ごっとさんのブログ

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日本で「歯が生える薬」が実現間近か

2024-04-01 10:32:05 | 
最近人生100年時代と言われていますが、そんな長寿にはならないと思っています。

実はヒトの歯の耐久年数はその半分のおよそ50年といわれています。良い歯が残るかどうかは個人差が大きく、特にケアなどしなくても痛まない人もいれば、入念に手入れをしても悪くなる人もいます。

私は後者で、母も若い内から歯に苦労していましたので、遺伝が占める部分もありそうです。そんな中人類の夢をかなえるべく、「歯が生える薬」が開発中であり、今秋から臨床試験が始まるという報道がありました。

1990年代には、歯は1つの遺伝子の変異で数が増えたり減ったりすることが分かっていました。歯は生える数が決まっていて、全部で32本あります。しかし元々数が足りない先天性無歯症という患者が全体の1%くらいいます。

また逆に、歯が32本より多くあるのを過剰歯といって、やはり1%くらい存在します。歯の数は決まっているはずなのに、増えたり減ったりといった揺らぎがあるようです。歯は分類でいうと心臓や肺とかと同じく「臓器」と考えられます。

噛むという機能だけでなく、体調に影響を及ぼします。また歯は成長の過程で乳歯から永久歯に生え変わります。つまりリニューアルできるシステムを持っているわけです。永久歯は抜けると生えてきませんが、これはUSAG-1というタンパク質が歯の成長を抑制しているためです。

歯は芽さえあれば生えてきますので、このタンパク質の機能をなくせば歯が生えてくるという事になります。そこでこのタンパク質の中和抗体を作製しました。マウスを使った実験では、中和抗体を打ったマウスには歯が生えてきました。

条件さえ整えば、100%生えるという結果が得られました。また歯のないイヌにも投与すると生えてきましたが、残念ながら100%成功にはならなかったようです。

ヒトについては当面無歯症の子供を対象にするようですが、問題は抗体医薬ですのでどうしても高価になることのようです。まだ薬価は決まっていないようですが、インプラント3本分ぐらいというので場合によっては100万ぐらいかかるのかもしれません。

それでも自分の歯が生えてくるというのは、現在のインプラントや差し歯だけでなく、新しい治療法となる可能性は高いような気がします。

まあ私はもう間に合いませんが、苦労した入れ歯などに変わるものができるのであれば、少々高くても試してみたかった気がします。

ただ現時点では、生えてくる歯が同じ大きさとかすぐ使用できるかといった問題点はあるのかもしれません。