いくつかの章を読んでみたが、地政学は「学」と呼ぶほどのものとも思えない。地政学といっても、体系とか方法論があるわけではない。国家間の力関係や国際関係論を論じるときに地理的要素を無視できないのは当たり前のことではないか。
しかし、近年地政学は流行している。あとがきによると、戦後長らく日本において「地政学」は、かつて地政学がナチスドイツに悪用されたことから避けて遠ざけられてきた。それが過去10年 . . . 本文を読む
島旅ライター斎藤潤氏の1つ前の本。
著者の旅のスタイルを研究してみよう。
・島で祭りのあるタイミングを狙う。奄美大島竜郷町の平瀬マンカイ。悪石島のボゼ。大分姫島のキツネ盆踊り。
・伝統を残した集落を訪ねる。渡名喜島のフクギ集落。徳之島の石垣集落。
・自然がつくった絶景を見に行く。隠岐西ノ島の摩天崖。奄美与路島近くの無人島ハミャ島の砂丘。
・その島にしかない食材を味わい、それにかかわる . . . 本文を読む
6人の著者いずれもが、空き家・住宅問題と関連する諸制度をよく理解したうえで、ポイントをわかりやすく記述しているという印象あり。
各章にまとめと日本が学ぶべき点の記述はあるが、できれば最後に6人の著者による座談会のようなものを望みたかった。
1章
米独仏英韓、統計の取り方の違いから厳密比較は難しいが、各国で空き家対策がある。
生前贈与などをして最後に不要な不動産のみ相 . . . 本文を読む
島旅ライター斎藤潤さんによる本。
読んで旅心を誘われた島
礼文島(北海道) 学生時代に友人から聞いた桃岩荘ユースと8時間コース。事故により今ではコースも変更されコース名も変えられていた。来年6月、レブンアツモリソウの咲くころ、ぜひとも訪れたい。
志々島(香川県) 樹齢推定1200年の楠の巨木が有名になりつつある瀬戸内海の小島。
池島(長崎県) 2001年に突然閉山した石炭の島。炭鉱構内 . . . 本文を読む
明治末期から大正初期にかけてのおよそ100年前の5万分の1地形図とその最新版を対比し、長野県の地域の変貌を読み解く、という本。
長野県は、地形も土地利用もまことに変化に富んで多様である。
・火山性の高原地帯の山林や原野が別荘地、スキー場、ゴルフ場になり、山岳に観光道路やロープウェーが整備されるなど観光開発が進んだ。
・扇状地の桑畑や草地が農業用水によって水田化されたり、果 . . . 本文を読む
著者2人の会話は、歩きながら思いついた他愛のないことを言い合っているようだ。
ナビゲータ辻本氏の話
明治になって廃仏毀釈が三重県と和歌山県で特に強力に推し進められた。熊野三山でかろうじて残っているのが那智の青岸渡寺。本宮にももともとはかなりの数のお寺があったがほとんど残っていない。(新宮の)神倉山も、仏像はぜんぶ谷に捨てられてしまった。徹底して仏教を排斥した。
ナビゲ . . . 本文を読む
アフリカ経済の本の次はアメリカの白人ナショナリズムの本。
白人至上主義者は、決して低学歴・低所得の下層の人々ばかりではない。第1章に登場するテイラー氏はイェール大卒の翻訳家でワシントン郊外の邸宅に住む。white nationalistと呼ばれるが、自身はrace realist(人種現実主義者)、・・・・を好んで使う。
白人ナショナリストといっても様々な団体があり、本書95ページ以下に . . . 本文を読む
・はじめに
21世紀に入り、アフリカは「希望の大陸」へと変貌を遂げたと言われるようになった。しかし本書はアフリカの本当の姿を、「急速な市場経済化から生じた歪みがときにはテロや紛争といった暴力的なかたちで顕在化」した、「人々が市場競争から取り残され、貧困と絶望の中で手足をもがれたまま『沈みゆく大陸』」なのだと言う。
・第2章 混迷するサヘル
フランスやカナダ、中国の資源 . . . 本文を読む