うさぎとかえるの里

鳥獣戯画をこよなく愛する自分の日本文化や日常に関する想いをつづります。

花神。

2011-01-12 16:13:14 | 読書
久々に長編を読み終えました。

Yさんにお借りしていた、司馬遼太郎さんの「花神」

主人公は、長州の大村益次郎(村田蔵六)です。

幕末→明治維新はかなり読みましたが、今ひとつなじみがないのが
この大村益次郎さんでした。

討幕軍の総司令官となった大村益次郎、もともとは長州の武士階級でもなく、
村医者の出でした。

それが、シーボルトの娘さんと出会ったり、蘭学の勉強が高じて、
緒方洪庵の門下となり、それが幕府に知れたり、ひょんなことから
地元長州よりも幕府にその才能を買われるんですね~(@_@)

でもそれを放っておけなかった桂小五郎、長州へと蔵六を
呼び戻します。

攘夷運動や、過激浪士や志士以外の、違った幕末といった感じで、
むしろ新鮮でした。

才能を買った桂小五郎、あまり接点はなくともその才を認めた高杉晋作、
本当に長州は人材も思想も、行動力もずば抜けて面白い。

薩摩と比べて、なんというかさっぱり爽やかな感じがします…。
陰謀や裏の手回しは、それが政治手腕としては最良だとしてもなんかスッキリしません。

司馬遼太郎小説の面白さは、あくまでも筆者視点であって、いろんな脱線や余談が
入ることそうですが、あくまでも主人公を客観的に見ているところでしょうか。

蔵六の、感情に支配されない、学者的な機会のような判断力や行動、采配は、
たとえ周りの人に理解されなくとも、読者としては大変面白い。

私情を挟まないから、あくまでも冷静に分析し、西南戦争までも予測し、
それに対する軍備も整えつつ、45歳の若さで暗殺されてしまいます。

暗殺方法は龍馬の暗殺と酷似していることから、
その筋で大村益次郎は知っていましたが、随分と肉厚です。

やっぱり幕末…というか、歴史の変換期は大変面白いです。
面白いというと語弊があるかもしれませんが…

変換機という天では、私が幕末と太平記の時代に非常に惹かれるのは、
ひょっとして同じ意味合いかもしれません…と今更気付きました(--)
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