読書ノート  

主に都市、地域、交通、経済、地理、防災などに関する本を読んでいます。

丹下健三都市論 豊川斎赫編 2021岩波文庫

2022年03月23日 | 国土・都市(国土政策局・都市局)
日本で最も有名な建築家、丹下健三の論考集。 本書は3部構成で「Ⅰ都市の再建」は1948~1950にかけて執筆された論考で、編者解説によるとキーワードか生産力、国民所得、都市計画。地域の生産関数など、後の政府の経済計画、国土計画に繋がる議論や、我が国の封建的な土地支配関係というこれも高度成長期の日本を悩ませることになる土地問題を論じている。「Ⅱ東京改造計画」は1960年頃に発表された論考からなり、 . . . 本文を読む

県都物語—47都心空間の近代をあるく 西村幸夫2018

2022年03月21日 | 国土・都市(国土政策局・都市局)
日本の中規模以上の都市はほぼ400年前に城下町や宿場町として建設された計画と市がほとんどである。 47県都のうち戦災を逃れたor軽微だったのは16、6月半ばまでに降伏していれば空襲から救われた県都は27。県都のうち戦災復興都市に指定されたものは31。 戦災都市が現在の形となるにあたっては、戦災復興都市計画は決定的に重要な役割を果たした。幹線街路の都市風景はこの時期にいっせいに形づくられた。 . . . 本文を読む

鹿児島のトリセツ 昭文社編集部2021

2022年03月16日 | 地理、観光(国土地理院、観光庁)
姶良カルデラは2万9000年前に巨大噴火が起こり、大規模な火砕流が南九州一帯を覆いつくした。火山堆積物シラスの厚さは最大200m。その後2万600年前に姶良カルデラの東縁で火山活動が始まり、以後噴火を繰り返しながら現在の桜島をつくった。 鹿児島県には、火砕流堆積物が自らの熱と重さで固まった溶結凝灰岩が広く分布している。溶結凝灰岩には多くの種類があり、石垣、建材、墓石などに広く利用されている。西郷 . . . 本文を読む

車窓の風に吹かれて―作家たちの鉄道旅 「旅と鉄道」編集部編2021

2022年03月11日 | 地理、観光(国土地理院、観光庁)
  「旅と鉄道」に掲載された13編の鉄道紀行文。 泉麻人2011年10月  各駅停車で高崎線、上越線と乗り継ぎ、沼田で下車。段丘面の屋根のある階段道と旧街道に軒を並べる個人商店。弥彦で夜の神社を参拝し門前の旅館で宿泊。寺泊でノドグロを味わい、北陸本線(新幹線開業前だった)筒石のトンネル駅で特急の風圧を感じる。2泊目は氷見。バスを乗り継いで県境を越え、七尾から列車で金沢、福井、今庄、 . . . 本文を読む

新L型経済 冨山和彦+田原総一朗 2021

2022年03月07日 | 経済・財政・産業(財務省・経済産業省・日本銀行)
2020年8~9月に行った対談をもとに編集された本。冨山氏の発言のピックアップ。The book is edited from a conversation conducted in August-September 2020. Pickups of Mr. Tomiyama's remarks. GDPのうちグローバル企業=Gが稼いでいるのは3割程度、残りの7割を占める諸々の産業はL=地域密着 . . . 本文を読む

岩村充 国家・企業・通貨 グローバリズムの不都合な未来 2020

2022年03月04日 | 経済・財政・産業(財務省・経済産業省・日本銀行)
第5章 漂流する通貨たち 著者の理解では、MMTの核心は、財政に関するルールを考えるとき、借金は悪だという思い込みから脱し、財政規律をインフレ率基準に切り替えるべきと言う主張をするところにある。つまり、財政の運営目標を収支均衡に置くのではなく、インフレ率が高くなったら増税し、デフレが問題になったら減税する、それで悪くないだろうという主張だ。主流派の金融政策ルールの財政政策版とも言える。 「イン . . . 本文を読む