ごっとさんのブログ

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   薬と猫と時々時事

何のため高精度な時計を開発するのか

2018-01-19 10:46:57 | その他
私たちが便利に使用しているカーナビは、人工衛星から発信される正確な時間情報によって実現しているようです。

カーナビはアメリカが始めた全地球測位システム(GPS)を活用するもので、高度2万kmの上空に打ち上げられた31基の衛星から発信されている正確な時間情報で位置を割り出しています。

GPS衛星には、誤差が30万年に1秒以内という高精度の原子時計が搭載され、常時時間情報を発信していますが、この中から近くを飛行している3ないし4基の時間情報の到達時間の差を照合すると、受診位置を特定できる仕組みとなっています。

もともとは、米国が軍事利用を目的に開発したものですが、民間利用にも開放されたため、航海、航空、ドライブなど様々な場所で使われるようになりました。

問題は精度で、誤差が数m~数十mにもなるとカーナビには使用できませんが、セシウムやルビジウムなどを素材に使った原子時計が小型化し、衛星に搭載できるようになったことと、様々な補正方法が工夫されたことで、利用は一気に進んでいます。

時間精度の基準となる振動(周波)は、高い振動数(周波数)ほど時間を高精度に測定できます。1日の誤差が数秒~数十秒の機械式時計の振動数は1秒当たり5~10回、1か月に数秒~数十秒の誤差のクオーツ時計は数万回ですが、セシウム133原子の周波数は約92億回(正確には基底状態で91億9263万1770回)にもなります。

この辺りはあまりよく分かりませんが、代表的な吸収(共鳴)型のセシウム原子時計が説明されています。

1秒間に92億回もの周波数を1から数えるのは不可能ですが、92億回の周波数に設定したスペクトル線(分光器を通して光を分解した際に見える線)の周波数に近いマイクロ波を原子や分子に当て、両者の周波数が一致したときにマイクロ波の吸収が最大になる「ラムゼー共鳴」を利用しています。

共鳴すれば、マイクロ波が理論値の振動数で発振されていることが確認され、ズレていれば、取り出したデータを元に、内蔵している時計の基準としている発振器の周波数を補正しています。

これをさらに精度を高くしたものが東京大学が開発した「光格子時計」です。この辺りのメカニズムは省略しますが、300億分の1秒という誤差を実現する時計が現実となっています。こういった超高精度の時計が出現することにより、マイクロエレクトロニクスの精度を高めたり、通信における情報量が増やせるなど、新たな世界が見えてくるようです。

これがどんな世界かは分かりませんが、あまり便利になるのも問題なのかもしれません。
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バイオセンサーとは何か 今後の可能性

2018-01-15 10:49:01 | その他
バイオテクノロジーの発展に伴い、臨床診断検査、食品産業、環境分野などにおいて「バイオセンサー」が活用されるようになってきました。

生体分子を識別できる分析装置であるバイオセンサーはどのような活用の可能性があるのか紹介します。2020年には2.8兆円市場ににも成長すると見込まれていますが、現在の使用状況と今後の展望を解説しています。

バイオセンサーは、通常のセンサーとは異なり、生体分子を識別できる分析装置であり、酵素などの生物学的要素(バイオセンシング要素)と分析物との反応を電気信号に変換することにより、検査時の検体にあるヘモグロビンや特異抗原などの分子の存在もしくは濃度を感知し、測定する機能を持ちます。

バイオセンサーの構成要素は、大きく3つに分けることができます。1つ目は、検体の特定分子を識別する基質認識部位で、この基質認識部位と検体との化学反応の生成物をもとに、特定分子を認識し測定する役割を果たします。

2つ目は、「トランスジューサー(変換器)」であり、基質認識部位による物質識別素子となる抗体や酵素などの認識および測定を、電気信号に変換します。

3つ目は、認識された電子信号を正確に読み取るために、適切な単位に変換する「増幅器」「基準点」および「処理装置(プロセッサー)」があります。そこで処理されたデータを表示するために「ディスプレイ」が必要となります。

これらの機能により、臨床診断検査、食品産業、環境分野等において、アナログでかつ複数の段階・機器で実施されてきた測定検査が、一つの装置で実施することが可能となりました。

バイオセンサーは、分子のレベルで細かく検査できるといった特異性と的確性、また高速応答、コンパクトな構造及び合理的な開発コストといった特徴を備えています。

バイオセンサーが発展した理由として、遺伝子工学をはじめ、細胞培養、遺伝子組み換え作物、産業用発酵技術、バイオ燃料、環境汚染対策として使われるバイオレメディエーション技術などが活用例として増加したようです。

またヘルスケア業界では、生体検査が頻繁に幅広く実施されており、人件費および時間的コストを抑えるためバイオセンサーが導入されています。また臨床検査の現場において、体外診断用医薬品の測定速度と精度の向上にバイオセンサーは大きな役目を果たしたといわれています。

具体例としては「グルコースセンサー」があり、これのおかげで糖尿病の患者が自宅でも血糖値が測定でき、在宅治療が可能となっています。その他健康管理に必要なバイオセンサーも多く、今後も拡大していくようです。

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2018 新年のご挨拶

2018-01-01 10:41:43 | その他
明けましておめでとうございます

ここで新年のご挨拶を書くのは4回目になりますが、昨年も何とかほぼ毎日更新し、記事数も1000を超えることができました。

振り返ってみると、昨年は私にとっては平穏な1年であったといえます。12月の初めにインフルエンザにかかりましたが、それほどひどい症状は出ず簡単にほぼ平常の感じに戻ることができました。

やはり健康にやや不安を感じる年になってしまいましたが、タバコを加熱式タバコ(アイコス)に代えたのが良かったような気がします。アイコスの安全性などはまだデータがないということで、いろいろ取りざたされていますが、メーカーが発表しているように大幅に有害物質を減らせているような気がします。

それまでは色々なとき(例えば夜ベットに入った時など)に咳が出ていましたが、アイコスに代えた後は全くでなくなりました。

昨年は友人の病気などショックなこともありましたが、私自身はほぼ健康に過ごせたような気がしています。それでも体力が衰えたという実感はあり、私なりに健康に注意した1年でした。

このブログはできる限り続けたいと思っていますが、実際にはネタ探しがかなり大変になっています。新聞やテレビ、ネットニュースなどからとっていますが、入力する時間より探している方が長いような気がします。

昨年後半は内職の特許の件数が減りましたので、時間的には十分ありますしもともと医学系の記事は注目していましたので、それほど負担にはなっていません。

むしろブログに入力するとき、良い文章だと記事をそのまま入れたりしますが、こういった記者の書く文章と私のでは若干文体が異なってしまいます。読み直すとやや変な感じはするのですが、一種のアクセントになる気もしてそのままになっています。

通常こういった記事は、特集のようなものでない限り数百字程度になっていますが、これを私のブログでは1000文字にしますので、膨らませるのが大変な場合もあります。本来書き易く情報量も多いのは時事問題ですが、こういった方面を増やすと目的から外れるような気がして、私の興味ある問題だけにしています。

今年もこのブログは昨年同様に続けていこうと思っていますので、読者の皆さまよろしくお願いいたします。
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「遺伝か環境か」の議論は本当に不毛なのか

2017-12-29 10:39:04 | その他
あらゆる能力は遺伝的であり、能力の個人差は遺伝の影響を30~60%受けているという主張の行動遺伝学者のコラムを読みました。

筆者によれば個人差の多くが遺伝的であるということは科学的に証明されているとのことです。私はこの意見にはやや同意できないところもあるのですが、面白い見方ではありますので紹介してみます。

個人差は遺伝の影響が大きいという科学的知見があっても、これと反対の「学力は育て方と努力次第」という主張の方が圧倒的に多く、そのほうが希望を与えるので反論も多く出ています。

まず「私の親は学歴が低いのに私は一流大学には入れた(またはその逆)」、だから遺伝は関係ないという反論を「トンビが鷹」説としています。次が「何かの環境の変化がきっかけで(または努力)でこんなに変われた」だから遺伝は関係ないというのを「ビリギャル説」としています。

その他遺伝のことは知らないという無知論説や遺伝と環境は分けられないという不可知論説などを反論として出しています。当然「環境が大事だ」という反論もありこれを環境教の信者としています。

「トンビが鷹説」については、簡単なメンデルの法則で説明しています。例としてエンドウ豆の「丸」と「しわ」を上げていますが、これを掛け合わせると子はすべて「丸」となるのが優勢の法則です。ところがこの「丸」どうしの子供は4分の1の確率で「しわ」でてくるのが分離の法則です。

したがって親子や兄弟でも全く違った表現型になることは別に不思議なことでは無いとしています。ここでは遺伝とは形質の相対的な類似性を生む仕組みでもあるが、ゲノム全体で見ればこの世の誰とも全く異なる全く新たな個性的な組み合わせを生む仕組みであるとしています。

次が「ビリギャル説」ですが、行動遺伝学では学習しないでも知っているというような、本能のような意味ではなく、学習して習得される能力の個人差に遺伝的な差があるという意味のようです。

或ることについて学習したことがなく、そのためにできない・知らない人にとっては、きっかけを得れば知識を習得するために費やした努力の効果は絶大となります。つまりどんなに遺伝的に良い資質を持っていても、それを使う環境になければ発揮されることは有りません。こう書くと環境の方が重要な気がしますが、環境が変わっても遺伝的なものがなければうまくはいかないというのがこの「ビリギャル説」に対する反論です。

ここからこのコラムは教育とはという論点で展開していますが、この程度にしておきます。私はすべてが遺伝的に決まるということは賛成できませんが、生まれつきの個人差はあるような気もしています。
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どうなればAIが人間を超えるのか

2017-12-18 10:45:13 | その他
人工知能(AI)については、何度もシンギュラリティ(技術的特異点)をめぐる議論が行われているようです。

いわゆる「2045年にAIが人間の知能を超える」という話で、「AIが人間を滅ぼす」という話もあれば、「シンギュラリティは来ない」という話もある等、様々な議論がなされています。

こういった話では、「何がどうなればAIが人間を超えたことになるのか」という定義が全く統一されていない、または明確にしないまま語られているようです。統一するためには知能が何を意味するのかを決め、それを定量的に評価する必要がありますが、それが困難なようです。

そもそも人間自身が知能を定義できていないのかもしれません。知能を定義できない以上、それをAIが超えるとも超えないとも判断できないことになります。将棋やチェスで人間に勝つということは、確かに一つの明確な判定方法ではありますし、最近は囲碁でもAIが勝つようになりました。

しかしこれはあくまで一つの技術であり、こういった個々の点ではAIが勝っている部分はいくらでもありますが、シンギュラリティとは異なっているような気がします。

脳科学者の茂木健一郎さんは、人間の脳とAIを比べること自体がおかしいと主張し、「シンギュラリティが来るか来ないかという議論は意味がないし、あえて言うとシンギュラリティは来てしまっている」といっています。私はこの意見にはあまり賛成できません。

すでに人間が負けている部分は多く、例えば計算速度と正確さでは電卓に、記憶能力ではHDDに遠く及びません。しかしこれは人間ができないことをするために作ったものであり、シンギュラリティとは全く違った見方です。現時点のAIも、数万の医学論文をベースにして診断を下すなど、特定の分野で人間の能力を超えています。

この2045年説を唱えたカーツワイルは、「汎用人工知能が人類使用始めて出現する」に近いことを言っているようです。この汎用人工知能が人間よりも賢くなるのは2029年と予想しているようです。

このようにAIの近未来については色々な予想がされていますが、あまり良い記述はないような気がします。私が何となく気に入っているのは「人工知能が自分自身を改良しろという命題を受けたとき、ごく僅かでも改良できたとすれば、それがシンギュラリティである」というものです。

私の分野で言えば、過去のデータと患者の状況から最適な治療法を探し出すところまでは来ていますが、全く未知の治療法を構築するというのが、AIが人間を超えた時なのかもしれません。

シンギュラリティ後この社会がどう変わるのか(あまり変わらない気がしますが)見てみたいものです。
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