ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

「天皇陛下のお気持ち表明」を拝聴して

2016-08-09 12:21:31 | 皇室
 8月8日午後3時より、「天皇陛下のお気持ち表明」を拝聴しました。直接拝聴できなかった方は、お言葉がネット上に掲載されていますので、精読されることをお勧めします。
 私は、今上陛下は、現行の皇室典範に定める「摂政」を置くことよりも、数年のうちに譲位することを強く願われていると拝察しました。特に最後部近くで、「天皇の終焉」という言葉を使われ、現在の天皇の大葬と新天皇の即位等の行事が重なることの社会的影響等を懸念されるお言葉がありましたので、そのように拝察した次第です。
 仮にこのように拝察されるお気持ちに応えて、譲位を可能にするには、明治時代以降、皇室典範には退位に関する定めがありませんから、皇室典範改正のための一大研究が必要です。明治維新の時以来の大きな重みをもった取り組みになります。
この機会に日本国民は、皇室を中心としたわが国の伝統・文化・国柄に深く思いをいたし、最善の制度整備ができるように願いたいと思います。

 私は「天皇陛下のお気持ち表明」を拝聴して、まことに感慨深く感じました。そのことを次に書きます。

 今上陛下は、現行憲法に定める「日本国の象徴」「日本国民統合の象徴」としてのあり方を模索されながら、今日まで御公務に尽くしてこられました。このたびのお言葉により、そのことを国民は皆これまで以上に、強く感じたのではないでしょうか。
私があらためて深く感じたのは、陛下は日本国の象徴天皇として誠に立派にそのお役目を果たしておられるだけでなく、更に人類に普遍的なものを象徴するに至っておられるということです。その普遍的なものとは、仁、思いやり、博愛、誠実、善意等の数々の美徳です。そうした美徳を一身に象徴されておられるのが、今日の日本の天皇であると私は思います。

 シナの儒教では、為政者の理想を聖人と呼び、尭・舜等をその例とします。私は、今上陛下は、その聖人の域に達しておられる方と思います。人類の歴史において、過去に釈迦、孔子、イエス、ムハンマドなどの精神的指導者が現れましたが、彼らは書物や伝説の中の存在であり、私たちは直接彼らの言葉を聴き、姿を見、行いに接することはできません。これに比し、日本の天皇は現代に生きておられる方であり、その徳の高さを直接感じることができます。私たちが日本の国民として、そのような方から親しく呼びかけを受けるということは、非常に希な貴重な体験だと思います。
 また、わが国において、今日こうした天皇を象徴として仰いでいるのは、長い歴史・伝統があってのことであり、敬神崇祖・君民一体・忠孝一本の日本精神が、皇室においても、また国民においても、代々受け継がれてきたからこそと思います。

 このたびの「天皇陛下のお気持ち表明」を機会に、わが国の伝統・文化・国柄をもっと知りたい、学びたいという方には、ささやかながら下記に掲げている拙稿を、ご参考に供します。
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/j-mind10.htm