ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

精神疾患の病態解明を進ませる技術の発達

2023-05-31 10:38:48 | 健康・医療
どうも私は精神疾患の患者に対して偏見があるようで、通常の病気の患者と差別しているようです。

自宅から少し離れたところに知的障碍者の施設があるのですが、そこの患者(生徒?)の集団を見ると何となく嫌悪感を抱いてしまいます。

精神疾患とは、気分の落ち込みや幻覚・幻想など心身にさまざま影響が現れる病気です。脳内の神経伝達物質の乱れなどにより起こるといわれ、うつ病や双極性障害、統合失調症などが知られています。

厚生労働省の資料によると、2017年度で日本国内に精神疾患を抱えた患者は419万人いるとされています。精神疾患のある患者数は2002年の258万人から大きく増加しており、特に外来患者数が増加しているようです。

躁うつ病を含む気分障害が1.8倍、神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害が1.7倍となっています。このように長引く不況や労働環境の悪化、生活不安などから精神疾患の患者数は増えています。

この精神疾患の診断・治療が進まない原因のひとつは、そのための時間と人手が足りないためとしています。専門医が少ないうえ、外科や内科とは異なり診断するためのマーカーがありません。そのため診断は問診で行うしかなく時間がかかり、患者側からしても精神疾患で受診するのに抵抗感があります。

社会に精神疾患に対する偏見があり、私もその一人ですが反省してもなかなか改善しないものです。こうしたことから患者側は症状の重さを自覚できなかったり、医師に症状を偽ったりし医師側も満足のいく治療ができない部分もあるようです。

しかしAI(人工知能)が発達すれば一度に大量のスクリーニングができるため、省力が可能になります。精神疾患は今以上に診断される人が増える一方で、治る人も増えるのではないかと予想されます。

例えば今話題のAIを用いた対話型の自動応答ソフト「ChatGPT」はその有力候補になるかもしれません。すでに技術的には実用レベルまで達していて、もうすぐ患者自身がChatGPTの医療版に悩みを打ち明け、診断を受けるきっかけになりそうです。

声にはその時の感情や健康状態が現れることが知られています。その声をバイオマーカーにして、精神疾患の診断に役立てようとする試みが行われています。

声帯は副交感神経である反回神経の支配を受けていて、ストレスを感じると交感神経が優位になり、声帯が緊張して周波数が高くなります。こうした声の状態を分析することで、心の状態を分析しようというわけです。

その他治療法としても磁気刺激による「うつ病TMS(経頭蓋磁気刺激)」なども始まり、大きな進展があるようです。このように精神疾患の診断・治療は大きく進歩していますので、今後の増加に歯止めがかかるかもしれません。

本当に「高血圧」放置してはいけないのか

2023-05-30 10:32:50 | 健康・医療
私は若いころ低血圧気味で上が110ぐらいしかありませんでしたが、このための不都合な症状などはなく過ごしてきました。

それでも76歳になると若干血管が詰まってきたようで、最近は120から130ぐらいになっています。この様に私は問題ないのですが、「高血圧」を放置してはいけないという記事をよく見かけるようになってきました。

この高血圧の定義もだんだん厳しくなっていくようで、140でもう高血圧であり130未満にすることが重要という意見も出てきているようです。一昔前までは血圧の基準が、年齢プラス90程度とされていました。

これは歳をとると血管が傷んだりして体に十分な血液を送るためには、ある程度の血圧が必要という考えのようです。それが年齢に関係なく、高血圧になると「脳心血管病」で亡くなるリスクが高まるという事で現在の一律140という値になったようです。

これを高血圧と定義すると、国内には高血圧患者が4300万人いるという推計値が出ています。さらにこの内自分が高血圧だと認識していない人が1400万人、認識しているが治療していない人は450万人、治療を受けているが治療目標に達していない人は1250万人もいるとされています。

このあまりに多い人数は、高血圧患者を病院が作り出しているのではないかと邪推してしまいます。実際に脳心血管病として脳卒中で亡くなる人が2019年で約10万人、心筋梗塞など心疾患で亡くなる人が約8万人と集計されています。

この数値からリスクを持った人が4300万人というのはおかしな感じがします。しかも高血圧だと分かっても、それが原因で脳血管病になるのは10年あるいは20年後とされています。そのために高血圧の治療をする必要が本当にあるのでしょうか。

降圧剤のメカニズムは、全ての薬が「正常な生理現象」を止めることによって血圧を下げています。したがって正常な生理現象を復活させようという体の働きによって、比較的短時間で薬は効かなくなってしまいます。

そこで別な作用の薬を使うことになるのですが、この「正常な生理現象」を抑えることで何か問題が出るのではないかと疑問を持っています。若いころ30代や40代で高血圧になるのは問題だと思いますが、この頃であれば生活習慣を見直すことで改善するのではないでしょうか。

高齢者が140程度の血圧で、降圧剤を服用する必要性は全くないと考えています。医療の進歩があり良い治療薬があるにもかかわらず、十分な対策が行き届いていない状態を、高血圧治療の専門家は「高血圧パラドックス」と呼んで問題視しているそうです。

私はそれよりも年齢別血圧の標準値を導入すべきではないかと考えています。

新型コロナ感染者、5類移行後に増加傾向

2023-05-29 10:34:42 | 時事
新型コロナはインフルエンザと同じ5類に移行し完全に収束した感がありますが、マスクなどの感染対策は続いているようです。

私は外出するときは必ずマスクをしていますが、個人の判断となった割には減らないような気がします。スーパーなどに行ってもほとんどマスクをしており、やはり日本人はマスク好きなのかもしれません。

面白いのは時々行くパチンコ店ではほぼすべての人がマスクをしています。ホール内は密閉されており、換気も不十分な感じはありますが、話をすることもほとんどない空間ですので、真っ先にマスクがなくなるかと思っていましたが、そういう傾向は全く感じられません。これから本格的に暑くなると、自然に減ってくるのかもしれません。

さてコロナ感染者数はインフルエンザと同じように定点医療機関からの報告になりました。26日に発表された1定点当たりの平均は3.56人で1週間前の2.63人より増加しています。

都道府県別では最も多かったのが沖縄県で10.81人、ついで石川県6.38人となっており、少なかったのが島根県1.55人、徳島県1.62人となっています。年齢別では10歳未満が最も多く0.55人、ついで50〜59歳が0.42人、40〜49歳0.41人、20〜29歳0.40人となっています。

高齢者が少ないのは、ワクチン接種などの効果が出ているためかもしれません。厚生労働省は新型コロナウイルスのオミクロン株派生型XBB,1.5の割合が増えているものの、感染性や病原性がより高い新たな変異株が流入していることを示す情報はないとしています。

インフルエンザと比較できるのかは分かりませんが、インフルエンザの場合は定点当たりの感染者数が10.0人以上で「注意報」、30.0人以上で「警報」となっていますので、先週より増加したとはいえ問題になる数値ではないと思っています。

定点把握は全国の感染症患者の増減を地区ごとに選んだ医療機関から報告を受けて調べる仕組みで、季節性インフルエンザでこの方法が採用されてきました。新型コロナの場合は、5類移行後「全数把握」からこの方法に変わりました。

全国約5000の小児科や内科の医療機関から報告を受け、月曜から日曜までの感染者数を金曜に公表しています。全数把握に比べると、定点把握は全国的な感染動向を捕える頻度や精度が低下します。

このため感染者が増えた場合の対応が遅れると指摘する専門家や自治体関係者は少なくなようです。しかし新型コロナがインフルエンザと同じようになり、感染対策は前述のマスクや手指の消毒などは続いていますので、それほど心配する感染症ではないといえます。

現在はほぼコロナ前と同じ生活が戻っていますので、定点把握で十分と感じています。

危険な頭痛のサイン「くも膜下出血」の判断

2023-05-28 10:32:57 | 健康・医療
もう2年ほど前ですが、私の友人の妹さんが「くも膜下出血」になり命はとりとめたのですが、後遺症で半身不随になってしまいました。明るく元気な人でしたが、今では会話もおぼつかないようです。

このくも膜下出血の症状についての解説記事がありましたので紹介します。私はあまり頭痛を感じることはないのですが、危険な頭痛の横綱がくも膜下出血のようです。

くも膜下出血は、頭蓋内にあるくも膜下腔に出血してしまう疾患です。外傷に起因するものを除くと、その多くは脳の血管の一部が膨らむ脳動脈瘤が破裂することによって引き起こされます。

発症のピークは女性が70歳代、男性が50歳代後半ですが、脳梗塞や脳出血とは異なり、発症は女性に多くしかも比較的若い患者が一定数存在するというのが、くも膜下出血の特徴といえるようです。

脳卒中全体のうちくも膜下出血が占める割合は6.7%と低いのですが、予後は決して良いとはいえず、重症例では発症後間もなく亡くなるケースも少なくありません。脳卒中全体(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)の救急車利用率は60%程度ですが、くも膜下出血に限ると85.6%が救急車を利用します。

くも膜下出血は発症後に再出血を起こさないように管理する必要があり、それらしい頭痛などの症状が認められる場合には、救急車を呼んで対応してもらう必要があるようです。

くも膜下出血の代表的な症状は、1)頭痛または頸部痛、2)意識消失、3)意識障害となっています。ここでは「くも膜下出血らしい頭痛」について解説しています。くも膜下出血における頭痛はとにかくめちゃくちゃ痛いのが特徴です。

バットで殴られたような頭痛と表現されることもありますが、とにかく痛く人生で初めてといわれる痛さとされています。また重要な点が、その痛みが突然訪れるという事です。

直前まで仕事や家事などを通常通り行っていたにもかかわらず、頭痛が突如起こり痛みがピークに達するまでに10分とかかりません。頻度の高い緊張型頭痛や片頭痛は、痛みを自覚してからピークに達するまで数十分ないしそれ以上かかりますが、くも膜下出血の場合には数分から10分以内に激烈な痛みとなります。

こういった急激な頭痛はくも膜下出血を考える必要があるようです。危険な頭痛の見分け方のキーワードは「最悪」「増悪」「突発」であり、非常に痛くどんどん悪くなる、そして突然痛くなるといった症状が危険のサインです。

くも膜下出血の場合は前述のように再出血を防ぐ必要がありますので、こういった突然の強い頭痛はすぐに救急車を呼んで対処する必要があるようです。

食欲をコントロールする7つのホルモンの話し

2023-05-27 10:32:06 | 自然
誰しも何時間か食べずにいれば空腹になり、十分な量を食べれば満腹になりますが、実際はかなり複雑なことが起きているようです。

さまざまなホルモンが空腹感や満腹感、脂肪の蓄積を調整し体重や健康に影響を及ぼしています。簡単にいえば、空腹感と満腹感は腸と脳(特に視床下部)でのホルモンの相互作用によって調節されています。

その主な働きは蓄えた脂肪を守り、体重をできるだけ安定させることです。この空腹・満腹調節システムは進化によって獲得されたものであり、代謝の速さや体重の維持など生存に不可欠な要素に影響を及ぼしています。

これらのホルモンには遺伝的な要因に影響されるものもあれば、ライフスタイルやある種の病気や体重や体組成の変化などに影響されるものもあります。

それぞれのホルモンはオーケストラの楽器のように協調しているため、どれか一つだけに注目するのは正しくないと専門家は説明しています。そういったホルモンについてみていきます。

まず「レプチン」ですが、全身の脂肪細胞から分泌されもう満腹だというシグナルを送って食欲を抑えます。肥満症の人は体脂肪が多かったり、レプチンが働きにくくなっていたりするため、レプチンの血中濃度が高くなる傾向があります。

これに対して摂取カロリーを減らして体脂肪を減らすと、レプチンの濃度は低下します。次の空腹ホルモンと呼ばれる「グレリン」は胃から分泌され、食事の直前に高くなり食後は下がります。体重を減らそうとしてカロリー制限を行うと、グレリンの普段の血中濃度が高くなります。

2017年の論文によると、グレリンのベースラインが高い人ほど、脂肪分の多いものや甘いものを強く欲し、6カ月の体重増加も大きいようです。3番目が「コレストキニン」で、食後に小腸から分泌される満腹ホルモンです。

胃からの食べ物の通過を遅くすることで消化を促し、満腹感を高めさせるとともに膵臓からの膵液や酵素の分泌を増やし、脂質やタンパク質を代謝させます。さらに脳の食欲中枢に作用して食欲を減らしている可能性もありますが、このメカニズムは完全には解明されていません。

その他食欲関連では、「インスリン」「コルチゾール」「GIP」「GLP-1」などが重要な働きをしています。空腹ホルモンに関連した近年の大きな動きとしては、GLP-1やGIPの働きをまねて肥満症や糖尿病を治療する新薬の開発が進んでいるようです。

このように空腹感や満腹感は単純な感覚ではなく、多くのホルモン類が複雑に絡み合いながら体重をコントロールしているといえそうです。

この辺りが過度なダイエットの問題点が出てくるようですが、結局適度な食事が健康のためには最も良いという当然のことになるのかもしれません。