ごっとさんのブログ

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コロナの組み換えタンパク型ワクチンを承認

2022-04-30 10:34:00 | 
コロナのワクチンの3回目接種を推奨している割にはあまり進んでいない気がします。

私はもう済んでいますが、これが本当に有効なのかまた免疫システムに悪影響はないかなどまだよく分かっていないといえそうです。

厚生労働省はアメリカのノババックス社が開発した新型コロナワクチンを承認し、国内で使える4番目となりました。これは「組み換えタンパクワクチン」と呼ばれる型で、国内で武田薬品が製造します。

政府は武田と1億5000万回分を契約しましたが、国内で製造できるため安定供給が見込めるようです。しかしこのワクチンが本当に必要かどうかは疑わしいような気がします。

現在は子供や乳幼児などを除けば、ワクチンが打てる人はほぼ全員2回の接種は完了しているといえます。つまり既に集団免疫はできており、感染者が出ても重症化しない態勢は整っているといえます。

それを感染者が減少しないため、抗体価を高めて発症しないようにする3回目接種というのは、今までの免疫学の常識に反しているといえます。

ワクチンは感染を防ぐわけではありませんが、2回接種していれば感染しても発症しないまたは発症しても数日で治るのがワクチンの効果です。大部分の免疫が正常な人は2回接種で十分であり、免疫系に問題がある人は何度接種しても効果は出ないという当たり前のことになっています。

4回目接種というはなしも出始めていますが、世界の免疫の専門家はなぜ黙っているのでしょうか。

さてここでは組み換えタンパクワクチンのはなしですが、これはウイルスの表面にあるタンパク質を合成して利用するもので、ファイザーやモデルナの「RNAワクチン」とは仕組みが異なっています。

18歳以上を対象に3週間間隔で1回0.5mlを2回筋肉注射するもので、6カ月経過すれば3回目にも使えるとしています。このタイプのワクチンは帯状疱疹や子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの対するワクチンなどがありますが、これからのワクチンの主流となるのかもしれません。

このワクチンの米国など海外で実施された臨床試験では、1,2回目の接種後に約90%の発症予防効果を確認しています。

対象となった治験はオミクロン株の流行前に行いましたが、厚生労働省のワクチン専門部会は慎重な審査の結果、国内の治験でも海外のデータと同様の結果が得られ、オミクロン株に対しても一定の有効性があると判断しています。

審査では2回目接種後に頭痛44.5%、筋肉痛48.1%、倦怠感38.9%などの副反応のデータも報告されましたが、多くは軽症で安全性に大きな懸念はないとされています。また3回目接種の治験では、中和抗体が上昇することも確認されています。

このワクチンをいつ使用するのかは分かりませんが、既に2回のワクチン接種が終わっている状況で、この新しいワクチンは何の意味があるのか疑わしい気もします。

日本人の体質と食事などによる特徴

2022-04-29 10:25:58 | 文化
日本人と欧米人では体質(遺伝子)も異なり、主に食事内容の差によって大きく異なるとされています。

例えば炭水化物を中心に食べてきた日本人の胃は形も変化し、鉤状胃といって縦に長く釣り針のように曲がった形をしています。

穀物は食物繊維が多いため、胃の蠕動によってよく砕き十分に処理してから腸に送る必要がありますが、胃が袋のようになって出口が高い位置についているため、食べたものをしっかり消化できます。

一方欧州系の人は肉食が中心で、脂肪とタンパク質は主に小腸で消化されるため、胃での処理は手早く終えて腸に送り出す方がよいのです。そのため胃酸の量は日本人より2倍多く、分厚い筋肉を使って内容物を力強く押し出せるようになっています。

どんな遺伝子が胃の形を決めるのかは分かっていないものの、体の設計図であるゲノムに違いがあるのは間違いないようです。近年増えている逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流することで胸やけや痛みが起きる病気で、家のかみさんも一時この診断を受けていました。

日本人全体の20〜30%に発生しているとまで言われていますが、以前は日本人には少ない病気でした。少ない原因は脂肪の摂取が少なかったことと、ピロリ菌の感染率が高かったためです。

ピロリ菌に感染すると胃酸を作る細胞が減って胃酸が少なくなります。穀物をじっくり砕くには時間がかかりますが、胃酸が少なかったことと胃が縦長であるために、逆流することはめったにありませんでした。

それが脂肪の摂取が増えピロリ菌の除菌が進むにつれて逆流性食道炎が増えたという指摘があります。日本人の胃は内容物をすぐ腸に送る構造になっていないため、脂肪が長時間胃に留まって胃酸の分泌が続いてしまいます。

ピロリ菌の除菌は必要な治療であるものの、日本人の身体はピロリ菌がいることを前提にできていたため、ピロリ菌が消えて体質のバランスが崩れてしまったと考えることができるようです。

次は悪玉コレステロール(LDL)のはなしです。LDLが増えると動脈硬化が起きて、脳梗塞や心筋梗塞になりやすくなると言われています。LDLは1つの物質ではなく、コレステロールの他にタンパク質とリノール酸、アラキドン酸などの成分が集まってできています。

ところが日本人のLDLにはリノール酸などよりもEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれていることが分かっています。これは日本人が魚を食べることが多く、EPAには中性脂肪を減らす働きが、DHAには動脈硬化を抑える働きがあります。

つまり日本人は悪玉のLDLをそれほど気にする必要が無いという説です。これはあくまで日本の伝統食を食べている場合という前提ですが、こういった見方もあるというのは面白い理論のような気がします。

生命の起源にも関連する代謝のありえない反応

2022-04-28 10:27:33 | 化学
このブログでも度々触れていますが、生命の起源というのが私が最も興味を持っていることのひとつで、いろいろ調べていますが本当に進展していません。

最近脂質二重膜が化合物を濃縮する性質があり、これが生命の発生部位ではないかという説を紹介しています。ここでは生命に欠かせない代謝の反応としての発見に関するものです。

これはケンブリッジ大学の研究チームの発見ですが、当然有機化学に関することですのでやや分かりにくいかもしれません。

非常に簡単にすると、通常は複雑な高分子(大体が酵素です)の存在下に起こる代謝の反応が、単純に代謝に関連する化合物何種類か混合するだけで、必要な化学反応が生じたというものです。

ここではこの反応を「勝手に起こっている」と表現していますが、酵素というタンパク質でできた触媒なしに進行したことを確認しました。ここでは解糖系といわれる糖を分解してエネルギーにする反応の一部を取り上げています。

生体はいわゆるエサを摂取し、それを分解してエネルギーにすることで生体系を維持していますが、そのすべての反応は酵素によって触媒される反応となっています。

従ってエネルギーを得るすなわち生きていくためには必須の工程ですが、酵素が先に作られたのかまたは何らかの化学反応が酵素なしに生じたのかは、生命の起源を考えるうえで重要な問題でした。

研究チームは解糖系に登場する12種類の化学物質(代謝中間体)をそれぞれ純水に溶かし、5時間にわたって70℃に加熱しました。これは海底火山付近の条件を模倣したものです。この結果解糖系や関連する代謝経路の化学反応が17種類も始まったとしています。

ただしこれは高感度の分析装置での観察ですので、どの程度の反応が進行したのかの詳細は分かっていません。またこの時原始の海に溶けていたと考えられる化合物のリストから、色々な物質を添加しました。

そのうち鉄を添加すると完全な代謝回路を含む28の化学反応を起こすことに成功しました。2017年までには、硫酸塩によって駆動するクエン酸回路を作ることに成功したほか、「糖新生」と呼ばれるプロセスによって、単純な化学物質から糖を作ることにも成功しています。

このような酵素という完全触媒を必要としない代謝回路として、二酸化炭素をアセチルCoAに変換する「アセチルCoA経路」など、他の代謝過程についても同様の成功を収めています。

今回の研究成果は酵素といった複雑な高分子がなくとも、生命のエネルギー代謝に必要な化合物が作られる可能性を示しましたが、生命の基幹となるタンパク質や核酸の高分子までは程遠いものです。

それでも生命の起源を探索する上では徐々に進んでいると言えるのかもしれません。

コロナで延期していた「囲碁大会」を開催

2022-04-27 10:30:05 | 文化
今年に入ってからコロナの感染者増から、ずっと延期していた「囲碁会」をやっと開催することができました。

幹事のIさんからいろいろメールが来ており、私はワクチンの3回目接種が終わればやっても良いのではと言っていましたが、やっとここにきて大丈夫ということになったようです。

ただ私は近くに碁会所はあるものの、あまり行く気にもなれず囲碁の方は全く遠ざかっていました。PCやタブレットに囲碁ソフトは入れてあるものの、どうも歳のせいか集中力が続かず、あまりやってみようという気にもなれず離れたままになっていました。

まあこの囲碁会は昔の職場仲間(私が最年少という年寄りの集まりですが)ということで、終わってから軽い飲み会が楽しみで行くようなものです。

囲碁会は13時集合ですので、駅のそばで昼食を摂ってから行くのですが、以前は駅前広場に喫煙所があったのですがこれが撤去されてしまい、昼食後の一服ができなくなってしまいました。駅の周りは路上喫煙禁止区域となっており、少しは喫煙者のことも考えてほしい気がします。

碁会所には喫煙室がありますので、そのまま碁会所に行きました。すでに幹事のIさんとKさんは始めており、まだSさんは見えていなかったのでコーヒーなどを買ってゆっくり一服していました。

この碁会所はかなり広く50面ほど碁盤が並んでいるのですが、本当に人が少なく10組ほどやっているだけで、平日の昼間ですので当然ですが年寄りしかいませんでした。

少し前の雀荘が満卓であったのとは大違いで、将棋は藤井5冠などで人気が出ていますが、囲碁はこれといった話題がなく人気がないのかもしれません。そうこうしているうちにSさんも来てすぐ対局が始まりました。

お互い久しぶりの囲碁ということで、おかしな手も出てしまいましたが、終盤まで若干私有利で寄せに入りました。ところがここで私のひどい見落としがあり、隅の一群を取られてしまいました。ここで私は投了しましたが、Sさんによればこれで細かくなったといっていました。

次にIさんと対局しましたが、序盤からIさんの碁がおかしいことに気づきました。変な言い方ですがIさんの碁に覇気がなく勢いがないのです。これは飲み会前に分かったのですが、Iさんは体調が悪かったようです。

やはり体調は万全でないと、碁の打ち方にも表れるものだと実感しました。この囲碁は大差で勝ち、最後のKさんには僅差で敗けてしまいました。

この後恒例の居酒屋での飲み会となりましたが、やはりIさんが不調ということでやや盛り上がりには欠けましたが、プーチン批判やコロナ問題で楽しい時間を過ごせました。

Kさんは会社のOB会の幹事をしており、昨年懐かしい人が何人か亡くなったというはなしが出ましたが、まあ我々の歳になるとやむを得ないことかもしれません。


黄砂から生まれる巻雲が温暖化を促進

2022-04-26 10:35:35 | 自然
今月初旬に気象庁が黄砂情報を発表し、中国大陸から黄砂が飛来するとして注意を呼びかけました。

黄砂は春に最も多く1年に15日程度観測されますが、最新の研究では黄砂が巻雲を作り、温暖化を促進することが分かってきました。私は神奈川県ですのであまり黄砂を見ることも無いのですが、かみさんの妹は鳥取にいますのでそれなりに被害が出ているようです。

黄砂はゴビ砂漠や黄土地帯など乾燥した場所で、強風により舞い上がった細かい砂やチリが上空の強い風に乗って遠くまで運ばれる現象です。黄砂の大きさにもよりますが、日本を通り越して北米大陸まで達することもあるようです。

黄砂が一年で最も多いのは春(3月〜5月)で、全国11カ所の気象台の観測によると年間15日ぐらい観測されます。黄砂は気象条件に大きく影響されるため、2001年のように大量飛来が重なり38日にも観測される年もあれば、2017年のように僅か3日だけの年もあります。

大気中を漂うちりやほこりの約4割が風によって飛ばされた砂ぼこりで、その量は毎年数10億トンに上ると推定されています。発生場所は北アフリカ、アラビア半島、中央アジア、中国などで世界各地にあり、特にサハラ砂漠は全体の約6割を占める世界最大の発生源です。

砂ぼこりは空を霞ませるだけではなく、航空機の離発着や人の健康、最近では太陽光発電のソーラーパネルへの影響など多岐にわたり、世界では気象災害として深刻に受け止められています。

そしてもうひとつ重要なのが地球温暖化への影響です。ちりやほこりは小さな氷や水の粒を集める核になり、雲作る重要な役割があります。調査研究が進められるなか米海洋大気庁(NOAA)が航空機を使った最新の調査結果を発表しました。

2016年から2018年まで4回にわたり世界を一周し、地球規模で砂ぼこりの分布調査を行いました。その結果世界で発生する巻雲の34%〜71%が黄砂などの砂ぼこりが作り出していることが分かったようです。

巻雲は小さな氷の粒が集まってできた雲で、最も高いところにできる雲です。この高高度にできる巻雲は、太陽の光を遮るより地面から逃げる熱を閉じ込める力が強いため、温暖化を促進するとされています。

この様に黄砂は空を霞ませるだけの存在から、気象災害さらには温暖化を左右する存在になろうとしているようです。このブログでもトンガ沖の海底火山の噴火による噴煙の影響で、この年から数年の夏は寒冷化が起きるという記事を掲載しました。

このように自然の現象についてはまだまだ人間は無力といえます。地球環境特に温暖化が人間の力によって変えることができるというのは、ある意味自然の力を過小評価している驕りのような気がしています。