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生命の起源について知っておきたい3つの仮説

2024-04-06 10:32:15 | 自然
生命の起源については、私が非常に興味を持っておりこのブログでも時々取り上げています。

約46億年前に地球が誕生し、その10億年後には生命の存在が確認されています。その間いったい何が起こったのか、色々な仮説が提唱されていますので、ここではそれを紹介します。

まずユーリー・ミラーの実験として知ら得る古典的(1950年代)な実験です。これは閉鎖された環境の中で水を加熱しつつ、水素、メタン、アンモニア、水蒸気が混じった気体に雷のように電気を流し、冷却するといった実験です。

その結果1週間もしないうちに、実験で再現された「海」は赤茶色に変わりました。生命の構成要素であるアミノ酸が作られたためとしています。

その後の研究により、地球の初期の大気組成は、この実験で作ったものとはやや異なり、主な成分は窒素と二酸化炭素で、水素やメタンは少ししかないことが分かりました。しかし提唱した化学反応の原理は概ね正しいようです。

雷が小惑星の衝突や太陽からの紫外線と合わさると、シアン化水素が生成され、それが水によってくみ上げられた鉄と反応し、糖などの有機物を形成しました。次がこのような有機化合物が、どのようにして保護膜に囲まれた複雑な細胞構造に進化したのかという問題です。

その鍵は「コアセルベート」かもしれません。コアセルベートとは、タンパク質と核酸を含む小さな液滴で、膜が無くても細胞と同じように中の物質を結び付けられます。

複数の研究者が、コアセルベートは初期のRNAやその他の有機物を濃縮する源細胞として機能していたと仮説を立てています。私は若いころにこのコアセルベート仮説を知り、大いに興奮しました。

これこそが生命の起源に繋がるのではと期待していたのですが、あれから数十年がたってもコアセルベートから生命を誕生させたという話しを聞きませんので、根源的な何かが足りないのかもしれません。

次が宇宙起源説です。アミノ酸などは、炭素や水など生命の重要な構成要素の一部と同様に、宇宙から初期の地球にもたらされたという仮説もあります。彗星や隕石には生命を構成する有機物の一部が含まれていることが分かっています。

これらの天体が初期の地球に、生命の誕生につながるアミノ酸をもたらしたのかもしれません。ただ私はこの説にあまり賛同できません。理由としてアミノ酸などの濃度の問題があり、少々含まれていたとしても、大量にかつ高濃度で存在するようになるとは考えにくいからです。

その他生命は深海底の熱水噴出孔の周りで誕生したのではないかという説もあります。いろいろ述べましたが、結局生命の誕生の謎が解かれることはないような気がします。