカの標準を世界の標準として普及する動きとなっている。この動きは、アメリカの国益を追求する手段として推進された。またアメリカ的な文化、その伝統・習慣・言語・制度等を他国に押し付けるアメリカナイゼイションの動きともなった。アメリカ文化とは、イギリスで発達したアングロ・サクソン=ユダヤ的な文化がアメリカでさらに独自性を加えて発達したものである。その核心には、ユダヤ的価値観がある。それゆえ、グローバリゼイションは、ユダヤ的価値観が世界的に普及していく現象でもある。
 グローバリゼイションを戦略的に進める思想が、グローバリズムである。資本の論理によって国家の論理を超え、全世界で単一政府、単一市場、単一銀行、単一通貨をめざす思想――それが私の理解するところのグローバリズムである。現代の世界では、ロスチャイルド家を中心とするユダヤ系国際金融資本家と、彼らとユダヤ的価値観を共にするロックフェラー家を中心とする非ユダヤ系国際金融資本家が協力して、世界の変造を進めていると思われる。目的は、国民国家の枠組みを壊して広域市場を作り出し、最大限の経済的利益を追求することである。世界資本主義の思想とも言える。このグローバリズムによる世界変造の重要課題が、世界政府の創設である。グローバリズムは、既存の国家を超えた統一世界政府を目指す点において、地球統一主義または地球覇権主義である。また、それは巨大国際金融資本が主体となって、合理主義を地球規模で徹底して実現しようとする思想ある。私は、近代西洋文明が生み出した思想の典型であり、またその頂点だと考える。そして、巨大国際金融資本によるグローバリズムは、21世紀において、ユダヤ的価値観を世界的に普及・徹底する思想・運動となっている。ごく少数の超富裕層が所有者集団の指導部となり、優秀な経営者集団を使って、残りの人類を統治する社会の建設が目指されていると推測される。
 ところで、世界資本主義的なグローバリズムは、その対極であるはずの共産主義を容認し、支援し、育成し、救援しさえする。かつては旧ソ連に対して、現在は共産中国に対して、それを行っている。資本主義と共産主義を全く対立的なものと見ると、このパラドックスは解けない。
 私は、共産主義は資本主義の変形であり、統制主義的資本主義と認識している。共産主義は、帝政ロシアのような前近代的国家において、強力に近代化を進める。政府による上からの近代化であり、その実態は統制主義的資本主義である。巨大国際金融資本は、前近代的国家における共産主義を歓迎する。徹底した合理化によって、急速に近代化を進めるからである。統制主義的資本主義も、一種の資本主義であるから、巨大国際金融資本はその政府と契約することにより、市場と資源を獲得することができる。
 さらに、米ソの冷戦構造においては、無制限核戦争にならない範囲で、各地で戦争が繰り返されれば、軍需産業には大きなビジネス・チャンスとなっていた。その典型がベトナム戦争である。冷戦終結後も、この構造は変わっていない。戦争の種類と場所が変わっただけである。軍需産業は、常に戦争を必要としている。戦争を生み出し、戦争を広げ、戦争を長引かせることによって利益を得るのである。後に述べる9・11以後のアフガニスタン戦争、イラク戦争も、その深刻な事例である。軍需産業の背後には、巨大国際金融資本が存在する。戦争と破壊は、彼らに貨幣の増大をもたらす。各国の諜報機関は、戦争の発生・拡大・延長のために、しばしば謀略的な工作を行う。CIAの歴史は、その工作の数々に満ちている。こうした記述を低俗で妄想的な陰謀論と同じ類と嗤う人は、歴史の深層に迫ることも、世界の深層に達することもできない。
 グローバリズムは、資本主義的な経済活動だけでなく、国家(政府)とその軍隊・諜報機関を使った破壊活動を通じても、その目的を達成しようとしていると考えられるのである。

 次回に続く。