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「ALS」関連遺伝子を標的にした新薬登場

2024-03-20 10:36:57 | 
「ALS」(筋委縮性側索硬化症)はそれほど良く聞く病気ではないのですが、怖いというイメージがあります。

日本ALS協会によると、日本には約1万人の患者がいて、毎年2300人が新たに発症するとされています。

20代、30代で発症することもあるようですが、多くは50代以上、祖父母や両親など家族に患者がいるケース(家族性)が5〜10%を占めますが、それ以外の「孤発性」の場合、原因や発症リスクはほとんど分かっていません。

発症から人工呼吸器を必要とするまでの期間は、中央値で3〜4年とされています。手足の症状で始まるタイプに比べ、しゃべりや飲み込む嚥下機能低下で始まるタイプの方が症状の進行は早い傾向があります。

個人差が大きく、発症後1年以内に呼吸不全になることもあれば、10年以上も人工呼吸器を必要としない患者も1割程度いるようです。日本ではALS患者の症状や遺伝情報を基に病態解明や治療法開発につながる「ジャカルス」という研究が進められており、2023年末時点で2399人が登録しています。

ジャカルスの解析によると、人工呼吸器を導入した場合生存期間が中央値で約7年間伸びるという結果が出ています。特に50歳未満で導入した場合、10年以上生きられるケースが7割以上に上ります。

治療では症状の進行を抑える「リルゾール」と「エダラポン」という2種類のクスリを服用します。歩行機能や呼吸筋を維持するためのリハビリを行い、ロボットスーツを使った治療も保険適用されています。

体重を維持することが重要で、必要なカロリー摂取のため栄養士が関わることも多いようです。飲み込みが難しくなってきた場合には早めに胃ろうを作り、経管栄養を併用することも選択肢となります。

家族性ALSでは関連する遺伝子変異が特定されつつあります。そのひとつSOD1遺伝子を標的にした「核酸医薬」と呼ばれる新しいタイプのクスリが昨年米国で承認され、日本でも早期承認を求める要望書が提出されています。

このようにALSに関する解説を紹介しましたが、身体を動かす運動神経が変性するというのは、関わりたくない病気の筆頭と言えるのかもしれません。


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