読書ノート  

主に都市、地域、交通、経済、地理、防災などに関する本を読んでいます。

新型コロナの科学 黒木登志夫 2020

2021年03月29日 | 福祉・医療・人口・労働(厚生労働省ほか)
 この本は、2020年10月23日までの動向と研究成果に基づいて執筆され、年末に出版された。  再校時の追記は11月23日。ファイザーとモデルなのワクチン開発が明るいニュースとして追記されている。  それ以外の、治療薬の開発、BCGやイベルメクチンの効果、そもそも国による感染の大きな相違の原因究明などについては、その後4か月で進歩がなかったように思う。  その間に日本では第3波が広がり、収束 . . . 本文を読む

地図で見る日本ハンドブックAtlas du Japon レミ・スコシマロ 2018

2021年03月20日 | 地理、観光(国土地理院、観光庁)
 フランスの日本を専門とする地理学者が書いた「今日の日本を包括的に理解する」ための本。著者は「異国趣味を可能な限り排除」し、それは「日本について語るものがおちいりがちな本質主義やセンセーショナリズムの誘惑をしりぞけるため」だと「はじめに」に記されている。  記述内容は、日本の自然や列島への人の渡来から、稲作農業、現在の都市、経済と社会、世界と日本と多岐にわたり、全体としてはバランスのとれ、日本人 . . . 本文を読む

地図で読む松本清張 帝国書院2020

2021年03月18日 | 地理、観光(国土地理院、観光庁)
 昭和30年代前半=1950年代後半に松本清張が書いた推理小説の舞台となった場所の地図を描き、主人公あるいは犯人の移動経路を辿り、利用した交通機関の当時と現在との違いに感慨にふける。  殺人事件、自殺、不倫、詐欺、政治家と役人の汚職、知られたくない過去、敗戦の混乱と米兵相手の仕事、背後にうごめく巨悪。松本清張の小説はだいたいこんな話だが、私はあまり興味ない。  時代は日本が戦後復興を終えて高度 . . . 本文を読む

地域衰退 宮崎雅人 2021  Regional decline

2021年03月12日 | 国土・都市(国土政策局・都市局)
 かつて地域に雇用を生み出してきた製造業、リゾート、建設業は、1990年代の終わりから2000年代にかけて、多くの地域で雇用を生み出すことが難しくなった。これら基幹産業の衰退は地域衰退の要因となっている。  長野県須坂市 従業員3000人の富士通が2002年からリストラ。  長野県王滝村 村営スキー場来場者がピーク年の66.8万人から10万人以下まで激減。多額のスキー場債務のため町村合併からも . . . 本文を読む

知の旅は終わらない 立花隆 2020

2021年03月10日 | その他・未分類
 立花隆は1940年生まれだから80歳のときに書いた本。タイトルは「終わらない」だが最終章は「死ぬこと」まで書いてある。おじいちゃんが孫に読ませようと書いた本だと思えば、ホラ話も気になることはない。しかし「おじいちゃん、すごいね」と感心するだけの孫は、立花隆のようなライターにはなれないだろう。  第三章~第五章の学生時代、文藝春秋記者時代あたりが一番面白い。第八章のロッキード裁判は論敵を「あまり . . . 本文を読む