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人はどこまで長寿になれるか、老化研究の最前線

2024-04-05 10:33:44 | 健康・医療
私は特に長生きをしたいとは思っていませんが、できればあまり老化せずにいたいという当然の気持ちはあります。

ワシントン大学の研究者は、老化のメカニズムを解明しつつあり、近いうち人の老化を遅らせ、健康寿命を延ばすことが実際にできるようになるでしょうと述べています。

日本では抗老化効果があるとされる「NMN」のサプリメントに販売が過熱し、世界でも老化研究を社会実装する取り組みに注目が集まっています。一見同じように見える「老化」と「加齢」は、科学的に見ると異なる考え方のようです。

老化とは時間の経過に伴う「身体の機能低下」のことで、加齢は時間の経過と共起こる「すべての現象」のこととしています。

たとえば「白髪」は、細胞レベルで色素を作り出す機能が低下したために起こる加齢の現象ですが、身体機能が低下しているわけではないため、狭義の老化には当たりません。これに対して動脈硬化の進行や皮膚のバリア機能、認知機能の低下などは、身体機能が低下する老化となります。

老化研究には二つの道筋があり、ひとつは「健康でいられる期間(ヘルススパン)」を長くすることを目指す道、つまり老化を抑えるという発想です。もうひとつは「寿命(ライフスパン)」を延ばすことを目指す道です。

ヘルススパンを長くする研究では、個々の臓器や細胞の老化を抑えることを目指しますが、この方法ではたとえ肝臓など特定の臓器の機能低下を抑えられたとしても、心臓など別の病気になってしまう可能性は残ります。つまり寿命を延ばせるとは限りません。

日本では現在「老化細胞」の研究が盛んです。老化細胞は体内に蓄積されると、炎症を引き起こす物質を放出することで周囲の細胞に悪影響を与え、動脈硬化などの病気の切っ掛けになることが分かってきました。

そこで老化細胞を取り除くことで、各臓器の健康寿命を延ばそうとする研究も進んでいます。ふたつ目の道筋は、個々の臓器や細胞の老化を抑えるのではなく、身体全体の根源的な老化のメカニズムを知ることで、寿命を延ばそうとするアプローチです。

近年「生命の設計図」であるDNAの振る舞いが、老化のメカニズムで重要な役割を果たしていることが分かりつつあるようです。寿命を制御する因子として、今では広く知られるようになったのが「サーチュイン」と呼ばれる因子です。

その他なぜ老化するとDNAの情報の読み取りが制御不能になるというような研究もあるようです。このように老化研究は進んでいますが、まだあまり当てにならないNMNのサプリメントを飲むぐらいしか対処法はないようです。

私は老化を防ぐことができればよいのですが、寿命を延ばすことが必要かは大いに疑っています。