読書ノート  

主に都市、地域、交通、経済、地理、防災などに関する本を読んでいます。

日本人という呪縛—国際化に対応できない特殊国家

2024年03月30日 | 国土・都市(国土政策局・都市局)
特に目新しいことがこの本に書かれているわけでもない。私自身が日ごろつぶやいていることと共通することも多い。にもかかわらず、これほど読んでいて不愉快になる本も少ない。日本という国と日本人の弱みを容赦なく攻撃されているからだろう。著者の意見の全てに同意するわけではないが、否定できない指摘事項=日本の問題点のいくつかをノートする。総論では日本人は本当の自由を知らず、制度をひたすら守り、過剰に働き、苦痛を . . . 本文を読む

限界分譲地—繰り返される野放図な商法と開発秘話 吉川祐介2024

2024年03月20日 | 不動産・住宅(不動産・建設産業局、住宅局)
『限界ニュータウン』の著者による続編。前著ではあまり触れられていなかった(と記憶している)都市計画法に関する記述が第1章でちゃんとなされている。限界分譲地は、その立地よりも自治体の開発規制に左右される面が大きい。1968年に都市計画法が制定されたが、その後に限界分譲地となった土地は都市計画区域外または非線引きに区分けされたため、規制は緩く、地価は安く、許可不要で開発できる面積規模も広かった。自治体 . . . 本文を読む

大学的相模ガイド—こだわりの歩き方 塚田修一編 2022

2024年03月18日 | 地理、観光(国土地理院、観光庁)
いわば「じゃない方」の神奈川とも言われる相模地域、具体的には相模原、海老名、厚木、座間、大和それに東京都の町田を対象として、「何か」を見出そうと試みた本。相模地域は、国道16号線の郊外空間であり、一般的には「地域の独自性が失われた均質的な郊外空間」、「何もない郊外」という評価がされがちだ。・多くが相模野台地上にあるため水利に恵まれず、長らく原野が残り、開墾される余地を残してきた。農家の女たちは畑ま . . . 本文を読む

財政・金融政策の転換点—日本経済の再生プラン 飯田泰之 2023中公新書

2024年03月04日 | 経済・財政・産業(財務省・経済産業省・日本銀行)
経済カテゴリの本は結構読んでいたつもりだが、経済学の本を読んでノートを書くのは久しぶり。経済学の復習と最近の金融政策に関する知識のアップデートのためにと思ってこの本を購入し、読み進んだ。ブキャナンの新正統派批判とかモディリアニとか、50年近く前に学習したことを懐かしく思い出した。 しかし、読み進めていくうちに、この本はリフレ派と言われる著者の主張が込められていることがわかってきた。(第3章)日本 . . . 本文を読む