読書ノート  

主に都市、地域、交通、経済、地理、防災などに関する本を読んでいます。

東京・再開発ガイド 街とつながるグラウンドレベルのデザイン 大江新 2022

2023年03月23日 | 建築・土木
第1部「東京の超高層・大規模再開発を歩く」は、約150の東京都区部における超高層ビルや大規模集合住宅、大型商業ビルを、結界、視線、通り抜けと滞留、地形との関わり、新旧対比など12の視点から批評している。 建物が道路からセットバックする場合、道路沿いに列柱や樹木で何らかの結界を設けることで、道路~結界~広場~建物といった重層性が生まれ、広場の”懐”効果も高まる。 ビルが増えれ . . . 本文を読む

新興国は世界を変えるか—29ヵ国の経済・民主化・軍事行動 恒川惠市 2023 

2023年03月22日 | 国際関係・海外事情(外務省、JICA)
第1章 発展途上国の開発可能性については、1950年代以降冷戦が激化する中で、論争が活発に行われた。・近代化論者 先進国からの技術や資本を取り入れることで「離陸」できる。 W。W.ロストウ「経済発展段階」説・マルクス主義者 途上国は常に搾取されてきたがゆえに持続的成長できない。長期的に発展するためには社会主義革命が必要。 Chapter 1 The development potential of . . . 本文を読む

地理学で読み解く流通と消費 土屋純 2022 Distribution and Consumption Analyzed by Geography / Jun Tsuchiya

2023年03月15日 | 経済・財政・産業(財務省・経済産業省・日本銀行)
タイトルから想像できるとおり著者は地理学者だ。けれども、地理や都市計画の知識はある程度あり流通業については素人である私が読むと、この本は地理の本にありがちな環境決定論に陥ることなく、スーパー、コンビニ、チェーン店等各業態の特徴や個別企業の、物流システムの発展について丁寧に解説しているところが優れているという感想を抱いた。カバー裏に「ユニクロはなぜ郊外から都心へ出店場所や規模を変化させたのか」とある . . . 本文を読む

城郭研究家の全国ぶらり城めぐり 中井均 2022

2023年03月13日 | 地理、観光(国土地理院、観光庁)
多くの城跡は桜の名所でもあるが、そのほとんどは城だった江戸時代には桜はなく、城跡になった明治時代以降に植えられた。長年、城郭の研究に携わってきた著者が、定年退職後、奥さんとともに桜の咲く城跡を自由気ままに巡るという夢を叶えた。4月スタートとなる初年度は彦根城から北へ、翌年は3月に九州・志布志城から九州、中四国の城を巡った。登場する30の城は、彦根城、高遠城、鹿児島城や伊予松山城といった著名な城もあ . . . 本文を読む

日本の生きもの図鑑 監修:成島悦雄・多摩六都科学館 2020

2023年03月12日 | 環境、自然(水管理国土保全局、環境省、林野庁)
旅行先で目にする樹木や花、鳥や昆虫の名前がわかるといいなと思っていたら、ジュンク堂で便利な図鑑を見つけ即購入。これ一冊で日本に生息する樹木、草花、虫、両生類、は虫類、鳥、ほ乳類、魚、その他、合計307種類がまるわかりという図鑑。しかも、1章:街、2章:里、3章:山、4章:水辺、5章:海辺、6章:離島(沖縄や小笠原)と場所別の構成になっている。で、この本をパラパラめくって最初の発見は、カナブンとコガ . . . 本文を読む

鉄道と郊外~駅と沿線からの郊外再生 角野幸博編著 2021

2023年03月02日 | 国土・都市(国土政策局・都市局)
 本書のテーマは「鉄道からの郊外再生」。著者をはじめ執筆者は関西の都市計画・都市政策研究者及び都市開発実務家(阪急)だ。 日本の関東圏と関西圏に共通する特徴は、複数の民間鉄道事業者が都心から郊外に路線を伸ばし、住宅地開発はもとより、観光地開発や学校誘致など多岐にわたる不動産開発を手掛けたこと。人々の生活は今も鉄道に大きく依存している。(序章) このことに異議はない。しかし、本書を読むと、鉄道や駅前 . . . 本文を読む